「鹿太郎」さんのページ

総レビュー数: 407レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年07月13日

『エム×ゼロ』の叶先生の短編集第2弾。
もともと読みきりに定評のある作家さんですし、この後、本誌初連載する人とは思えないほどに全体的に達者。

特にこの本の中では最新作であり表題作でもある『TOKYO ANTS』は作画の古さも無いので、新規の読者でも入りやすいと思います。
前の短編集の頃だとトーンが多すぎて画面が重く、いかにも「アニメ畑の人が描く漫画」っぽかったのですけれど、その辺りのバランスも随分整理されて非常に見やすくなった印象。
ラストに収録されている『蝶−swallow tail−』では画風もガラリと変えた上、暗く重い作風でこれまでとは違った一面も。

良質作品集。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-09-02 00:38:13] [修正:2007-09-02 00:38:13] [このレビューのURL]

かつての通称「漫研のサンデー」の一翼を担っていた作品。

ギャグマンガなのでストーリー物よりも時代を感じてしまうかもしれないし、笑いの方向性が変態的かつマニアック、下ネタてんこ盛りなのではまらない人はクスリともしないかもしれない。
しかしその分、ツボの人からしたらカルト的にはまってしまうポテンシャルも秘めていると思います。

出てくるキャラクターは敵も味方も変態ばかり。
ボケもツッコミも変態なのでゲラゲラ笑いながらドッチもドッチだろとセルフでツっこんでしまいます。
何も考えずにただ笑いたいときにはこの手のバカ作品が一番。

個人的にはこの時代のサンデー作品にハズレなしというくらいに好きな作品が多いので、今のサンデーの状況は少し寂しく思ってしまいます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-05-17 23:09:56] [修正:2007-05-17 23:09:56] [このレビューのURL]

「女子高生のパペットの後ろで怪しいおっさんが操っている」
これ基本的には出オチでしょう。
この設定でよく連載するほどエピソードがひねり出せたものだと少し感心しました。

しかし、やはりネタ切れ気味か。
前身作『17歳』の頃ほどのキレは無かったかな。
もう少し一般受けする絵、というか女の子が可愛くかけていれば早々にマガスペに出戻ることも無かったとは思いますが・・・。
個人的にはこの手のトリッキーな設定の一話完結コメディって大好物なのでぜひ頑張って欲しい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-05-09 00:59:19] [修正:2007-05-09 00:59:19] [このレビューのURL]

努力系野球漫画の完成形。
努力してその成果を発揮するという緊張と弛緩の使い方、バランスが絶妙で読んでいて非常に気持ちが良い。
その上、初代キャプテンである谷口君のキャラクターも好感が持てるし、純粋に応援したくなります。
導入でガッチリつかまれて、次ぐ歴代のキャプテンたち、丸井・イガラシ・近藤もそれぞれ一癖ありながらどこか憎めない、泥臭く人間らしいキャラクターなので感情移入しつつグイグイ読んでいけます。

と、このようにキャプテンである主人公が最上学年の引退によってころころ変わるという、現在のキャラ重視の少年漫画ではまず考えられない趣向。
これも面白い。

どのキャプテンにもそれぞれリーダーとして別の悩みがあり、それを解決しようとそれぞれに奔走しますが、当然その方法もそれぞれに違う。
野球漫画として傑作なのは言うまでもないですが、いかにリーダーシップを発揮するか、リーダーシップの教本としての価値すらあると思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-03-21 22:37:40] [修正:2007-03-21 22:37:40] [このレビューのURL]

多くのネット上の意見と同様に自分も結構楽しめていた。
そして、これも多くのネット上の意見と同様に小学生にはうけないだろうなとも思った。
別に大人向けという意味ではないのだけれど、テンションというか波長というか・・・とにかく掲載誌のメイン読者層とかみ合わない、子供うけするようなわかりやすいフックが無かったのが痛かった。

濃すぎるキャラクター陣。
泥臭いまでにペンタッチをきかせた作画。
妙なテンポに妙なセンスのネーミングの数々。
その全てが裏目裏目だったかもしれないけど、個人的には大好物。

