「臼井健士」さんのページ

評価するのが一番難しい漫画だ。

良い点は医療の現場に潜む「暗部」を白日の下に晒したという点。それまでは「医療漫画」と言うと、天才的な医師による痛快な活躍を描いた感動ストーリー・・・・ばっかりだったのだから。
逆に悪いのは主人公が「見習い医師」のため、広く問題提起はするのだけれど「根本的な解決策」が提示されず、結論は「それは、これからの我々が考えていかなければならないのだ・・・・・・・」(完)、で終わってしまう点だ。
確かに「現実の問題」を題材にしている以上、そんなに簡単に解決策が出るわけ無いということは百も承知なのだが。

タイトルに「ブラックジャック」を出したのは「哲学的なテーマ」を盛り込んで、光の部分も闇の部分も含めて「人間賛美を謳い上げた」手塚先生の作品に相対するという意味を持たせたかったからだと私は捉えているのだが。
ただ・・・このタイトル故に「医療漫画中では最もメジャー化」したと言えなくもないので、そこは賛否両論あるところだろう。
私はより多くの人間に対して「問題提起」を促すために役立ったのでOKと許容。

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[投稿:2010-12-11 18:08:09] [修正:2010-12-11 18:08:09]