「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

小説と映画でも似たような話がありましたよね。確か「戦国自衛隊」だったっけ?
自衛隊が戦国時代にタイムスリップしてしまい、近代兵器を使って活躍するって話。
それを考えると「二番煎じ」的な印象は免れられませんな。

絵は上手いのだが、やはり何を描きたいのかポイントが判らず戸惑う。
舞台が戦時下にもかかわらず、そういった戦争の悲惨さではなくて戦略ゲームを観戦させられているような気分になるのだ。「みらい」の乗員たちでさえも大半が歴史を自分たちで動かすっていうゲーム的な感覚の虜になっているし。
長所を挙げるなら、実在の歴史上の人物が多数登場して、多少なりとも歴史の勉強になるところか。
「戦略ゲームの漫画化」と割り切れれば面白いのかもしれないが、「それだけ」ではね。

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[投稿:2010-07-03 09:55:34] [修正:2010-07-03 09:55:34] [このレビューのURL]

作者は水沢めぐみ・吉住渉・彩花みん・池野恋と挙がるかつての「りぼん」連載陣の中でも異色の存在。

まず「りぼん」連載の他作品の当時から絵柄が他の連載作家とはまるきり違い、完全に自分の世界を確立していた。それ故か、上記の他作家がアニメ化などの商業路線に組み込まれて作品がどんどん「幼児化・幼稚化」していく中で地上波で大々的にアニメ化されることもなく(絵柄がアニメ化には不向きだったのかもしれない)、柊あおいと並んで「りぼん」の幼稚化の波から逃れ、ひとりだけ逆に大人路線へと突き進む道を選んだ。
結果として上記の他作家はもう(作品の質・人気ともに)下り坂だが、矢沢あい先生だけは上り坂に。
その点は高く評価します。

で、この「NANA」なんですが・・・・「おい、男はチューインガムか!」ってことで。
噛んだら捨てて、噛んだら捨ててって・・・・表現や描写云々ではなく怒りを覚える主人公が1番の問題。

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[投稿:2010-07-03 09:54:01] [修正:2010-07-03 09:54:01] [このレビューのURL]

センゴクの第1部完結に続く仕切り直しの新シリーズ開幕。

将軍・足利義昭を中心とした「信長包囲網」も姉川の戦いの後、浅井・朝倉両家が滅亡。
東西の両面作戦を強いられている織田家といえどもこの勝利は大きく、義昭も京都を追放。
室町幕府もここに滅んで、形勢は信長優勢へと傾き始める。

残るは石山本願寺と信玄亡き後の武田家が当面の敵。
長島に立て篭もる門徒衆を騙し撃ち同然の焼き殺しにて死者多数。
門徒の数を頼りに信長を「詰将棋」が如く追い詰めるはずだった顕如の目算は狂い始める。

羽柴・柴田・丹羽・佐久間・明智・野々村・前田・佐々・滝川・・・・
信長配下には有力武将が揃い、唯一の同盟者が東の武田家の抑え・家康。

最早、単独の勢力で織田家に対するは難しく、
関東の北条家・
中国の毛利家・
四国の長宗我部家・
越後の上杉家等の連携なくしては「信長包囲網」は画餅に過ぎなくなる・・・。

「反信長勢力の連携の拙さ」と、それに対する信長軍のまとまりの良さ。
兵農分離が進み、堺などの自由都市を押えての交易で多大な富を得ていた織田家。
新兵器・鉄砲は命中率が動かぬ的でさえ6割未満と言えども、
三千丁を超える保有数で諸国の大名を圧倒していた。

我らが主人公・仙石権兵衛秀久は、そんな革命軍団の歯車のひとつと言えど、
徐々に出世街道を駆け上っていく。

一瞬たりとも見逃せぬ、新戦国絵巻に酔え!

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[投稿:2010-07-03 09:48:11] [修正:2010-07-03 09:48:11] [このレビューのURL]

「戦国」=「センゴク」=・・・・「仙石秀久」と連想ゲームみたいだが、秀吉・家康・信長といった有名どころではなく敢えてこの淡路国洲本五万石の城主を主役に抜擢したのは面白い試みだと思う。

