「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

「ARIA」(アリア)のグランドフィナーレから、作者期待の新作は日本に帰国して(笑)の物語。
やはり前作に引き続いて「水」がテーマになるのですね。
都内から伊豆の高校に入学した引っ込み思案な女子高生「大木双葉」。
その彼女と入学式で一緒になったのが天然系の「小日向光」。

彼女に引きずられる形で「ダイビング部」の門を叩くことになる。
今までは引きずられて生きる日常だったけど、初めて自分から飛び込みたいと感じた世界だったかもしれない!

アリアは水の上の物語。これは「水中の物語」。
アリアは水先案内人のお話。これはきっと「人魚姫たち(マーメイド)のお話」。
水に舞う乙女たちの共演を見逃すべからず!ですな。

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[投稿:2010-12-04 09:26:19] [修正:2010-12-04 09:26:19] [このレビューのURL]

10点 BANANA FISH

ハリウッドの大作アクション映画にも対抗できるスケールの大きさと臨場感を持つ日本最高の少女漫画(そんなジャンルわけすらも馬鹿げてはいるが)のひとつ。
「バナナ・フィッシュ」という国家機密を追うマフィアとCIA。
ストリート・キッズのリーダー「アッシュ」の天才であるが故の悲劇。日本人少年・英二との究極の友情。
脇を固める魅力的なキャラたち。
シン・ブランカ・ケインの男気。
月龍の歪んだ愛情への渇望。悪役のディノでさえも愛すべきキャラクターだった。

ちなみに自分は大学時代の教育実習で母校の中学で1年生3クラスに国語を教えたのだが、そのとき生徒たちにこの漫画が「面白くて、勉強にもなる」と勧めたら、半年後の運動会で学校に来たときに教えたクラスのほとんどの生徒がこの漫画を読んでいた。みな「面白かった」と口を揃えた。ちょうど内容を理解できるであろう(と思われる)最低限年齢で出会えたことは良かったのではないかと思う。

本編が終了した後の番外編「光の庭」がとても良かったですね。

正に「鎮魂と再生の物語」でした。
本編における激しい戦いの後だからこそ、あの「静けさ」が全ての傷付いた者たちを癒す意味で際立つのです。暁は「YASYA」でシンの嫁になっています。でもまさか中国の初代大統領の妻になるだろうとは思っていなかったことでしょう。シンもアッシュと出会って大きく成長することが出来たという意味で、良い出会いだったのではないかと思います。最初はショーターのことがあって素直に友好関係を結べませんでしたが、元々シンはアッシュのことを「偉大な存在」というか「男としての目標」と捉えていた部分が大きいので、シンの人の良さもあって憎むことは出来ませんでした。

「光の庭」ではアッシュの写真に「夜明け」というタイトルが付けられていました。
全ての人に「夜明け」が来たのです・・・・・良かった・・・・・・・・。

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[投稿:2010-12-04 09:15:21] [修正:2010-12-04 09:15:21] [このレビューのURL]

6点 タッチ

サンデー連載作品では珍しくある意味「一世を風靡した」作品。

番付を付けるなら藤田和日郎先生の「うしおととら」を向こうに張って、サンデーの連載作品の中では「横綱」の地位を得ていても何の不思議も無い作品のはずだ。

・・・しかし・・・、実際はどうかと言うと・・「そこまでの作品ではない」というのが正直な感想。
「大関」は勿論のこと「関脇」でもキツイ。せいぜい「小結」くらいだろう。

一体、何故か?
画は見やすくて上手い。序盤はやや描きなれていない印象がするが、中盤から後半にかけて完成期に入って、ほぼ現在の絵柄になっている。
「他のあだち漫画」と比較しなければ、みんな同じ顔のキャラばかりだ(他作品でのキャラデザインの使いまわし)、という欠点も気にはなるまい。
野球を題材に選んでいるが、スポーツはメインではなく、あくまで恋愛メインの青春漫画と考えたほうがいい。
「スポーツ漫画」=「熱血スポ根」という図式を打ち砕いたという点でも先駆者だろう。
だが、肝心のストーリーは起伏が少なく、盛り上がりに欠ける部分が多い。
弟・和也の死という作中の一大事件はあるものの、そのシーンですらもなぜか「淡々とした」印象が強い。これは表現の仕方に問題があると思うのだが、あだち作品のキャラはいずれもあまり感情を剥き出しにして訴えるようなキャラがいない。
だから、何を考えているのかが見えないシーンが非常に多い。
そしてそれは読者の共感も得にくいということに繋がるのではないか。
そうなってくると必然的に話にのめり込みにくくなってくる。

