「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

「金田一」や「コナン」に対抗できるだけの巻数を重ねながらも終始「地味」な推理漫画。

とにかく見開きページで決めゼリフを派手に決めるようなシーンもなく、「探偵グッズ」が次々と登場するわけでもない。
絵的にアピールするという意味では上記の2作品と比較して弱い点は否めない。

けれど、この作品はその分「謎解き」という面において特化していて、人間ドラマは極力省いて「贅肉を削ぎ落とした筋肉質の作品」としている。その証拠に、毎回の犯人が見つかった後はすぐに終了となっているし、エピローグなどをダラダラと続けたりはしないのだ。

主人公が「理系の天才」という設定も、作者がお得意らしい数学的知識をふんだんに盛り込むという意味では効果的。
同じ天才のはずなのに「理由不明で学業が振るわない金田一一」などとは違うのである。

推理漫画である以上「殺人事件」が起こらないと話にならない・・・という問題点はこの漫画でも解決はされていないのだが、それでも全体的な比率からすると五割前後で、九割突破が確実な「金田一」「コナン」よりもずっと抑えている点も好印象。
ひとつの事件がコミックスのその一冊の中で解決する設定は画期的。
次巻に跨ぐと展開を忘れてしまうという欠点がどうしても出てきてしまっていたが、その問題点をクリアした。

レギュラーは頭脳労働担当の「燈馬」と肉体労働担当の「可奈」の2名にキッチリと分けられているのも「コンビ」という意味においては成功。
前述のようにミステリ系の漫画としては明らかに「金田一」「コナン」の2作品よりも出来が上なのだが、掲載誌が隔月発行ということもあって、コミックスがまともに置いていない書店さえ結構あるというのが現状。

そんな恵まれない環境にあってもコミックスは25巻を突破。
講談社の隔月掲載の漫画の最高記録保持作品なんだそうです。
つまり・・・コアなファンでないと存在自体に気付くことの出来ない漫画でもある・・ということなんでしょう。

ぜひ「金田一」「コナン」とのコラボで調子に乗る金田一一と江戸川コナンを懲らしめて欲しい。

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[投稿:2010-09-12 20:43:23] [修正:2010-09-12 20:43:23] [このレビューのURL]

長期連載のギャグ漫画でありながら、結構頑張っていると思います。
「サザエさん」や「ドラえもん」と同じでキャラが年をとらないという設定なので、下手したら永久に話が続けられる反面、ネタ切れによるマンネリ化の危険と常に隣り合わせなので自分で自分の首を絞める可能性も高いです。
それを考えても、毎回毎回のギャグはちゃんと笑えるし、絵は上手いとは言いがたいけれど(ま、もともとギャグ漫画で絵が上手いというもの自体あまりないですが)、「ドラえもん」クラスとまでは言わないものの、教訓めたいものや人情話が「さり気なく」ラストに挿入されていたりで「なるほど」とも思わされます。
登場人物も基本的に「悪人」はいません。みんな「いいひと」ですね。
勿論、我等が「しんのすけくん」も含めてですよ(笑)。

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[投稿:2010-09-12 20:40:00] [修正:2010-09-12 20:40:00] [このレビューのURL]

この漫画の掲載雑誌「LaLa」は少女漫画雑誌にしてはちょっとクセのある、所謂普通の男女の恋愛が主題ではないSFや伝奇などを絡めた、男性でも読みやすくてしかも面白いという漫画が多かったのだが、これはその連載陣にあって1番普通の漫画である。

とにかく絵柄から見ても、「爽やか系純愛路線」であることは分かり、ドロドロや嫉妬などはおよそ似合わない天然系のキャラたちによって物語は紡がれていくのだが、「それ故」の欠点も同時に存在していて、なかなか大ヒットには現在に至るまで繋がっていない。
確かに特徴の薄い漫画だから、起爆する要素に乏しい。
新しい作品をスタートさせて、舞台を変化させても作風は変わらないわけだし・・・。
それと、この「絵柄」で男女の肉体関係を描写なんかしても、まるで
「小学生同士でセックスしたような」
有り得なさ感が広がるだけです。止めたほうがいい。

ただ、この作品は一応10巻を超えるほどに連載が続いたので「なかじ作品」の中では1番のヒットと言ってよかろう。
でも、それでも「普通」の評価は変わらず・・・・。
絵柄が見やすいくらいしか誉めるところはなく、と言って「どこが特筆して悪い」ってわけでもない・・・
っていう何とも歯切れの悪くなってしまう漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-12 20:37:18] [修正:2010-09-12 20:37:18] [このレビューのURL]