確かに天下人の3人はもう描かれ尽くした感もあるし(それでも、やり方次第では違った切り口から十分面白い話を構築できるのではないかとも思うが)、新鮮味に欠けるだろう。思えば戦国漫画は上記の3人ばかりに偏り過ぎていて、「横山作品」を除いては他の武将にはなかなかスポットライトが当たらなかったように思うので、これを契機として風向きが変わることを激しく希望。
西国にも面白い武将は多くいた。「毛利元就」「長宗我部元親」「島津義弘」の3武将は特に主役を張らせてみたい。東国では後北条の3代目「北条氏康」を挙げたい。武田信玄・上杉謙信と合わせて「3人の中から1人でも長生きしていれば信長の天下は無かった」と言われた程の名将が何故今に至るまで冷遇を???
続編もこの先かなり期待して読んでいきたい作品ですな。

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[投稿:2010-07-03 09:25:28] [修正:2010-07-03 09:25:28] [このレビューのURL]

いわゆる「硬派の喧嘩漫画」なのだが、迫力のある描写で月刊誌掲載ながら長期連載になった。
等身大のヒーロー「速水」と渋い大人の男「鷹山」のコンビも小気味良い。
横浜のフェミニスト・竜崎も加わり三者三様のキャラ立てが出来た。
速水の決めゼリフ「お前にはできないかもしれない・・・」は嫌味を感じさせない。
ところで・・・「殴り屋」。ホントに裏の職業としてありそうですね。

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[投稿:2010-07-03 09:24:12] [修正:2010-07-03 09:24:12] [このレビューのURL]

「りぼん」一筋の連載でな・な・なんと!コミックス30巻という「別格」漫画。

吸血鬼や狼女が登場するファンタジーにコメディ要素を加えた下地に、少女漫画的な恋愛と若干のシリアス要素を上手く組み込んで「りぼん」最大のヒット作の地位を手に入れた。

話は大きく分けて三部。初代主人公・蘭世。二代目主人公で蘭世の弟の恋人・なるみ。三代目主人公で蘭世の娘・愛良。話のスケールが一番大きかったのは第1部で、2部は学園もの。そして3部はなんと「魔法少女もの」と時代に合わせて(笑)、作風を変えてきた。
しかし、オーソドックスな設定の多い「りぼん」連載の作品の中で1部はやはり異色の存在。
基本的に敵も味方もみんな「いい人」という展開は・・・・どうかと思う部分もあるのだが、女の子が読者ということを考えれば無難な展開ではあるかと思う。
3部に入る頃には流石に往年の勢いは無くなってきている・・・が、そこはやはり「この作品」らしく最後は大団円で終わらせている。
しかし、設定上で少し苦しいのは主人公一家が基本的には不死身で不死だということ。その恋の相手が人間だったら・・・・片方は生きてもう片方はいずれは死ぬ・・・ということになってハッピーエンドは有り得なくなってしまう。この設定は作品の長所であり、大きな「足枷」になった部分もあったのではないかなと。
それに・・・不老不死なんて設定として不幸だと思う。永遠の時があるなんて・・・堕落するだけのような。

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[投稿:2010-07-03 09:17:39] [修正:2010-07-03 09:17:39] [このレビューのURL]

ロト伝説で大魔王・ゾーマが倒されてから、竜王がアレフガルドを支配するまでの空白期間に地上世界アレフガルドで何があったのかを描いたほぼオリジナルストーリー。

ガンガン創刊時の目玉連載だが、後にガンガンを共に支えることになった「ハーメルン」「パプア」「グルグル」らはいずれも初連載の新人作家だったため、最初はいい雰囲気でも長期に連載が続くと「初めて故」の作家としての底の浅さが隠せず、広げた風呂敷を上手く包み込めないまま終わった印象がいずれも強い。

カムイ先生は唯一、ガンガンが育てた作家ではなく他から連れてきた一応キャリアのある方だった。
その点でやはり他の方と比較しても画力にしても構成力にしても見せ方にしても抜きん出ている。
ドラクエ漫画はこれと「ダイの大冒険」が双璧だと思うが、月刊誌連載だったこともあって巻数では「ダイの大冒険」の半分程度だが、面白さでは甲乙付け難い。

山場はやはりアレフガルドでの獣王・グノン率いる数十万の軍団に立ち向かっていく場面。
保身のために勇者を街から追い出そうとする民衆を守るための戦いは、ともすれば「投げやりにさえなりかねない」危ういものだった。四天王と聖戦士たちの対決も苛烈で「死闘」の名に相応しい。

異魔神の強さはドラクエの世界観すら破壊させかねない凄まじいものだった。
何よりも「りゅうせい」(流星・・・つまりはメテオ)が絵的にも威力も凄まじい!
倒せたことが未だに信じられないのだが・・・・・・(笑)。
そして、アステアは・・・・やはり女の子だったのだろうか?

