「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

私は漫画のこれからのヒット作の出し方のひとつに「地域密着」というものがあると考えています。
漫画って作品の舞台が実際の何処なのかを明かさないっていう作品が非常に多い。

そこを逆手に取って、実際の地名の舞台を特定することでカラーをハッキリさせたり、親近感を抱かせたりっていう作戦はアリだと思う。
で、この「めくりめくる」なんだが、瀬戸内海に面した岡山県の倉敷市が舞台になっていて、そこにある高校の学生たちの日常を描いた「青春群像劇」という体裁をとっている。

だが・・・・1巻読み終えての感想は「これって倉敷市舞台の意味があるの?」ってこと。
絵はカバーの絵とか、冒頭のカラー絵見て判るように上手いほうです。
但し、なぜか本編の白黒絵になるとカラーの絵より下手に見える。何故だ???

登場人物紹介もまだないため、話ごとに違う人物が出て区別が付かないのも難点です。

一番の難点が「倉敷が舞台の意味が不明」だということ。
ご当地漫画はアリだとは思いますが、何の意味も無くそこいらの都市を舞台にしても仕方ありません。

ご当地を舞台にしたのなら、その土地独特の雰囲気(方言・観光地・名所)を出さないと無意味でしょう。
「岡山県倉敷市観光キャンペーン採用作品」されたそうですが、そもそも論で「ライバル作品該当なし」で一人勝ちでしょう。

それで喜んでいる場合ではない。「観光キャンペーンに寄与する」ならばせめて「アニメ化」くらいされて倉敷市を訪れる観光客を増やしてこそでしょう。
現状では期待できませんね、それは。
ヒットする吸引力に乏しい。ホントに惜しい作品ですよ。

逆にヒットさせられれば「ご当地漫画ブーム」なんてものも起こせそうな気がするんですよね。

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[投稿:2011-08-20 15:58:48] [修正:2011-08-20 15:58:48] [このレビューのURL]

「オクターヴ」。米米CLUBのアルバムのタイトルのようなポップな雰囲気ではない。
アイドルを目指して田舎から上京した少女。幼い頃に思い描いていた「スポットライトを浴びる自身」は売れない現実の前に脆くも砕け散っていった。

失意のまま田舎に帰り、高校に入学したものの下手にアイドルしてしまっていた自分を周囲の同級生たちは好奇の視線でしか見ず、
そして彼女もそんな周囲の視線に耐えられるほどの図太さも持ち合わせていなかった。
逃げるように田舎から都会へと舞い戻り、かつての所属していた芸能事務所でマネージャーとしての再出発を図る自身。
けれど、かつては自分が立つはずだったスポットライトの世界は「自分自身の惨めさ」を強調させるだけの結果になる。

将来の自分に何の希望も見出せない、誰からも自分は必要とされない。
そんな寂しさに全てを見失いかける中で出会った自分と似た境遇の年上の女性。
彼女は女性を愛する人であり、成行きから肉体関係を結んでしまう。
まだ男性すら知らない処女の自分を優しく包み込んでくれたことがこんなにも自分を安心させてくれるなんて。

「女同士の恋愛」。所謂「百合」のジャンルでも珍しい「学生」ではない「社会人」が主人公の作品。
これが学生が主人公なら、ある意味「その年頃特有の熱病的な感情」とでも言うべきもので片付けられもしよう。
だが、この話では彼女たちは「学び舎」という社会の風雨から守られた空間を得ないため、社会という現実の矛盾に晒されてしまう。

それは大人になれば誰しもが味わうであろう「理想とする自身と現実の自身との差(ギャップ)」が埋められないという苦しみである。
本来なら「女性同士の恋愛」に対してもっと抵抗感や嫌悪感があっていいはず。
だが、この作品での主人公は現実の重さに押しつぶされそうになっているが故に、いとも簡単に手にした自身の居場所を抱え込んでしまうのである。
それが「女性同士の恋愛」という本来ならばもっと背徳感の伴うものであったとしても。

