「臼井健士」さんのページ

8点 LIAR GAME

善人・神崎直の元に届いた1億円と「ライアーゲーム」というイベントへの招待状。
30日後に預かった1億円をそのままの形で返却する。それだけがルール。但し、対戦相手がおり、相手も自分と同額を持つ。
つまり、欲にかられた対戦相手が金を奪いに来ることが考えられ、その場合奪われた側は奪われた金額がそのまま「負債」となり、
奪った側にはそれが「賞金」として支払われることになる。

途中離脱不可能なこのゲームは人間の欲望を映し出す鏡のようなもの。
一度は対戦相手に金を奪われた直は、刑務所から出所した天才詐欺師・秋山深一とコンビを組むことで奪還しようと考える。
果たしてこの「ライアーゲーム」を主催する者の意図とは何なのか・・・・・・?

ギャンブル系の漫画に一応は属していますが、福本先生の「カイジ」のような人間心理を突いた駆け引きがメインです。
しかも基本的には「男」しか出てこない前者に対して、こちらは男女が同じ土俵上で戦うなど比較的洗練されたというか、
スタイリッシュな印象。

どこまでも正直かつお人好しな直と、世の裏表を知りぬいた切れ者の秋山とのコンビが海千山千の兵たちを撃破していく爽快感こそが作品のキモ。
参加者は皆、いずれも借金のある人間という共通点が見える。(よって返済のためにゲーム参加せざろう得ない)。
しかし、直には元々の借金はなし・・・・・・。
では直が選ばれた理由は???
単なる偶然と片付けるよりも、選出にも裏があったと読んだほうが面白そうな作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-08 21:30:29] [修正:2010-07-08 21:30:29]