「臼井健士」さんのページ

故・石ノ森章太郎先生のライフワークと呼んで差し支えのない大作。

死の商人グループ「黒い幽霊団」によって世界の各地からさらわれた九人の男女。
新時代の戦闘要員としてサイボーグとされた彼らが自由と平和を求め反乱を起こす。
世界各地で起こる戦争・紛争の影で暗躍する「黒い幽霊団」との果てしない戦いが続く・・・。

前半は「黒い幽霊団」との戦いだったが、後半は神話・伝承へと話がシフトしていったために話が難解になったのが難点か。名シーンはやはり「地下帝国ヨミ編」のラストを挙げざろうえない。
宇宙に飛び去った「黒い幽霊団」を葬るために単身送り込まれた009。そして、009を救出するために宇宙に向けて飛ぶ002は「もう間に合わない」と叫ぶ001に言う。
「間に合わない・・・・かもしれない・・しかし、苦楽を共にした仲間を見捨てるわけにはいかない・・・最後の一秒までチャンスにしがみ付いてやる。そして、その一秒が過ぎたら・・そのときはどうか神よお力添えを。生まれて初めてあなたに祈ります・・・」
スラム育ちの002が生まれて初めて神を信じる瞬間が印象的。

引力圏を脱出した002は009を爆発の中から救いだすが、ロケットの燃料不足から大気圏突入を余儀なくされる。009は自分を見捨てるよに懇願するが、002はそれを拒絶し2人は流れ星となって地球に落ちていく・・・。002は009に聞く「ジョー、君は何処に落ちたい?」
そして地球では2人の姉弟が落ちていく「流れ星」を見ていた・・・・。
姉は流れ星に願いをかける「世界中の人々が争うことなく、平和に暮らせるように」と。

完璧だ・・・。ここで終わっていたら文句の付けようがなかったのだが

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-11 17:59:52] [修正:2012-01-03 09:44:19]