全体的に急ぎ足でダイジェストっぽくなってしまったのは残念ですが、10週でつきぬけたからこそ一部読者の心に強烈なインパクトを残せたのかも。
とりあえず、自分の心には刻んでおきます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-03-13 01:36:57] [修正:2007-03-13 01:36:57] [このレビューのURL]

個人的な期待値は高いんだけど、なかなか面白くなってきてくれないなあという印象。
基本的にはネコをからめたショートギャグなのですが、それが足枷になってやれることを狭めてしまっているのでは?
ネコと一切関係ない作者の日常の自虐ネタのほうが面白い。
ペロ先生にはもっとフリーな不条理ギャグのほうが合っていると思う。

それと単行本表紙のネコの写真はカワイイものの、中身の絵はそうでもないのでその点でも注意。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-03-02 05:41:03] [修正:2007-03-02 05:41:03] [このレビューのURL]

コロコロ的にはポスト『おぼっちゃま君』であり、作品構造は『こち亀』に近い。
主人公ヤマザキが行動を起こす(大概はわるだくみ)、最初は成功し調子にのるが、最終的に手痛いしっぺ返しをくらってオチ。
往年のこち亀パターン。
そこに『おぼっちゃま君』っぽいサブキャラを配置、現代風(連載当時の)にチューンナップで出来上がり。

線が簡略されていて非常に見やすい作画とか、シンプルな表紙のデザインとかは好きだったけど、リアルタイムで読んでいた当時もあまり楽しめてはいなかったなあ。
基本的にやっていることもオチもワンパターンだったし・・・。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-02-21 17:02:20] [修正:2007-02-21 17:02:20] [このレビューのURL]

以前、ゆうき先生は横山光輝先生の作品を「頭の良い漫画」、「大人の人が描いた漫画」と評していましたが、自分がこの作品に感じた印象がまさにそれ。
ぶっ飛んだ設定やキャラクターなどは一切無く、ただたんたんと牧場での生活・競馬にかかわる雑多事を描く。
その中で、キャラクターの頭の中から生まれる次の行動がつねに常識の範囲内なので展開にも納得できる。
急転直下で驚きの連続といったものは無いけれど、キャラクターたちをここまで身近に感じることができる作品は稀少。
ゆうき先生自身が永きに渡って競馬を追い続けている「競馬ファン」なのでディティールまでリアリティが行き届いているし、一般的に難解とされる馬の作画もそこはかとなく上手い。

漫画内の空気が心地良くいつまでも作品に浸っていたい、そんな気分にさせてくれる良作。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-02-04 09:03:55] [修正:2007-02-04 09:03:55] [このレビューのURL]

世間的な人気は無かったけれども、個人的には嫌いではなかった。
いや、むしろ好きだったのかもしれない。

ありがちな学園コメディなのですが、当時としては珍しい漫画描きをメインに据え、妙にとがっていて魅力があるキャラクターたちでガツガツ押してくるタイプ。
ギャグ自体は絶賛できるほど面白くはない(というか、全体的にすべり気味)。
ですが、楽しい青春といった雰囲気は十二分に出せていたと思います。
ジャンプというよりもサンデーっぽい作品だったなあ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-01-31 00:07:29] [修正:2007-01-31 00:07:29] [このレビューのURL]

正統派サッカー漫画。

絵が上手い下手とかいう話じゃなくて根本的にサッカー、というかスポーツ物に向いてない画風。
キャラの等身が低く抑えられているため、プレイ描写でダイナミックな迫力やスピード感が一切出せていないのはスポーツ物として致命的。

その反面、ストーリー部分ではかなり面白い。
漫画内でのリアリティは損なわずに、キャラクターの魅力を良くひき出せています。
丁寧に展開させつつ、ツボは抑えている感じ。

まだスタートしたての作品なので、これから成長していってくれればいいが。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-12-17 18:51:52] [修正:2006-12-17 18:51:52] [このレビューのURL]