矢沢あいの出世作とも言える本作だが、この頃からもう独自の世界をちゃんと確立していたのだと判る。

とにかく彼女の絵は他の「りぼん」連載作家たちとはまるで違った。
喩えて言うなら「ジャンプ」でいうところの荒木先生の「ジョジョ」のようなものだと思う。
スタイリッシュとでもいうか、美術的とでもいうか、「アート」(芸術)の類と言ったほうが適当かもしれない。
そんな作風だから後年「りぼん」が陥る雑誌自体の幼稚化にも染まることはなかった。
「染まりようもない」絵柄であり作風だった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-09-12 20:35:50] [修正:2010-09-12 20:35:50] [このレビューのURL]

パワーとムチャクチャさにおいては前作「お父さんは心配性」を超えたあーみん三部作の第2弾。

変態忍者3人組(←と、書いたけどホントの意味での危険人物は「極丸」のみ。極丸と比較すれば「危脳丸」はまだ可愛いもんだ。満丸は無害。)にいつも手を焼かされる師匠が憐れでならない。面白いんだけどね。

特に面白かった回は・・・・
一.1巻。夏休みの計画表を作るも極丸はお姫様と結婚する予定を立てていて、それを阻止しようとする師匠と他の2人は極丸の挑発に乗って「予定通りに行動しながら、極丸を追いかける事に」。三味線を奏でながらの追撃(笑)とか、座禅を組みながらの疾走とか、有り得ない・・・(笑)。最後はキリシタンの神父を助けての大団円(笑)・・・・・って、どうやったら「そういうオチ」に結び付くんだ(笑)、という疑問はどうぞ実際に見れば全て分かります(笑)。
二.1巻。危脳丸が「奇病・さしすせ疽」に冒される話。「さしすせ疽」を顔にして身体測定のピンチを乗り切ろうとする展開に爆笑しました。
三.1巻。白鳥城のお殿様の誕生会で唐突に登場してテーマソングを歌う作者「あ?みん」。「原稿料あげろ -っ」「しめきり延ばせーっ」「毎年友だちがお盆の時にしめきりなんてあんまりだーイェーイ」(笑)と か自らの窮地をネタにしてしまう自虐的な作りに感動。
四.2巻。突然登場して準レギュラー化した「元・ニセ歯医者改めニセ商売人」の出てくる回はどれも最高で した。ターミネーターが危脳丸よりも偉くなった途端、先輩風を吹かせて危脳丸イビリを始める・・とかも、掌の返し具合がたまりません。

3巻はややパワーダウンか。最終回の前の話で「ターミネーター」が死ぬなんてシリアス展開になったのに・・・師匠とお姫様は全然、悲しんだ描写が無いまま放置された(笑)。最後の最後で「実は生きてた・・」って前回の感動(?)が台無し(笑)。しかも最終ページは「3人組」として紹介されてターミネーターはやっぱり無視(笑)。

作者は「変態漫画家」扱いにイヤ気が差して、筆を折ってしまわれたそうですね・・・。少女誌でこんな「破壊的なギャグ漫画」を描いていた方は・・・・記憶に無いです。後に続く方もいないでしょう。そこに「岡田氏の非凡さ」を見たいのだが・・・。全3巻は短いですが、これは間違いなく「買い」です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-12 20:33:09] [修正:2010-09-12 20:33:09] [このレビューのURL]

サンデーで連載してた地味なバスケ漫画。

小さな主人公が名門バスケ部に入部して、徐々に活躍していく・・・という、確かにサンデーで連載してた「健太やります!」と設定でも画の雰囲気においても類似点を多く感じさせられる作品。

バスケ漫画は「SLAM DANK」を頂点として、「ディアーボーイズ」が追撃して、「ハーレム・ビート」、そして新鋭の「あひるの空」辺りが続く・・・っていうような勢力地図になっている印象あり。
サンデーは「ダッシュ勝平!」なんていう古典もあるんだが・・・この作品共々、大ヒットを出したとは言えないジャンルになってしまいます。

この作品は全11巻という「小ヒット」で終わってしまった辺り、やや「小粒にまとまり過ぎ」の印象は間違いではないでしょう。画の見やすさなんか結構お気に入りだったんですが、「起爆する要素」が足りなさ過ぎた作品ではなかったかと思います。残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-12 20:27:05] [修正:2010-09-12 20:27:05] [このレビューのURL]

5点 ONE PIECE

今更ながらだが、「ワンピ」の評価を。

現在のジャンプの看板作品。確かに絵も上手いほうだと思うのだけれど、最近は初期と比して「描きこみ過ぎ」で返って見辛くなっているような印象も受けます。

それと、長い。
伏線を山ほど張っているのは判るのですが、それが一体いつ解決するのか?
ホントに全ての伏線を回収し切れるのか?そして、完結まであと何巻費やすのか?
・・・等、疑問が次々と上がってくる。下手したら80巻くらいはいくんじゃないのか?


