「鹿太郎」さんのページ

総レビュー数: 407レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年07月13日

直撃世代でした。
自分がちょうど小学生の頃に『いまどきのこども』ブームが来て(いやあくまで密かなブームレベルだったかもしれませんが・・・)そこかしこでこの作品のキャラクターたちが描かれたグッズや商品広告を見かけたなあ。
もう20年近くも前の話ですが。

ただこの作品の持つ特有の子供目線の中にあるシニカルさなんてのはちっとも色あせていないと思います。
とことんユーモラスでありながら、当時の子供の心情がリアルに表現されていて根底にあるどこか冷めた視点も忘れない。
言わずと知れた名作。

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[投稿:2008-03-19 01:59:14] [修正:2008-03-19 01:59:14] [このレビューのURL]

大ヒット作『少年アシベ』以前に描かれた短編集。
全7編収録されているが画風がそのつど大分変化していて、模索感が受け取れる。

全編通して純文学チックな淡い作風で読後に疲労からかため息をついてしまうほどにのめりこんでしまっていた事に気づきました。
いやー、非常に良く出来た作品集です。
特に表題作『23のさかな』の出来は格別。
キャラクターの一つ一つのセリフが胸に突き刺さり非常に味わい深い。

漫画で文学したい人にはうってつけの作品だと思います。

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[投稿:2008-03-16 21:31:30] [修正:2008-03-16 21:31:30] [このレビューのURL]

妖怪に殺された三蔵の無念を晴らすため妹・テンテンが道中に出会った孫悟空の「クローン」などと天竺を目指す一風変わった西遊記物。
西遊記物とはいえ猪八戒がニヒルだけど太ったおっさんブタだったり、沙悟浄がツンデレねーさんだったりでキャラ設定からひねってあるのでアリガチ感は無い。

その上、一話一話で丁寧にきっちりと作りこまれていて物語りもどんどん動いていくし、それに伴ってキャラクターもよく動くので飽きない。
コメディ部分とドラマチックに盛り上げる部分がともに上手く、個人的にはすっかりはまってしまいました。

マイナーな作品だけどかなり楽しめたなあ。

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[投稿:2007-12-30 19:41:24] [修正:2007-12-30 19:41:24] [このレビューのURL]

現在、最も期待している作品のひとつ。

要するにこの作品のキモは、『GIANT KILLING』のタイトル通り弱者が強者を駆逐するカタルシスにあると思う。
それは弱小チームが強豪チームを破るといったチーム間の争いだけでなく、レギュラー外の選手がレギュラーを脅かすというチーム内での争いでもテーマが徹底されている。

この二つを交互に使い分けているからストレスを溜める展開が長引かず、ほどよいところで解放してくれるので読んでいて非常に気持ちが良い。

原作はあの『U−31』の綱本さん。
サッカー方面のディティールにまず破綻は無いでしょう。
作画も重すぎず軽すぎずで個人的には好み。
続きが楽しみだなあ。

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[投稿:2007-09-22 11:14:07] [修正:2007-09-22 11:14:07] [このレビューのURL]

この作品と言えば何といっても主人公のボンバーキッド。
公式イラストだとアメリカ出身でちょっとカッコつけのキザボーイっぽく描かれているキッドを、おのぼりさんのかっぺキャラにまで崩しているのは衝撃的。
どこをどう弄ったらあのキャラになるのか!

