「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

やはりドラゴンクエストの漫画は迫力のある画が描けるかが大きなポイントだと思う。
「ロトの紋章」が終わった後に始まった「6」の漫画は明らかに作家を間違えていた。
そのため、全10巻なんて中途半端な作品になってしまった。
その点を反省したのか「7」の漫画化では藤原カムイ先生を呼び戻したのだが、やはりこれは大英断。
なんたって画の上手さが違うでしょうが。

ゲームには無いオリジナル要素の絡め方も上手い。ゲームを知っているだけに気になるのはやはりキーファはパーティを離れてしまうのだろうかということ。そうなった場合、漫画版ではハッキリしているマリベルのキーファへの気持ちはどうなるのか。やはり「初恋は実らず」、アルスがマリベルの支えとなっていくのだろうか?。その点は興味深い。

ドラクエ漫画は迫力のある絵が描けないと無理だと思う。
そういう意味においては、「天空物語」と「幻の大地」は失敗だと思う。
逆に成功したのは「ダイの大冒険」と「ロトの紋章」。そして、「エデンの戦士たち」だ。

ゲームの「7」はキャラ自体のエピソードが少ないので、それを補完するという意味でもこの漫画版はすでにゲーム以上の出来になってる。オリジナル設定も加わり、まさか「エデン」で「ロトシリーズ」と話がリンクするとは誰も思ってはいなかったことだろう。いい意味で意表も突かれたし。

本編ではいよいよキーファとの別れが近づいているのだろうか?そうするとマリベルとの仲は?
アルスがマリベルを支えていくようになるの?など興味は尽きそうに無い。

ゲームと漫画というジャンルの違いはあれども、すでに大元の「ゲーム」の出来を上回る作品になっている。

しかもこの漫画は他のドラクエ作品(1・2・3)とも話として繋がりを持つという誰も予想すらしなかったであろう展開。よってシリーズのどの作品のファンも楽しめるであろう。画力も掲載雑誌「ガンガン」の他作家と比較してもズバ抜けて高い。

ゲームは?を頂点としてストーリーは凋落する一方だったが、これでファンの方も少しは溜飲を下げることが出来たことでしょう。勿論、今後の展開にも要注目です。何気にストーリーの「裏主人公」になっているプチット戦隊。コミカルなだけの集団かと思いきや・・・・彼らも徐々に力を付けているようで。侮れない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:16:39] [修正:2013-10-14 10:14:40] [このレビューのURL]

7点 雷火

[ネタバレあり]

藤原カムイ先生の「ロトの紋章」と並ぶヒット作です。この頃から画力にしても構成力にしても魅せかたにしても一流ですね。

舞台が「卑弥呼の死の直前の邪馬台国」というのが思い切った設定だし、珍しい。確かに謎の部分だから自由に描ける利点はあるだろうが、かと言って余りにも世界観を壊してしまっては「竜頭蛇尾」に終わってしまうことだろう。
「忍術」と「仙術」の中間とも言うべき「神仙術」の使い手たちが繰り広げる戦いは、戦略にしても戦術にしても武器にしてもまだ未熟な「古代」を全く意識させない迫力。
そして最大の難敵にもってきたのは当時の邪馬台国が親交を結んでいた大陸の超大国・魏から派遣された張政。
本国から遠く離れたこの国で自身の野望を叶える王にならんとする。
その権力欲たるや凄まじく、特に祖国の魏が滅亡した後は故郷も失いもはや後戻りも出来なくなったことで暴走に拍車がかかる。
主人公たちと同じ「神仙術」を使う手下を従えて、不気味な行動を次々と起こす。そして手下のしぶといことこの上ない。
とにかく何度も倒したかと思わされるが、その度に立ち上がって来る。ほとんどターミネーター(笑)。

張政との最終決戦では壱与と身も心も結ばれた雷火は、意識の世界でなんと宇宙にまでも飛び出して戦う。
もはや古代邪馬台国が舞台であることすらも超越した。スケールの大きな戦いも見事に描き切っている。
巻末の設定資料の細かさに「この世界観の構築」が裏付けされる。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-10-13 12:55:07] [修正:2013-10-14 10:08:26] [このレビューのURL]

「りぼん」の連載作品の中では珍しく面白かった作品。
とにかく日本的な日常生活の過程に無理矢理ファンタジーをぶち込んだ手腕が冴え渡る。

ただ連載が続くにしたがってチャチャを始めとするキャラが幼児化していったのが最大の難点。
連載当初は愛らしかったチャチャもだんだん性格が悪くなっていった・・・。
しかもアニメ化によって望まない設定が追加されたため、作者自身もそれを逆ネタにして悪乗りするしかなかった。連載当初は小学校中学年ぐらいだったチャチャやリーヤがだんだんと幼稚園児に・・・。
ところがなんとアニメでは中学生くらいの年齢の設定がされている(笑)という矛盾。

ただ「りぼん」掲載の漫画の「幼児化」はこの頃の雑誌全体の特徴で、水沢めぐみも「姫ちゃんのりぼん」以降、作品が幼児化してきている。雑誌を読む対象年齢が昔よりも下がったからなのか?「ときめきトゥナイト」も蘭世の娘の愛良のシリーズになってから魔法少女ものになって明らかに低学年の読者を意識した作風になった。昔はもっと大人でも普通に読める雑誌だったはずだが・・・。

