「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

[ネタバレあり]

今、考えてみるといろいろと不自然な点が多い作品。

丘の上の王子様がアルバートだとすると、キャンディが幼い頃孤児院で出会ったのはアルバートだったということになるが、アードレー家の当主がなぜそんなところにいたのだろうか?

さらにいとも簡単に(アーチー・アンソニー・ステアらの強い要望があったとはいえ)キャンディを養女に迎えてくれたが、少なくともウイリアムにとってはなんの関わり合いもない「一少女」のはず。単なる酔狂でしたとは信じがたい。

ここでアードレー家の家系図を作ってみると、ウイリアムは末っ子で唯一の男子。
そして、アンソニーの母とステア・アーチー兄弟の母親・そしてニール・イライザ兄妹の母親(ラガン夫人)とが姉妹ということで4人兄弟になる(驚き)。
ラガン夫人と他の3人の性格が違いすぎるが、それはいいとして(笑)、
ここでもうひとつ、アンソニーがキャンディのことを「亡くなったお母さんと似ている」と確か言っていたはず。

それらから浮かび上がる事実とは何か。
それは「キャンディはアンソニーの母親の娘・つまりアンソニーの妹ではないか」ということだ。
仮にそうだとするとなぜキャンディが捨てられたのかという疑問が浮かぶが、キャンディはアードレー家にとって(アンソニーの母親にとって)表に出せない子供だったからと考えていくと辻褄が合うような。

アンソニーの父親は船長で家を空けることが多かったはず。
妻であるアンソニーの母親が不倫の恋の末に産み落としたのがキャンディで、そんな窮地に陥った姉を慕う気持ちから弟であるウイリアムが助け舟を出してキャンディの存在を隠し、母親が亡くなった後も影から見守り続けていたとすると、後にアッサリと養女に迎えてくれたのも説明がつく。
キャンディとアンソニーは父親違いの兄妹だったとすれば、2人が結ばれなかったのは必然だったのだ。
よって、実は全然アードレー家の血筋だったキャンディ。
ステア・アーチー兄弟とも従兄弟同士で、何とニール・イライザ兄妹とも従姉妹同士になる。
イライザがあれ程までにキャンディを憎むのも実は「同族嫌悪」という説明が付いてしまったり。

その場合キャンディの父親は誰なんだ?、という別の疑問も浮かぶが、弟のウイリアムだった可能性も捨てきれない。

さて真相は?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-21 22:31:49] [修正:2022-05-13 22:59:41] [このレビューのURL]

料理系漫画の中でも変わった切り口。人生を終える直前の偉人たちがタイムスリップして現代日本のレストランに来るというもの。
基本は1話完結で、「テルマエ・ロマエ」がお風呂漫画とするなら、これはグルメ漫画というところ。

そういう意味では、テルマエ・ロマエが唯一無二の「風呂漫画」という時点でインパクトがあったのに対して、
こちらはグルメ漫画というジャンルでは変化球で、しかも食のウンチクを前面に押し出すような展開ではないため、
むしろ毎回のゲスト登場の世界各国の偉人たちの個性で成り立っている作品。

ヒトラー、織田信長、安徳天皇、土方歳三、坂本龍馬と全く統一性のない毎回のゲストの面々。
主人公が怠け者で悲観的な考え方の持ち主のため、彼を取り巻く女性陣の明るさも重要な要素か。
ゲストの偉人たちはいくらでもいるのでネタには困らなさそうだが、長期ヒットできるのかは微妙だと思います。
イマイチ「起爆性に乏しい作品」というのが総評。化ける可能性も現状では低い・・・・。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-07-21 12:28:49] [修正:2022-05-10 10:26:27] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

東西冷戦下的な世界観で始まるスパイ物語。
しかし、敵国の要人と面会するために子供を名門校に入学させて優秀な成績を収めさせねばならない。
スパイの男は当然に父親役。子供は娘を孤児院から見繕って引き取った。
但し、この子供は超能力があり(読心術のみ?)普通の女の子ではない。
一次試験は突破できた。しかし二次試験は母親同伴が必須。今度は偽装結婚が必要。
適役の女性がなかなか見付からない。

一方、暗殺者として裏の仕事を請け負う女性がいた。彼氏もおらず周囲の人間があれこれ五月蝿い。
こちらも周囲の人間を欺いて安心させる為の恋人を必要としていた。
こうして利害の一致した二人が出会い、夫婦となることになる。
夫側は先に子供を見付けていたので再婚になり、妻側は初婚である。
但しそれは準備段階の最初の一歩。子供が試験に合格して学園に入学できないと始まらない。