2巻だけ「スーパーボンバーマン4」の発売に合わせてメインキャラの入れ替えがあったのですが、やはりキッド編のインパクトには勝てなかったか。

あえてジャンル付けすると「地方あるあるネタ系チープコントギャグ」。
このキーワードに少しでもピンと来た方はぜひ一読あれ。
ボンバーマンのコミックの中ではイチオシの出来。

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[投稿:2007-08-26 18:52:34] [修正:2007-08-26 18:52:34] [このレビューのURL]

劇画タッチではなく、時には白ささえ感じてしまうくらいにスマートな絵柄で描く山上ルパン。

内容も原作よりもアニメ版の雰囲気に近い。
基本的にライトタッチでありながらハードボイルドさも兼ね備えられた、アクションあり、謎解きありのエンターテインメント作。

この手のリメイク作ってどうしても点数が辛くなってしまいがちですし、実際クオリティが低い作品も多いと思うけれど、この作品は別。
原作派はともかくアニメ版が好きだった人達の心に訴える何かはあると思います。

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[投稿:2007-08-18 14:53:32] [修正:2007-08-18 14:53:32] [このレビューのURL]

前作『グルグル』とは違ってギャグは少なめで、ジャンル的にも青春物に分けられると思う。
ポップなセンスの絵柄やアイテムの下地の上に、痛痒甘恥ずかしい青春ストーリーを淡々と描写していく感じ。
細かいストーリーテリングではなくて雰囲気やセンスを読む作品かなあ。
「考えるな、感じるんだ」といった風。
作品の端々からブッ飛んでる「ナニか」もちょいちょい顔を出してきて、笑ってしまったり少しジーンとしたりで油断できない。

「グルグル」の初期ノリが好きだった人達の期待には応えられないだろうけれど、この作品単体で見れば個人的にはなかなかのスマッシュヒット。
「衛藤ヒロユキここにあり」を確かに感じました。

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[投稿:2007-06-23 23:25:51] [修正:2007-06-23 23:25:51] [このレビューのURL]

星里先生の他作品はコメディタッチの恋愛物がほとんどですが、この作品だけは毛色が違う。
あのライトタッチな作画にもかかわらず、とことん昼ドラのようなドロドロの愛憎劇が展開され、キャラクターたちの顔つきも特に終盤は常に暗く厳しい。
主人公も基本的には常識人なのだけど、不思議なヒロインに振り回され、とんでもないところで読者の期待と真逆の選択をしたりするので気が抜けない。
先が読めないという点においてサスペンスとして良質。

他の星里作品が気に入って次にこれを手に取るとそのギャップに驚かされるかも知れませんが、これはこれで面白い。
というか自分的には星里作品の中では一番楽しめたかもしれません。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-05-08 01:03:05] [修正:2007-05-08 01:03:05] [このレビューのURL]

力の抜けた絵とぬるいテイストの4コママンガ。
大笑いできるタイプでは無いけれど細かいジャブでわき腹をくすぐってくるタイプ。
パラパラ読んでいるうちにクスクス笑ってしまう。

基本的には変り種で変化球タイプの作品だと思うけれど、ときどきそのまんまなダジャレや猛毒の直球ネタが挟まれているので油断できない。
画面の使い方も普通の4コママンガより単調なのにそれがほのぼのした作風をさらに肉付けするのを手伝っている。
「このテイストにはこの絵しかない」と思わされてしまったら負け。
あとはズブズブに浸かっていくだけですよ。

特に週刊誌の休憩所的なポジションとしては最高級の作品。

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[投稿:2007-05-05 23:29:49] [修正:2007-05-05 23:29:49] [このレビューのURL]

これは掘り出し物。
良い意味で期待を裏切られた。
今はドイツ・フランクフルトで活躍する高原直泰の半生を描いた実録物。

この手の作品はその多くが説明口調のモノローグが過多で、漫画というよりも絵付きの文章を読んでいる感じになってしまうというイメージがあったのですが、本作はきっちり漫画として面白い。

主な内容は中学時代の恩師との出会いと、プロになってからの中山雅史との出会いの二本柱。
特に中山のキャラクターが秀逸。
高原にとっては尊敬できる先輩でありながら、高原の才能を認め嫉妬し葛藤するというものすごく熱い役どころ。
高原というよりもゴンの好感度がグングン上がりました(・・・いいのかそれで)

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[投稿:2007-03-25 01:49:39] [修正:2007-03-25 01:49:39] [このレビューのURL]