「女性同士の恋愛」が学生の間だけで、もしも終わらなかったとしたら、その後の2人はどうしていくのか?
この作品は言わばその「ある種の夢のような綺麗な世界を打ち破る、同性愛の悲惨な現実」を見せてくれているような気もする。
「茨の道。花は少なく、棘多し。」
つまりはそんな作品と考えていただきたいです。

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[投稿:2010-07-24 22:27:36] [修正:2011-07-23 15:37:55] [このレビューのURL]

4点 ANGEL

熱海康介が毎回毎回登場する女の子たちとセックスをしまくるというだけの漫画。
話の前後関係なんてないも同然で、初期は不良キャラやスケ番が登場するなどしましたがそれらは「一発キャラ」に過ぎず、以後は作品に全く登場しません。

ヒロインの静香はツッパリ美少女という設定で「きまぐれオレンジロード」の鮎川まどかにクリソツです。

で、その康介&静香のコンビが「金田一少年の事件簿」宜しく、様々なエッチ事件に巻き込まれていくという話に途中から展開がシフトしました。

康介は事あるごとに静香をレイプしようと企みますが、最終回まで静香と肉体関係は持てず。
その代わりに毎回登場する女の子たちはおろか教師・年上の女性と避妊もしないままセックスをしまくり、それなのに一人も妊娠させていない。

「康介よ、お前の精子は大丈夫か?(笑)」という話

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[投稿:2011-04-19 00:45:58] [修正:2011-04-19 00:45:58] [このレビューのURL]

4点

山岳レスキュー漫画。
但し、主人公が公的な機関に属している人間ではなく、山岳ボランティアという設定が意外。

展開は遭難者を救出するというお話が主。
そこには山での危険が悲惨な結末を時に起こすことを示唆する。
「雪崩」
「転落」
「凍死」
が危険の大きな原因。

それを承知で人は何故山に登るのか?
山は危険と共に人に大きな恩恵を与えてくれるのかもしれない。
そして今日も世界各地で人は山頂を目指す1歩を踏み出すのだ。

但し、画が洗練されていないことと題材で、どう考えても一般向けではない。
展開も基本的には各話「皆同じ」であるし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-08 13:53:36] [修正:2011-01-08 13:54:51] [このレビューのURL]

最初の頃は確かに面白かったし、笑えた。
ただ今読んでみるとそうでもないし、下ネタに不快感を感じる。
ギャグ漫画はストーリー漫画と比較して賞味期限が切れるのが早いのかもしれないので長期連載は大変だ。
作者自身文庫版で「そうそう毎週毎週ギャグは出ない」と言っていたし。
その点で後半はかなり失速ぎみだったし、後に描かれた続編はギャグが滑りまくって全く面白くなかった。
ラストも実は宇宙人だった・・・って。確かにキャラを考えると「宇宙人オチ」か「夢オチ」で終わらせるしかなかったかな。
ギャグ漫画の「終わらせ方」もストーリー漫画以上に難しいと感じた漫画だった。

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[投稿:2010-11-23 20:35:03] [修正:2010-12-23 00:16:33] [このレビューのURL]

高橋先生の作品は「めぞん一刻」以外はやたらと「長期連載」になり、作品がコメディ調ということもあって
ダラダラと際限なく続けられているだけという気がしてならないのです。その最たるものが「犬夜叉」であったかと。

これは格闘ドタバタ漫画ですね。簡単に言いますと。
水を被ると「女性」になってしまう特異体質の早乙女が周囲の人物たちと巻き起こす騒動の数々。
さらには中国のヘンテコグッズで巻き起こる事件はよーするに「ドラえもん」と同じです。
そのため「ドラえもん」方式を踏襲すると話がいつまで経っても解決に向かわないまま
ダラダラと巻数を重ねていってしまう・・・・という弊害が顕著になりました。

