「ITSUKI」さんのページ

総レビュー数: 639レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年08月10日

都会ものである主人公・相浦くんが、とある理由で柤ヶ沢なる村落で一泊する事になるのですが…
仲間意識の強さから、余所者に対しての露骨に排他的な態度をとったり(逆に仲間として認められると一変)
村人達の性に対しておおらかさだったり、今じゃ想像もできない慣習や祭りにであってショックを受ける相浦くんの心情には見事に感情移入してしまいました。

初めに読んでいて思い出したのは有名な「ひぐらしのなく頃に」です。
(こちらの方が描かれたのは先なのですが、読んだのは後だったので…)
なんて描けばいいのかむずかしな・・・ヒロインとの「純粋」な意味での恋だったり、奇妙にみえる祭りだったり、村人に追いかけまわされて必死になって逃げたり、エロかったり。
読んでいて相浦くんと同じく心臓がバクバクしてました。

この方の絵で凄いと思ったのは目力(めぢから)です。
睨むような表情はどれも力強く、内に秘めた感情も透けて見えてくるほど。澄子なんて巨人の星バリに目がメラメラ燃えてますし。
全5巻の中でいろいろな事つめこんでますが、一番描かれるのはエロいシーン。
でもエロ漫画じゃないですよ。普通にストーリーも良い。
ラストのあっさりした終わりとちょっとしたサプライズも良かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-28 23:24:26] [修正:2010-02-28 23:24:26] [このレビューのURL]

まずはじめに、この作品にはゲイのキャラクターが登場しますが、ボーイズラブを描いている作品ではありません。
ゲイというのはどちらかというとキャラ立ちの為の設定、しかもギャグ寄りです。

個性的な4人の男たちによって経営される洋菓子店の漫画です。
・財閥の御曹司でなんでもソツなくこなすが、ケーキが嫌いで接客のプロである橘。
・世界的なパティシエでありながら、ゲイであり見た目とのギャップが凄い小野。
・元世界チャンピオンのボクサーであり、ケーキが大好きなパティシエ見習いの神田。
・橘の幼馴染で彼のお目付け役、長身にサングラスと一見有能な男にみえて、実は何も出来ない千影。

店の中での各キャラクターの得意分野、立ち位置がほんの少し読むだけで把握できるうまい設定だと思いました。

特徴としては、ケーキに関する蘊蓄や解説が非常?に長い。
コマがでかく、橘の長いケーキの解説をあえて一コマにいれる事でまくしたてる様な雰囲気を出しています。「橘がもとバリバリの営業マンだった」というのがわかれば良いので、長いと思ったら飛ばしてしまっても構わないでしょう。もちろん読んでも面白いです。

コメディとしてとても面白い作品だなぁと思って読んでいたのですが、序々に明かされるキャラ達の過去。
特に最終巻での怒涛の伏線回収が素晴らしかったです。おすすめ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-18 14:33:44] [修正:2010-01-18 14:33:44] [このレビューのURL]

「日本一薬莢を描く漫画家」の異名を持つ伊藤明弘の代表作。
伊藤明弘の作品群では完結していて一番良いと薦められたので購入しました。

序盤に人間関係を把握するのに少し苦労しましたが、それ以外は特に文句をつける所の無い素晴らしい西部ガンアクション漫画だと思います。
特にこの作品のメインである3巻の列車強盗の巻は圧巻です。見事な構成でした。
作者曰く「読んだ後に何も残らないけど読んでる間は楽しめる様なB級アクションを目指した」らしいです。個人的には見事に成功しているんじゃないかなと思います。

ちなみに、白泉社からの新装版を買う事をお薦めします。
ひとつは個人的な好みなのですが本のサイズ。新装版の方はいわゆる青年誌サイズとなり、カバーも豪華です。
旧版ですと表紙の絵が若干古臭いですし、やっぱり紙が茶色い状態で読むと少し絵柄的な時代を感じるかなと思ったので。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-17 00:32:14] [修正:2010-01-17 00:32:14] [このレビューのURL]

あれだけネット上でネタにされれば読まずにはいられません笑
文庫版で読みました。
それにしても・・・何故か面白い妙な魅力を持つ作品だと思います。
あらすじとか内容を文章にすればするほど「なんでこれがこんなに面白いんだ」と不思議な気持ちになりますw