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[投稿:2010-07-03 09:12:58] [修正:2010-07-03 09:12:58] [このレビューのURL]

まず、読む前に誰もが思ったことだろう。
「ドラえもん」+「野球」って、一体どんな漫画だよ???、と。
このサイトの方の多くもおそらくはそうだし、自分もそうだった。

確かに藤子先生の原作「ドラえもん」にも野球のシーンは出てくる。
けれど、原作においてそれをやるのは「ジャイアン」であり「スネ夫」であり「のび太」で、ドラえもん自身が野球をプレイしていたシーンは自分が思い出す限りではなかったはずだ。

つまりドラえもんと野球なんて、原作においては全くと言っていいほど接点のないもので、その2つを融合させて「ひとつの作品」としようなんて通常の発想では思い付かない。それをやったのが「この作品」だ。

しかし、原作はこのサイトでも評価の高い、知らない人を探すほうが難しいくらいの知名度を持った名作。
その世界観を使って「別作品」を描こうなんていろいろな意味で「冒険」だ。
下手したら「原作の知名度を利用して売っている」くらい平気で言われかねないと思う。
そうなったら、おそらくは「作者は一生言われ続けるだろうし」、「編集部もその存在が続く限り叩かれ続けた」ことだろう。
事実、そうなる危険性もあった。

それを回避できたのは、弱小チームが少しずつ強くなっていくという王道的なストーリー。
「ドラえもん」というロボットキャラでありながらも、各キャラの見事な顔の描き分けと性格付け。
そして「普通の野球」に「ドラの世界の秘密道具」を試合に使用できるという独自のルールをプラス。
「友情」「協力」「仲間」という原作と同じキーワードを踏襲しつつ、原作には有り得なかったライヴァルたちとの「対決」と、それに伴うスポーツ漫画ではある意味常識の「熱血」という要素を加えた(むしろ、この2要素が前面に押し出されている)ことにより、「原作とは違う立ち位置」で「もうひとつのドラえもん」として読者に認知されたことにある。

画力も高く、原作とは違った意味で「非常に見やすく、上手い」。
コロコロ連載作品では「歴代でも上位」だろう。
アニメ化されれば・・・「1話完結式のドラ」しか知らない多くのファンに、劇場映画ではないテレビシリーズで「全く違った長編ドラの魅力」を広く認知させることは確実だ。

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[投稿:2010-07-03 09:11:07] [修正:2010-07-03 09:11:07] [このレビューのURL]

前作よりも雰囲気が硬派になったのが何より良い。絵はほぼ完成期に入っていて安定して上手い。
主人公の多喜子が大正時代の人間なので、この漫画の世界観に入ってきても違和感が少ないのもいい。
相変わらず男ばっかりで七星にも敵にも女性が出てこなそうなのが難点だが、美朱と違って多喜子は戦えそうなので「戦い」の悲惨さや辛さを身を以って体験できそうなのには好感。
さらに美朱よりも背景につらいものを背負うことになったので、精神的な成長面でも大きな期待ができる。

こうして見てみると、前作で挙げた欠点を改善してきてるな・・・という印象だ。やはり読者からの指摘が多かったのだろうか?期待を込めて評価は「良い」としたい。今回は第二部とかは勘弁願いたいのだが。

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[投稿:2010-07-03 09:09:14] [修正:2010-07-03 09:09:14] [このレビューのURL]

ボクシング漫画の頂点と言っていい。画力が他の漫画家を大きく引き離している・・・っていうか、ブッちぎりで独走体勢ですな。
ただ長い。長すぎます。今まででもう50巻以上コミックスがあって、一歩もチャンピオンとしてもう長いはずなんだけれど、世界チャンピオンになるまではまず止めないので最終的には何巻になることやら。
こんなに長いのは一歩だけでなく、鷹村とか青木とか宮田とか脇を固めるボクサーが魅力的で、そういったキャラたちの試合も省略せずに全部描こうとしているからですね。
そこをひとつひとつ丁寧に描いていくと、そこからまた世界が広がっていって、さらに詳しく描かなければならなくなる・・・・・(以下、前の行の最初に戻って、延々続く)。

最終回は・・・宮田と一歩の対決になるのではないかとは思うけれど、自分の頭に浮かぶラストページは・・・・防波堤に座って1人で釣りをしている一歩の姿、奥さんである久美ちゃんの昼食に一歩を呼ぶ声に応える・・・・。

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[投稿:2010-07-03 09:05:05] [修正:2010-07-03 09:05:05] [このレビューのURL]