で、現在の長期連載が最初から作者の予定の範疇だったのか、それともジャンプお得意の編集部の都合による「引き延ばし」によるものなのか?で、評価は変わってくると思う。

仮に前者なら完結に向けてまだ何とかやっていけそうだが、後者だとしたら破綻は時間の問題だろう。
ジャンプは、鳥山先生の才能を食い潰した轍をまた踏もうとしているのかと思うと、全く懲りない体質に嫌気が差してくる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-12 20:11:20] [修正:2010-09-12 20:11:20] [このレビューのURL]

この漫画を例えるならば「お子様ランチ」であろう。しかし「タイトル」と「内容」は合っていない。

鳥山明先生の「ドクター・スランプ」を少女漫画&低年齢向けにしたと言ってもいいか。
「いー加減」のようでいて、その実「しっかりと独自の世界観&キャラが構築されている」ことに驚く。
都会の名門中学校に通っていた「ちーちゃん」こと藤ノ宮千歳。
父親の死で借金を抱え、実家も売られて全てを失い失意のうちに田舎の廃校寸前の中学校に転校してくる。

そこは・・・牛や鳥が学園内で平気で飼われ、小学生と間違うような生徒たちが溢れる
お嬢様育ちの「ちーちゃん」には到底馴染めないような世界だった。

亡くなった父親の隠し財産を見つけてようやく元の学校に戻れるようになったちーちゃんだが、
その財力を使って廃校寸前の田舎の中学校を再生。
自分の目指す「理想の学校」を作り上げようとして始まる奮闘!。

主人公は「わぴこ」のはずなんだが・・・天然系ゆえにどーにも目立たない。
金魚の「ぎょぴちゃん」は理由不明で飛べるようになったり・・・と、
メチャクチャな部分を「世界観で押し倒すような部分」は確かにアリ。

しかし・・中学生なのに全然「恋愛」が絡まずモロ「色気より食い気」な、わぴこ。
一応、十分に可愛いのに・・・。
絵柄から「大人が読む」にはちょっとツライ部分アリなので、童心にかえったつもりでどうぞ。

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[投稿:2010-09-12 20:08:10] [修正:2010-09-12 20:08:10] [このレビューのURL]

「青い花」「放浪息子」で知られる志村先生の初期連載作品。
「青い花」がアニメ化されたことで、過去作品にも注目が集まり、この度新装版で再販されました。

絵柄が大分違いますが、中学生男子を主人公にどちらかというと退廃的な世界観で物語が展開されますね。

主人公の本田ちあき君は中学3年生。母子家庭でお姉さんが一人。
ホントは気が弱いくせに「プチ不良化」して煙草を吸ったり、髪の毛を緑色に染めたりしてクラス内でも浮いた存在。

学校をサボって行くゲーセンで得意のゲームで勝負して女の子に負けたり、
電車内でオヤジに痴漢されたり、学校行けば生活指導の先生から目の敵にされたりと騒がしい生活。
しかも産休の担任の先生に代って新たに担任になった男性教師に電車内の痴漢の被害者になっているところを目撃されて以降、どーにも苦手意識が出てしまい・・・・・・。

不良少年が主人公なんて先に「青い花」「放浪息子」を読んでいた方から見れば
意外過ぎで驚きかもしれません。

ただ・・・本田君の不良や素行の悪さの根本的な原因は・・・・
思いきり不幸・・・・って訳でもなく、かといって幸せという訳でもない。
生きる上で目的もなく、目標もない・・・・・。

青春の退廃部分を「志村流にて描いた作品」でしょうか。
新装版で全6巻。付き合わせていただきたいと思います!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-11 17:58:48] [修正:2010-09-11 18:08:50] [このレビューのURL]

アニメが大ヒットし、ヤフーのトップにまで最終回のニュースに嘆くファンの話が載るほど。
が・・・原作は?

アニメから入った方は見て驚くと思われるが・・・この作品四コマ漫画なのである。
だから、一貫したストーリー漫画と違い、連続したお話であるはずなのにそれがイチイチ
四コマ目で途切れるので非常にテンポが悪いと目に映るのである。

絵もさして上手いとは思えないし、ホント同人作家レベルだと思う。
何よりも「音楽」を題材としながら、アニメに比して音が出ないのは痛すぎる。

これは何も「耳から聞きとれないこと」を言っているわけではなく、
他の音楽を題材にした作品は「紙面上から作者の力量で音を感じさせるような構成」になっているのです。
が、この作家にはまだそんな技量はありません(涙)。

アニメ観てる方、ワザワザ買ってまで読む必要はないです。
アニメのほうが原作より絵が綺麗で、音楽が良くて、テンポがいいのなら原作読む意味は
「アニメの制作スタッフの力量の高さを知ろう」
以外はないと思います。

基本的にアニメが原作を超えるなんてことはまずないと思うのですよね。
過去の作品群を鑑みても。

これはその「数少ない例外作品」に挙げていいでしょう。
作者はアニメのスタッフに感謝するべきかと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-11 18:05:42] [修正:2010-09-11 18:05:42] [このレビューのURL]

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