「臼井健士」さんのページ

「とんちんかん」とは全く別ジャンルで一応成功作と言えると思います。
ただ絵が稚拙というか、「とんちんかん」はギャグなので下手でもさほど気にならないのですが、シリアスな話だと話の真剣さと絵のギャップが酷いと感じてしまう。作者自身もその点は気にしていたのか文庫版では昔の絵を加筆修正していましたね。
好きな話は「老人たちの反乱」「砂漠のナイチンゲール」「娘泥棒」「兄弟のキックオフ」「コンクリートジャングル」など。後半のほうがいい話が多かった。最終話の「死神失格」もあわや消滅かというところで、死神くんを理解する上司から弁護が入ったのも良かった。月刊誌連載だったからこそそれなりの質で描けたのかも。これが週刊誌だったら連載自体続かなかった作品と思う。
続編を描くなら「とんちんかん」よりはこちらですね。

作者が読者受けを気にしすぎているのも、読者の側から見たらちょっと興ざめする原因。

作中である意味、連載漫画の恒例行事とも言うべき「キャラ人気投票」は行われなかったが、その代わりに「話自体の人気投票」が実施された。

コミックスによると、ネタに詰まった作者が「一体、どんな話が読者受けするのか知りたい」という目的の本に実施されたようだ。
作者&編集の予想を上回る数の投票があった・・・こと自体は企画自体の成功・・・と言えるのかもしれないが、その内情をわざわざコミックスで読者側に暴露せんでもなあ・・・。
「単に作者の都合か」と知ったら、少なからず落胆する人はいると思う。

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[投稿:2010-07-16 06:35:36] [修正:2010-07-16 06:35:36]