「臼井健士」さんのページ

現時点ではCLAMP最高傑作と考えています。

主要登場人物は昴流・北都・星史郎の3人だけだが、4巻から6巻までの後半は特に「いじめ・老人・臓器移植」などの社会問題を絡めた話が良かった。ラストは・・・悲惨だが、こんな「終わらせかた」は確かに他の漫画家には出来ないだろうな。
北都ちゃんは魅力的な女の子ですね。「可愛い」でなく「格好いい」女の子は珍しいと思います。
同性の女の子から好かれそう。番外編で外国人の女の子を助ける話が特に印象的。そして、ラストでは双子でも立派に昴流の「お姉さん」であることを示しました・・・・・(涙)
話自体は同じ作者の「X-エックス-」に続きます。

CLAMP作品では出色の出来です。
ちなみに雑草社発行の漫画情報誌「ぱふ」で行われたマンガベストテン「93年度第1位作品」。
主要登場人物わずか3人で「大都会・東京に潜む様々な闇」を浮かび上がらせた。
主人公が「陰陽術」を用いて事件を解決すること以外は非常にリアルな展開。

そう言えば・・北都ちゃんが助けた外国人の女の子・・・・その後はどうなったのでしょうか?
家に遊びに来ていたようですが・・・・北都ちゃんの死すら知らぬままなのかな・・・・。
昴流の「北都」以外の家族とか・・・キャラの背景については作中ではほとんど語られませんでしたので謎の部分はかなりあります。しかし、今後もそれが語られることはなさそうです。
「作中」で辛い事件の最中にも3人の笑顔が見れるシーンもあります。

けれど、それらは全て「過去」の笑顔に過ぎません。「過去」は決して変えられず、3人が笑顔で並ぶことはもう「有り得ない事」なのだから。
もし変えられるものがあるのだとしたら、それは「未来」のみ。
「未来は変えることができる・・・・・」と信じて、お話は「X-エックス-」へ繋がるのでしょうね。

星史郎さん・・そういえばたびたび「賭けの決着は延期・・・・」を口にしているのですが、最終的な期限は「昴流と再会して1年経過した日」であったはず。(「END」で星史郎さん自身が口にしている)

期限到達の遙か前に「延期」・・・ってどういう意味でしょう。
久美子先生を殺(や)った帰りに昴流に「こんな賭けはもう止めてしまおうかと何度も思った」と告白しているように、星史郎自身が自分で決めたことを破ろうとしていた(つまり期限を前倒ししようとしていた?)フシがある。そんな自身のの気持ちと、もう少し「可能性を追いたい」という気持ちの間で彼自身も迷っていたのか?そんな気持ちが「延期」という言葉で現れたのか。

久美子先生は星史郎の正体(力)に最後の最後で気付いたようです。
後に「エックス」で神威でさえも及ばなかった力に太刀打ちなどしようもなかったのは仕方ないにしても、彼女が誰の意向で消されたのかは気にかかるところですね。

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[投稿:2010-06-18 21:55:16] [修正:2010-06-18 21:55:16]