ヒロインの南は最初から達也のことが好きで、もともと2人は両思いだったのだが、そこに南を好きな達也の双子の弟である「和也」(しかも、「劣等性で問題児」というレッテルの兄と比較して弟は「優等生で人格者」だった)という要素があったために当人同士に(特に達也のほうは)「2人の気持ちをハッキリさせる」上で迷いがあった。
その2人の関係を「曖昧なものにする」重石だった和也が死んで舞台から退場したことで結局は達也の迷いを晴らすことになり、必然的に2人の関係を浮かび上がらせることに。

新田・西村、そして原田・・・いずれも男性としての「魅力」では達也以上なのだが、南の気持ちが最初から決まっていて揺るがなかったために「ライバル」にすら成り得ず、単なる「引き立て役」に甘んじた。(しかし・・彼らはその「引き立て役」をプライドを持って甘んじてまっとうしたように思う)
つまり・・・この作品は最初から両思いなのに気持ちがすれ違う達也と南の心が触れ合う(すなわち「タッチ」する)までを描いた作品。
なので、「盛り上がりに欠ける」のもある意味当然のことなのだ。
かと言って「スポーツ漫画」としても盛り上がれるわけではないので、なぜあんなに(アニメ化にしても映画化にしてもドラマ化にしても、そしてスポーツ少女を「南ちゃん」などと呼んでいたことさえも)社会的に盛り上がっていたのかが今考えても理由がハッキリしない。

結論として「ハッキリとした理由もないままに周囲によって祭り上げられた結果、実態以上の過剰な評価が定着した漫画」ということになる。
でも、もう化けの皮は・・・剥がれてもいいでしょう?

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[投稿:2010-12-03 12:36:43] [修正:2010-12-03 12:36:43] [このレビューのURL]

ちょっとエッチな各回完結「ターザンギャグ漫画」・・・だった頃から、なぜかストーリーバトル漫画にシフトした。しかし・・・バトル漫画はジャンプでは他に山ほどあるので、この漫画までシフトする必要があったのか、今考えてもはなはだ疑問。

「ギャグ漫画」だった頃だけなら、歴代のジャンプ連載のギャグ作品と比しても上位に位置していいと思うが、総合的に見るとどうしても評価が下がってしまう。
「ストーリーバトル」で唯一、感動した描写は戦いで傷つき、意識を失うターちゃんにエテ吉が駆け寄り、「仲間たちが、待っているのだよ・・・・・」と囁いたシーン。あそこの演出は作品中、随一の見せ場だと思う。
ターちゃんには「戻るべき場所」があったのだ・・・・・・・。

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[投稿:2010-12-03 12:30:36] [修正:2010-12-03 12:30:36] [このレビューのURL]

最初に読んだときは衝撃的・・・いや笑激的だった。
本人に全くその気がなく、天使のような純真な心を持つ北野君が、顔が悪魔的に怖いというただそれだけのことで周囲の人間から恐れられ、「伝説の不良」として祭り上げられていく様が可笑しかった。
いかに人間が「見かけ」で判断されるものかということを「皮肉」の意味も込めて描かれた漫画・・・だと言えなくも無い。絵があまり上手くないのが不満だが、設定の面白さで十分読めました。

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[投稿:2010-12-03 12:16:32] [修正:2010-12-03 12:16:32] [このレビューのURL]

まず「絵」ですよ。一見するとラフデザインか?と思うかのような輪郭の不鮮明な登場人物たち。
だが、それは「白」と「黒」の組み合わせで浮かび上がる、さながら「水墨画」に近いような世界だ。
未熟さは感じつつも・・・多分固定ファンは付くのでは?と思わせるものがある。

大学を出たものの、将来の自身の展望を描けないままにフリーター生活を続ける主人公が、想いを寄せ続けるのがかつての同級生の生真面目な女教師。しかも死んだ幼馴染の男を忘れられず、今もとらわれ続けている。

・・・と書くと「めぞん一刻」と似た雰囲気かと思いきや、上記の2人を主軸としてその2人のことを想う周辺人物の心情をも細やかに描き、「いずれは結ばれことが最初から読めてしまっている」めぞん一刻よりは、先行きが気になる作品ではある。