料理を美味しそうに描くのはもちろんこの手の作品には必須ですが、
この作品は料理だけでなく店の内外の描写も丁寧なので、その店に行った気分になれます。
独りで店に立ち寄って食べる、というスタンスの作品なのでここらが上手に描けているなぁと思いました。

そして料理に対して「これはうまそうだ」「この注文は失敗した」等のゴローの心理描写がいちいちハマります。面白い。
独りで食事しながらぶつぶつつぶやく様子(本当に口に出していなくても)が、漫画としてはありそうでなかったモノで、かつ共感できるからではないでしょうか。

沢山漫画を読んだ方こそ、この作品の妙な中毒性に気づけるんじゃないかと勝手に思ってます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-15 03:53:36] [修正:2010-01-15 03:53:36] [このレビューのURL]

架空戦記ものです。
ファンタジーな要素(龍・剣牙虎・導術など)も違和感なく取り込みながら、とても生々しい戦争を描けているのが凄い。

原作小説は未読ですが、漢字多くて読み飛ばしたくなる時もありました(活字離れですね・・・)
漫画になると、現在がどういう状況で、これから何をしようとしているかが絵がつくおかげで一層わかりやすかったです。

新城のキャラクターが魅力的でした。
熱血主人公の様なキャラでもなく、戦争を楽しむ様なキャラでもなく、冷酷なキャラともいえない、なんとも独特なキャラでした。

絵は剣牙虎などの動物の迫力が素晴らしく、全編とおしても安定していました。初めから画力が高いです。

諸事情により打ち切られた事は話題になっていたので知っていましたが、とりあえず切りの良い所で終わらせてはいるので、終わり方が気になっている方には心配無用と言っておきます。
でも確かにこれだけの濃い内容ならば、もう少し長編になっても面白かっただろうなぁと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-11 03:56:52] [修正:2010-01-11 03:56:52] [このレビューのURL]

8点

第一話からその昴の眼力にひきこまれました。
若き「天才」を描いた作品です。

曽田作品をじっくり読んだのは実は初めてでしたが、読者をひきこむ絵の迫力はハンパじゃないです。
話のテンポはよく考えると異常なくらい早い、まさに才能で道を切り開くストーリーといえます。
しかしその事はリアリティが無い、訳でも無いと思います。
「本当の天才」を描いているからこそ、そうなるのではないのでしょうか。

キャラクターとしては、若さと才能の豊かさ故に不安定で、孤独で、かつ周りの事を考ず自分の事ばかり考えている、物語として眺めるにはいいけど現実では関わりたくない様なタイプのキャラです。
魅力あるキャラとは少し違うでしょう。特に2部になってから顕著です。
しかし、「天才というのは得てしてそういうモノ」という作者の考えには「確かに」と妙に納得できます。

そんな昴なのに、いざ踊りだすと作中の観客になったかの様に踊りにひきこまれ、息を呑み、ページをめくる手がとまらなくなります。
「やっぱり天才だ」と思わずにいられません。

まぁ、でもアレックス編は必要だったのか?と疑問です。
続編に絡んでくるならまぁいいですけど・・まだ未読なのでなんとも。
そうでないならあの部分は蛇足かなと思いました。

ストーリー・キャラ等総合的な面白さならピークはコンクール。
絵の迫力・昴の踊りについては二部でも健在だと思いますが、二部は昴の性格が更にはっきりしてきて、テンポが落ちます。好みも別れるでしょう。

作者の描きたいモノはしっかり表現されていると感じました。
続編も読んでみたいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-06 01:09:27] [修正:2010-01-06 01:09:27] [このレビューのURL]

読む前にここのレビュー等を読んで、かなり再読する必要のある作品なのだろうと認識したので、
1ページ1ページじっくり読んでいったのですが、それでも一回読んだだけで全部を把握するのは不可能でした。
様々な登場人物・時系列・表現・そして伏線が存在するためです。

一度最後まで読んでの感想は「よくわからない。けど、何か凄い作品だ」って事だけでした。
この作品を頭の中で生み出した作者のただならぬ才能を感じる事が出来ます。

この作品を「読み解く」にはかなりの深い考察が必要でしょう。
自分はレビュアーの穴子さんのサイトで解説を読んでようやく理解し、スッキリできたと思ってます。

娯楽として「面白い」という作品ではありませんが、「こんな作品があるのか」と漫画の新しい可能性を感じました。
そういう点では「面白かった」です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-04 03:45:48] [修正:2010-01-04 03:45:48] [このレビューのURL]

