「kiki」さんのページ

総レビュー数: 471レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月23日

ただの囲碁を初心者からはじめてドンドン上手くなっていくだけの
話だと思ってました。が、読んで天才棋士がとりついて囲碁を主人公に
させていくだなんて意外な展開で面白かったです。
あと囲碁を全く知らなくても楽しめるのもよかったです。

普通に成長させるだけでなく、佐為の囲碁の力によって ライバルや
強い人々がヒカルに惹きつけられて混乱し、ヒカルの奥に隠れている
佐為を見出そうとするのが特にハラハラさせられました。

強くなっていくヒカルに対して存在感を失っていく佐為。
江戸時代みたいに囲碁によって貧乏から脱却できるという世の中じゃ
ないんだから(別に秀作がそういうワケじゃないですが)、佐為の
あやつり人形で囲碁をやる訳にはいかないし、結果ああなったのは
自然な流れで上手くプロット組んでるなと思いました。


ネタバレになりますが、佐為のいなくなり方もとてもよかったです。
盛り上がってお涙頂戴で消えていくのではなく、サラリと消えるだ
なんていいですよねぇ。
佐為編最終回と合わせて感動しました。

ただ残念なのは北斗杯編。
言いたいことはなんとなく分かるけど、あの結果にするんだったら
描かなくてもよかったのでは?と思ってしまいました。
いくら周りの人々が「あの結果だったけどヒカルは実力があって
強いんだ」って語っても実際の重要な場面でああだと意味ないような…。
スッキリさせて欲しかったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-09-18 18:46:57] [修正:2012-09-30 01:36:36] [このレビューのURL]

最初の方のヒロインの「私は信じているから」「何があっても私は
愛しているから」の現実への目のつぶりっぷりと行動には
「よくもこんなウザイヒロインが作れるなぁ」と思ってたのですが、
あまりのめげなさっぷりに陣内のように「強い女で凄い」って
思っちゃいました。

各キャラクターはそれぞれに負の面がよく描けてるし、また
変装したヒロインを夫であるふみくんが正体を見破られないのを
「それはないやろ…」とは思うんだけど、意外な展開(特にふみくん
がヒロインを嫌う本当の理由)が色々巻き起こるので目が離せま
せんでした。 

3巻ぐらいまでの前半部分のしか当初予定してなかったのか、
後半はトロイ芹菜が急に腕のたつ女探偵になるわ、展開も不自然さ
があるものも多いんだけど、ストーリーの勢いと、くさい展開で
ページをハラハラめくらされて楽しませてくれました。

又、途中からは作中でヒロインが読んでいたハーレクインドラマ小説
のような展開もよかったです。
惚れた男は表面的にはイケメンで優しいが実際は冷酷で人のいいなりに
なってしまう小心な者。対してヒロインのことを「おばさん」呼ばわりし
一見ちゃらんぽらんで胡散臭いけど、陰ながらヒロインを見守りピンチの
時は絶対に助けてくれる男が出てくるが、最初ヒロインは彼の真意に
気が付かない。そして自分の前から姿を消えたことによって初めて
様々な真実に気が付く・・・ってどこのスカーレット・オハラやねん!
でもこういうお約束の展開って何故か惹かれてしまいます。

けど最後に結ばれる二人の恋愛にはちっとも憧れは持てないんだけどね。
なんでお互いプライバシー全開が平気でそっちの方が愛を感じてるんだ。
その点ではふみくんの一人になる時間が欲しいって気持ちの方が共感
できるかな。
芹菜も陣内ももの凄く愛に飢えててベッタリが好きで、その波長が
ピッタリきてるんだろうなぁ。
こういうのもひっくるめて大変面白かったです。

作者さんお年なのにこんなに描けてすごいと思ってたのに、引退
したって本当なの?もったいない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-09-25 03:01:48] [修正:2012-09-25 03:01:48] [このレビューのURL]

7点 魔女

1回ぱっと読んだだけでは分かりづらい作品ですね。
けど色々描き込まれた独特な絵柄、話の雰囲気に引き込まれ
つい1回、2回と読み返して「なるほど」と思ったり
寓話のような話の流れに「うまいなぁ」と思ったり。
絵柄も内容もかなりな個性を感じていいと思います。

感覚の表現や人間の持つ不可思議さをよく表現できているとは
思うのですが、もう少し分かりやすく魅せることができてたら
傑作だと思ったでしょうね。

個人的に大好きなイスタンブールが魅惑的に描かれてたのが
よかったです。(マンガの舞台になることほとんどないし)
作者さんって旅好きなんでしょうか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-07-31 22:31:32] [修正:2012-07-31 22:31:32] [このレビューのURL]

やだもうこの人、色々こじらせ過ぎ!
容姿端麗、頭脳明晰、モテル仕草もバッチリ備えている関根くん。
なのに中身が色々残念すぎて、読んでいてハラハラと楽しめました。
関根くんの描写が上手すぎます。

ややこしい関根くんの内面にどんどん色々な指摘をして切り込んで
いくサラちゃん。それに動揺してわけ分からない行動をとってしまう
関根くん。二人の微妙な関係もたまりません。

1年で1冊ペースなのが残念。
とりあえず3巻まで読んで7点。
久々に先が楽しみな恋愛漫画です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-07-10 02:11:59] [修正:2012-07-10 02:11:59] [このレビューのURL]

7点 銀と金

裏世界の勝負事や体を張った殺人鬼との対決などバリエーション
豊かで、テンポよく話が進んでいくのがよかったです。
色々詰め込んであるので話によって面白さのばらつきがあるなぁと
思いました。
私はポーカー編とマージャン編が手に汗を握って楽しめたかな。