しかも主人公がフリーター、その主人公を好きになった高校を中退した少女・・・等、人物の背景がより現代的になった分、リアルさが増したように思う。
みんながみんな片想いで、順風満帆なカップルなんて全く登場しない。
そこには実るか実らないか判らない自身の気持ちと、先行きの見えない各キャラの人生がクロスして本来ならもっと重苦しいお話になるのではないかなとも思うのだが、なぜか作品としての雰囲気は全体的に明るめなのは意外だ。

欠点は「作者の遅筆」。コミックスがなかなか出ないのを作中で作者自身が自分でツッコミ入れている辺り、かなりの地雷だと思う。

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[投稿:2010-12-03 12:13:16] [修正:2010-12-03 12:13:16] [このレビューのURL]

バケモノじみた強さの主人公がバッタバッタと敵を薙ぎ倒す、ある意味とても「少年漫画」らしい漫画。
原作は小説である分、説明的な独特の間があるのが特徴。「戦国時代」が舞台・・・と聞けば、安易に織田信長や徳川家康やらを主人公に持ってくるのが従来の漫画だっただろうが、これはおそらくはそれまではほとんどと言っていいほどに知られていなかった加賀・前田家の反逆児「前田慶次」を主人公に持ってきた。

で、この小説・漫画の影響でゲーム「信長の野望」シリーズでは慶次の能力も随分と贔屓されることになった模様。特に戦闘力なんてそうでしょう。実在の慶次も武力だけでなく、文芸や戦略にも通じ多くの著名人とも交流のあった男で、太閤・秀吉も「怒る前にうなるほど」だったとか。
描写が今のジャンプでは表現出来ないのではないかと思うようなアダルトな描写もありました。伊達政宗・真田幸村・石田三成・直江兼次・結城秀康等、それぞれの立場で「己の信念」を貫こうとする男たちの「生き様」が乱世に大輪の花を狂い咲きさせたこと。それこそがこの作品の魅力ではないかと思う。

慶次が「関ヶ原の戦い」の後、「大坂の陣」を迎える前に死んでいたのは意外。
実質、武将たちの「戦国時代」は「関ヶ原」で天下の大勢が決まり、終局を迎えた。
後は、「徳川幕府」というかつて無いような巨大な権力が自分たちの上に君臨したことを思い知りながら、「封建体制」に組み込まれていくのみ。そんな時代の到来を見ずして死んだことはむしろ慶次のような人間にとっては幸せなことだったのだろう。

逆に「ライヴァルたちの死」を横目に見ながら、しぶとく生き残って豊臣に引導を渡した家康のしぶとさに驚嘆の声を禁じ得ない。

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[投稿:2010-12-03 12:10:18] [修正:2010-12-03 12:10:18] [このレビューのURL]

探偵漫画と言えばすぐにでも思い浮かぶのが「金田一」と「コナン」の二作品。
上記の二作品が探偵漫画というジャンルを確立して、一般の人々の間に広く認識させたという点においては確かに功績があったかもしれない。

だが・・・、ネットでの上記二作品の評価はお世辞にも芳しいとは言えない。何故か?。
殺人事件ばかりが毎回のように起こり、そこに子供であるはずの主人公たちが警察を差し置いて割り込んだ挙句の果てに「ゲーム感覚」で事件を解決していく・・・。しかも下手に人気が出たため、無駄に長期化して質を低下させる事態を招いているしね。これでいい評価を受けるはずがないでしょう。

それに比してこの漫画は事件自体は「地味」だ。1巻で主人公が語っているように、「浮気の調査」とか「失踪した人を探し出す」とか「ストーカー退治」とか。推理もある程度は必要なんだが、とにかく根気のいる作業の連続。間違っても主人公が「毎回のように偶然、殺人現場に居合わせて事件に巻き込まれる」などということはない。「コナン」「金田一」での不自然過ぎる展開に拒絶反応が出ていただけに、そういう作風には好感が持てます。

絵も上手い。女性は美しく華やかに描き、逆に男性キャラは個性的に・・・がポリシーなんだろうか?
主人公は「ゲゲゲの鬼太郎」に似ている。作者が水木先生のファンなのかは定かではないが。
コナンや金田一のような「大ヒット」は望めなくとも、悪評が集中することもないと思われるので、総合的に見たら作品としての質はこちらが上だと思います。

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[投稿:2010-12-03 12:02:56] [修正:2010-12-03 12:02:56] [このレビューのURL]

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