表紙からもうバシバシと惹かれるモノがありました。
既にレビューされている様に、絵が非常に綺麗です。
和服の柄などを丁寧に描かれていて、ページがとても華やかです。
まずはそこですね。表情の描き方もかわいいし、面白い。

遠い異国の地フランスで奮闘する日本人の少女・ユネと、百貨店の台頭によって窮地に立たされた商店街を守る為奮闘するユネの店主・クロードの二人の交流がメインとなっています。
主人公はユネなのでしょうかね。クロードの方が心理描写も多いのでクロードも主人公と言えるでしょう。

たびたび作中で描かれる日仏での「文化の違い」の描写もとても新鮮で面白い。
日本文化の奇特さが舞台がフランスという事で浮き彫りになり、同時に日本文化の良さにも改めて気づけました。
日本人が外国人として描かれる漫画というのがなんとなく面白いなーと思います。

ストーリーも「絵が華やかなだけな作品」で終わらない、二人の絆や成長をしっかり描けていて、これからも続きが読みたいと思える良作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-28 01:58:47] [修正:2009-12-28 01:58:47] [このレビューのURL]

「ひぐらしのなく頃に」に続く竜騎士07作品の漫画化、第一弾。
このEpisode1および現在はEp3を連載されている、「夏海ケイ」先生の漫画は初めて読みました。
原作の内容、雰囲気をうまく漫画化している事ももちろん高評価ですが、それ以上にこの先生によるキャラのアレンジがとても気に入っています。

アレンジ、というのは竜騎士07氏の書いたキャラクターを違和感なく自分の絵にする事を指しています。
竜騎士07氏の絵は「ひぐらし」「うみねこ」どちらでもよいので原作を知っていればわかると思いますが、非常?に独特で万人受けする絵とはとても言いきれません。
絵も独特なのに加え、服装もかなり奇抜な為慣れるまでが若干ハードルが高いです。
それを自分の絵と違和感なく融合させ、「むしろこっちのデザインの方が」と思えた程かっこよくなっていました。
「ひぐらし」と比べて登場人物の平均年齢が大分高い為、
8頭身に近い形の絵の方が違和感無いですし、あんなに「変な格好してるなぁ」と思っていた服装もこのEp1漫画版ではそう思いませんでした。

「おそらく竜騎士07氏の頭の中でのドラマはこういう感じの絵で動いてるのではないか?」と思える程。
洋館ミステリー風な雰囲気とキャラが良くマッチしてます。
Ep3も作画を担当されているというので、期待しています。

読んでいてひきこまれる様な演出も上手いです。
アニメ版よりは間違いなく原作の雰囲気が伝わります。


内容については…まだ原作が完結してないのに薦めるのはアレなんですが「訳がわからない」で切るのは勿体ない(って言える様に完結してほしいなぁ笑)
この作品は「犯人は誰か」というミステリーとは違い、更にその一段上な世界で「この事件は人間の犯行と証明できるか、できない(魔女と魔法の仕業)か」という事を推理していくなんともメタ的な作品です。
ep1は推理以前の状態で終わるでしょう。まだまだ序の口です。
「うみねこのなく頃に」がどういう作品なのか、はEP2になれば掴めてくると思います。
とりあえず、Episode1はキャラの名前を覚えて、謎だらけの内容に翻弄されて下さい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-24 02:58:49] [修正:2009-12-24 02:58:49] [このレビューのURL]

短編集の中でもジョジョ好きには一番お薦めなものでしょう。
何しろジョジョに関連する短編が二編あるので。

作画的にも一番奇妙な雰囲気がでつつ、且つ読みづらくない時期(4部-5部)ぐらいに描かれた作品が多いのでお薦めです。

ジョジョ大好きっ子としてはやっぱり「岸辺露伴は動かない」「デッドマンズQ」が面白かったですね。
「ジョジョ」の様な能力バトルを魅せる内容ではありませんが、奇妙な雰囲気は健在です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-23 05:18:12] [修正:2009-12-23 05:18:12] [このレビューのURL]

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