画は「うる星やつら」の初期が嘘のように一般向けになりましたので、読みやすいのは確か。
でもストーリーは結局のところ「無限ループ」です。どうしたってね。
それが次回作の「犬夜叉」にも引継がれてしまったのは高橋先生の不覚かと。

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[投稿:2010-11-27 11:28:36] [修正:2010-11-27 11:28:36] [このレビューのURL]

「水色時代」の作者による性教育漫画。

「ちゃお」で活躍していたはずの作者が近年はどういう経緯かは知らないが「小学○年生」に移籍して作品を連載しているのだが、絵がかなり変わった。とにかくキャラの目が大きくなって、幼稚化しているのが最大の難点だ。

「性」というテーマを高学年の読者に教える・・・・という意図は別に悪くはないが、やらせる人を間違えてるでしょ。このジャンルはまだ大ヒットは出ていない分野だと思うので、空白地帯に切り込んでいく人が出てきてほしいのだが・・・・この作者ではないな。

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[投稿:2010-11-23 20:40:27] [修正:2010-11-23 20:40:27] [このレビューのURL]

高校の野球部に只一人「女子部員」として所属する都沢さんの日常を綴る。
漫画専門誌や書評で高い評価を受けていたので読んでみました。

が、連続したストーリー漫画というよりは都沢さんの日常風景を毎回5ページ前後で描写したものだった!
という点で大きく肩透かしを食らい、裏切られもしたという作品です。(良くも悪くも)

男子の集団の中で女子が一人・・・ってだけで、さぞかし周囲の男子部員を惑わしているんだろうな・・・
なんていう予想も付きますが、ある意味その通りでもある訳です。

女子は公式戦には出場できないので、そういう意味では葛藤がイロイロとありそうなんですが、
ボーイッシュな雰囲気のザワさんにはイマイチそんな空気は感じられない。

かつては男子ではなく女子野球もあったはずの日本でしたが、いつの間にか姿を消して「男の独壇場」となりました。
が、近年になってようやく女子野球が復活しそうな気配。女子プロリーグも前途多難でありながらも船出しました。

この漫画だってそういう風潮あっての作品だと思います。
野球漫画。これから先は女子が主役となるか!

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[投稿:2010-07-25 08:06:37] [修正:2010-07-25 08:06:37] [このレビューのURL]

設定がぶっ飛び過ぎ。高校生の女子と小学生の男子が真剣に恋愛するなんて。
はっきり言って優れているのは画力だけだと思います。

前に何かの本で読んだのだが、女性は若いときは年上の男性に対して恋愛感情を抱く傾向が強く、自分よりも年下の男性に対してはある程度の年齢を経ないと興味がいきにくいとか。
確かにそういう傾向はあるんじゃないかなとも思ったものだ。

・・・・とするとこの漫画の存在は、その傾向に逆らった「超例外的恋愛」を描いたものということになる。
どおりで感情移入もしにくいし、のめり込みにくいわけだ。
「20歳と27歳。18歳と11歳。同じ7歳差で前者のカップルがありなら、後者もありでしょ?」
と作者は言いたいのだろうか。

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[投稿:2010-07-25 07:55:49] [修正:2010-07-25 07:55:49] [このレビューのURL]

「うしおととら」と「鬼太郎」を別格としたら、妖怪もの漫画で一応のヒット作を出した・・・・という点は評価されていいはずです。

「学園もの」で主人公が先生。脇を生徒たちが固める・・・という点か、様々なお話のヴァリエーションを生み出しやすかったという「成功の要因」。

ただ・・・基本的に低学年?中学年向けのはずなのに、やたら「お色気」の描写が多かったり、結構気持ちの悪い描写もあったりしているところはどうなんでしょうか?

私の個人的な評価だと「普通」辺りに落ち着いてしまいます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-17 23:34:32] [修正:2010-07-17 23:34:32] [このレビューのURL]