最後がしりきれとんぼのように終わっているので全体的にテーマが
ぼやけた印象があるけど、ハラハラしながら読める良作品だと思います。

お姫様抱っことマージャン編のラストの手の中チラリには
度肝を抜かされました。森田じゃなくても「銀さん最高!」って
なってしまいますね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-07-03 18:33:11] [修正:2012-07-03 19:00:24] [このレビューのURL]

母親には子供に大していつもフェアではいられないし、平等に
見ることができない時もある…それは真実だけど、建前では
母親は常に子供達に平等で無条件の愛をささげている存在に
なっている。それだけにこの短編集の鋭さったらたまりません。

様々な娘達が出てきますが、基本は過去に浴びせられた言葉に
囚われた人達が多いですね。それに基づいて作られたキャラ達の
性格が上手く表現されていること!
よしながさんはちょっとした会話の言葉にでも敏感な方なん
だろうなぁと思ってしまいました。

そして他の方も書かれているけど、何気ない仕草やセリフに
仕掛けられた意味合いもすごい。青年がお茶を煎れる仕草には
うならされました。

3話めの「分け隔てなく愛する」娘の話は、なるほどだから
仏陀は妻子を捨てて出家し、イエス・キリストは妻子を持た
なかったのかと色々気づかされた話でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-28 22:31:54] [修正:2012-05-28 22:31:54] [このレビューのURL]

「とべ!人類」とについての感想。
人類滅亡後の唯一の希望を託された普通の中学生達が、何の説明もなく
気がついたら宇宙空間にいたところから物語はスタート。
少年向け漫画らしく様々な困難が降りかかろうとも克服していく彼ら。
いや克服はしてるけどあまりの犠牲の凄さに度肝ぬかされました。

特に目新しい視点もないけど、一巻という短いページの中に様々な
ドラマが練りこまれていてテンポよくぐいぐい読まされました。
「とべ人類2」含め骨太な宇宙SFに仕上がってて、尾瀬先生って
昔はこんなSFも描く人だったんだと思いました。
人間ドラマが主体なので今の作風とも通じてますが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-02 21:30:58] [修正:2012-05-02 21:30:58] [このレビューのURL]

世界的な大財閥の令嬢が父親のゲームにのって婿探し。
超ド級の美形のフランス人貴族やラギネイ王国の王子様ややっぱり
金持ちの青年たちと次々に出会って行き、自らの出生の謎に絡んだ
ラギネイ王国の政変や革命に巻き込まれて行く…という話なんだけど、
なんてかもう登場人物達の美形っぷりとスーパー金持ちっぷりに
クラクラしますw

よくありがちに平凡なヒロインがイケメンな金持ちたちに
持ち上げられてってな話じゃありませんから。
ヒロインは最初から美少女で大金持ちです。
そのヒロインの花鹿ってば誘拐を恐れた父親が所有するカリブの
孤島で外界と遮断されて育つんだけど、彼女が共に暮らし愛してたのは
白豹のムスターファ…え?ヒョウ!?なんじゃその設定!
よくそんな浮世離れしたこと思いつくよなぁ樹さん。

これぞまさしく超煌びやかな少女マンガ。
これでもかってぐらいの現実離れのしっぷりは圧巻です。

煌びやかなだけでなく、架空のラギネイ王国の成り立ちや宗教、
王宮のシステムなど色々作りこまれてるし、革命が主体になって
たりして骨太な部分もあって読み応えがあるかと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-03-29 17:00:02] [修正:2012-04-13 00:29:25] [このレビューのURL]

父親が亡くなって49日もたってへんのに母親は新しい男を家にひっぱり
こんでいるという中学生。「女の子になりたい」宣言をクラスメートの
前でした小学生男子。15才なのに23才の彼女がいる中学生男子。
・・・など1巻辺りはまだ風変わりだけど、実際にありそうなシチュ
エーションのストーリーに大阪の子らは強いなぁとほんわか読めてました。

が、巻数を重ねるごとに大人の話が多くなってきて、ちょっと辛い話が
増えてきて人生ホンマ色々やなぁと悲哀の方が色濃くなってきたかな。
もちろん会話の掛け合いなど楽しくは読めるんだけど、読んでいて
胸の奥がギュっとつかまれる感ありです。
様々な人達の追い詰められ感がよく描写されていてすごい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-03-04 01:17:49] [修正:2012-03-04 01:17:49] [このレビューのURL]

ここのサイトでラズウェル細木さんという作家を知りました。
食べ物系の漫画が好きなので気になってて、先日買ってみました。
著作が多くどれを読もうか迷いましたが、江戸の庶民文化が
元々好きでそれ関係の本をよく読んでいたので「大江戸酒道楽」を
チョイス。

確かに漫画としてのストーリーは惹きつけられるものはなく、
特に面白いというわけではなかったです。が、様々な知識が
とても分かりやすく書いてあり、今まで読んできた江戸関連の本より
断然に頭にすっと入ったし(漫画はビジュアル面優れてますしね)、
面白かったです。まさに興味深い本。

二十六夜とか七夕飾りは屋根にもあげてたとか驚きがいっぱい。
そしてどの酒の肴も美味しそう!
思わずべったら漬けで日本酒飲んじゃいましたよ。
季節の花を見てお酒を飲むって桜ぐらいしかしたことありませんが、
大七見習ってもっと花もアテにしなくちゃなぁと思いました。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2012-03-04 00:49:41] [修正:2012-03-04 00:49:41] [このレビューのURL]