絵柄が「ワン・ピース」に酷似しており、見易さはあります。
一応、最終目的の達成の為に「いくつか段階を踏まなければならない」ことが最初に提示されているので、
基本的には学園行事に連動するような形で話が進みつつ、夫は本業のスパイで(妻には秘密)、妻は本業の暗殺者で(夫には秘密)それぞれ任務がちょくちょく入ってくるような流れで進行するようです。

物語全体としてのテーマは「家族愛」になるのでしょう。
ハリウッドのアクション・コメディ映画として2時間枠で作成したらそれなりの面白さでまとめられそうですが、
連載漫画で長編を意識すると学校イベントが何年も繰り返される危険が生じてマンネリ化の危険も。
どうやって調理し、味付けしていくか注目しましょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2022-05-06 09:22:07] [修正:2022-05-06 09:22:07] [このレビューのURL]

演劇漫画。
素で迫真の演技が出来る高校生「夜凪景」はオーディションでその天性の資質の片鱗を見せるも、不合格だった。

年端もいかない弟妹を養うためにもお金を稼ぐ必要があった。
そして天才監督が彼女を見出す。
コミュニケーションの苦手な少女というクセのある主人公は「天才」キャラ。
そして演劇の世界に足を踏み入れていく。
ジャンプで演劇を題材にするのはかなり珍しく、普通ならすぐに打ち切りになりそうだが・・・化けた模様。
原作者と作画が分れているのも良かったのかもしれない。
題材故か「文字量が多く、漫画にしては小説に近い印象」。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-02 21:30:40] [修正:2020-04-02 21:30:40] [このレビューのURL]

昭和天皇の一代記。
祖父は明治天皇。父親は大正天皇。その嫡男として生を受ける。他に弟が二人いたが、嫡男として一線を引かれ、
幼い頃から帝王学を教えられる。

乃木大将・東郷元帥といった歴史の偉人から薫陶を受けて育つが、母親は弟たちを溺愛し側近は「臣下」。
本心を曝け出せる親友を持つことすら叶わなかった。
唯一、心を開けたのは養育係の女性「足立タカ」のみ。
だが、そのタカも成長するにつれお傍から外されようとしていた・・・・。
臣下を、そして国民をわが子のように慈しむことが出来る者こそが真の君主たるものである。
英明なる君主が歴史の動乱に立ち向かうべくおぼつかぬ足取りで自らの運命を掴み取ろうとしていた・・・・。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-07-07 21:57:54] [修正:2019-07-07 21:57:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

日本では馴染みの薄い「フス戦争」を題材にした物語が遂に完結しました。
シャールカたちの戦争継続反対の声も掻き消され、遂に最後の戦いに赴く面々ですが形勢不利は明らか。
事前に降伏を勧められても拒否し、滅亡への道を進み続ける。
シャールカもそんな仲間たちに殉じて共に戦い玉砕しようとしますが・・・・・。

長きに渡ったフス戦争も集結し、新しい流れが起きます。
但し、それは「和平への道」ではなく、新しい勢力による新たな争いの道と言った方が正しいでしょう。
シャールカと共に長きに渡って戦ってきた仲間たちも命を落とし、生存できた人間は片手で数えるほどしかいません。
結局、「ヤン・ジェシカ」が掲げていた大義は実現できなかったのでしょうか?
九死に一生を得て戦場を脱出したシャールカはヨハンの元に残してきた愛娘・クラーラと十数年ぶりに再会を果たし、物語の幕は引かれます。
思えば物語の開始早々に家族を皆殺しにされ、強姦され、悲しみの淵に沈む暇さえなく戦いに身を投じねばならなかった少女・シャールカ。
多くの悲劇を乗り越え経験した果てにようやく離れ離れだった娘と再会できるのはせめてもの慰めでしょう。
そもそも漫画作品で主人公が妊娠・出産を経験する作品は一部のレディース向け作品を除いて「まず有り得ない」ことであり、大河ドラマのラストシーンとしても極めて異色である本作です。
娘・クラーラは少女時代のシャールカによく似た美しい少女に成長しました。
父親のヨハンの伝手でクラーラが貴族と結婚出来れば、シャールカが孫をその手に抱くことも叶いそうです。
最終巻の年齢はシャールカ30歳、ヨハン31歳、クラーラ15歳。
当時は平均寿命が短く、20歳まで生きた人でも45歳くらいが平均寿命になります。
シャールカもこれからは壮年を経て晩年に至るのでしょうが、家族と共にどうか平穏な後半生を送って欲しい、
そんなことを願わずにはいられない物語の帰結でありました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-06-12 17:05:14] [修正:2019-06-12 17:05:14] [このレビューのURL]

温泉街として草津などと並んで有名な静岡県の熱海を舞台にした物語。
クリーニング店を営む女主人とその周辺の人々とのエピソード。
単なる人情とお色気の話かと思いきやさにあらず。

女店主は二年より前の記憶がない。それまでは熱海におらず身寄りも親族も不明。
この設定がひとつの大きな伏線として物語を牽引していくと思われます。
絵は見やすく温泉街故に裸もそれなりに多い(笑)。
ぜひ長期連載していただきたい!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-06-04 19:33:46] [修正:2019-06-04 19:33:46] [このレビューのURL]

女子高生同士が周囲に隠れて恋人同士の所謂「秘密の百合」。
片や長身美少女。片や巨乳ツンデレ美少女。

周囲にバレないように恋人関係を続ける二人は大っぴらにイチャイチャ出来ないのがもどかしい。
「重要な場面で邪魔が入る」というのがコンセプトらしい。
つまり、読者も主人公カップル二人と共にヤキモキして下さいということです。
肉体関係を結ぶのはいつになりますやら。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-06-04 18:29:33] [修正:2019-06-04 18:29:33] [このレビューのURL]

セーラー服に憧れて女子中学校を受験して合格した明日(あけび)ちゃんの日常を描く。
スタート時点では小学六年生なのですが、田舎の過疎地域のような舞台から徒歩通学で行ける範囲で名門女子中学校があるの?

お母さんの母校に入学することになった明日ちゃんは初めて同年代の女の子たちとお友達になり、
キラキラが詰まった青春時代の幕開けなのです!

とにかく「女の子の動作・仕草」にこれでもかと言うほど拘って描写しており、
ひとつの動作を数ページに渡って描写することもままあります。

「女の子」に生まれているっていうだけで「特別」なんだって!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-27 21:20:36] [修正:2017-09-27 21:20:36] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「ジャンプ改」が廃刊になり、掲載を白泉社の「Melody」に移しての仕切り直しになります。少年漫画雑誌から少女漫画雑誌に移籍したという点がポイント。演劇を題材とした青春物語として横断性のある内容だということです。

前2巻でダブルヒロインが「紅華音楽学校」へ入学する経緯と出会いから対立を経て仲直りし、友人となりました。

予科生は季節が夏に移っても講義ばかりの毎日。みんな退屈している。
渡辺さらさの提案で演劇の実習を組み込むことになり、Aクラス20名は4人ずつ5チームに分かれての発表会に向けての特訓になります。

未だその実力が知れない「渡辺さらさ」ですが、奈良田愛他のクラスメイトたちはやはり何かにつけてさらさの事が気になって仕方ない。

授業外でチームはそれぞれ時間を見付けて練習を重ねなければならず、場所取りと時間にどのチームも苦労します。
その間にチーム内で姿勢・方針を巡って対立したりもあって前途多難な船出。
けれど困難を乗り越えて女の子たちは突き進むのがこの作品です。

1巻の4話目でいよいよ演技の発表に移る。今までクラスメイトたちが一様に感じていた「さらさに対する目を離すことができない感情」。
その理由が明らかになる。
他のメンバーが初めての演技で緊張から失敗を繰り返す中、ティボルト役のさらさは憑依能力により、完全に役柄を再現。
教師・クラスメイトたちの度肝を抜いた。
100年の歴史を持つ歌劇団の中にあっても非常に希な能力であることを認める先生。しかし、それは「諸刃の剣」でもあった。
さらさの事を格下と思っていたクラスメイトたちの多くが恐怖を抱いたはず。

そして何人かはさらさが「同期中で唯一の天才」であることにも気が付いたはずだ。
天才の才能を目の当たりにしたとき、優秀・優秀と言われて入学を許された自分たちが「所詮は秀才レベルに過ぎない」ことを知り愕然としただろう。

少なくとも今後はクラスメイトたちのさらさを見る視線は変わるはずである。
今後の展開に期待大である。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-18 22:38:40] [修正:2016-04-18 22:38:40] [このレビューのURL]

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