とは言っても「りぼん」連載でコミックスが10巻以上出ている作品は滅多にないことから考えても(しかもストーリーものでなくコメディ漫画で毎回のページ数が少ないにもかかわらず、である)人気があって面白い漫画だったということだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-18 22:03:41] [修正:2013-08-15 14:05:29] [このレビューのURL]

いちおう妖怪ものに分けられる漫画だが、「おどろおどろしさ」よりもむしろ画集が出るような作者の絵の美しさのほうが目立つ。

幼い頃から作家であった祖父の血を引くせいで霊感の強い主人公と、その周囲の人々が経験する不可思議な事件にまつわる「この世にあらざるものたち」。

だがそれらの多くは我々人間の浅ましい欲が生み出したものだったりする。
日常の平穏さとその影に潜む「非日常的」な妖魔のものたちとのストーリーは、平和の裏にある危険を示唆しているようでドキッとさせられる。
妖魔たちの目から見れば、我々人間はさも滑稽な生き物と映ることであろう。

そういえばこの漫画のタイトルで、四字熟語にもある「百鬼夜行」(化け物が群れを成して、ねり歩くこと)の読み方は「ひゃっきやこう」ではなく、「ひゃっきやぎょう」が正しいようです。

つまりこの漫画も「ひゃっきやこうしょう」ではなく、「ひゃっきやぎょうしょう」と読むのが正しい・・はず。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-07 08:50:39] [修正:2013-08-15 14:02:49] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「ARIA」で火星が科学の力で開拓され、水の惑星となり、ネオベネチアで女の子がゴンドラ乗りになる前の時代の話らしい。

その火星を開拓する前段階で、人類が火星の地表に放ったのがゴキブリ。
500年後にゴキブリは進化し、火星の厳しい環境にも適合。
2足歩行をして人類に牙を向くのであった!

昆虫人間VS進化したゴキブリという設定は正にSFだが、多勢に無勢で強化人間の多くもその能力を見せる間もなく死んでいく。
この第1巻は「序章」ともいうべき導入部で、1巻のみで完結しています。

可愛い女の子がゴンドラ乗りとして観光客を乗せる日を迎えるためにも、一同頑張れ!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-18 14:49:12] [修正:2013-01-18 14:49:12] [このレビューのURL]

「皇国の守護者」が評価の高い伊藤氏の歴史もの。
珍しいモンゴル帝国時代を舞台にしている点が新鮮。

西夏の文字を巡る「チンギス・ハン」の息子の逃避行。
付き従うのは「悪霊」と恐れられる女戦士である。

時代背景に関する説明がやや少ないため、背景が分り辛いが絵は流麗。
史上最大の帝国を築いた男・蒼き狼が何故、西夏の文字を憎み滅ぼそうとするのか?

全く無関係のようだが、実はこの数世紀後にモンゴル帝国は日本へと侵略してきて「元寇」が起きるのである。
日本軍が大苦戦した彼等の強さを目の当たりに出来るのであろうか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-09-08 20:34:36] [修正:2012-09-08 20:34:36] [このレビューのURL]

夏をイメージしたコミックスカバーが非常に魅力的なラブコメ。

突如として幽霊となってしまった幼馴染の女の子と憧れの先輩との間で繰り広げられるラブコメ。
画が繊細で少年誌連載では珍しく、とても魅力的です。
突如、昏睡状態に陥り、意識だけが分離してしまった幼馴染の「まくら」ですが、
・食事が出来たり
・海で泳げたり
・主人公にしか姿が見えなかったり
・着替えが出来たり
・裸になって入浴が出来たり(笑)
随分と都合がいい設定だなと思うことしばしば。

第1巻はまくらの先制攻撃で、憧れの白井先輩は「後手」の模様。
長期連載出来るかどうかというところですが、裸は思ったよりは少ないほうですよ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-08-09 17:52:38] [修正:2012-08-09 17:52:38] [このレビューのURL]

ネット上のみの掲載で紙面上では見れない作品。

瀬戸内海にある歌劇学校に入学した女の子たちの物語。
オムニバス形式で、主人公が1話ごとに変わるのが特徴。

雰囲気的には「青い花」の延長上にある作品と言えなくもない。
事実、第2話では青い花に登場した上田良子が主人公として登場している。

なかなか更新がされないのだが、今後の展開に期待したい作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-16 06:45:11] [修正:2012-05-16 06:45:11] [このレビューのURL]

百合のお話。子犬のような天然系元気少女はボーイッシュな顔立ちで女子高で女の子にキャアキャア言われている。
でも、それが憧れの先輩に「好き」と告白されたときから変わった。告白されるのなんて慣れていたはずなのに・・・・・。

「マリア様がみてる」で喩えると「弓道部員の支倉令(黄薔薇)が、1年先輩の藤堂志摩子(白薔薇)に告白されて付き合うようになった」。
つまりはそういうお話です。

画は見易くてとてもいいです。注目は「第1巻」である点ですかね。
百合の物語は「短編集」が非常に多く、まだ連作は希少な状態。
・「青い花」(6巻まで。以下続刊)
・「ささめきこと」(8巻まで。以下続刊)
・「オクターヴ」(完結)
・「ガールフレンズ」(完結)
くらいでしょう。連作で5巻以上継続しているのは。

だから新規の連作品には非常に期待したいところです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-04-26 04:53:15] [修正:2012-04-26 04:53:15] [このレビューのURL]

7点 prism

小学6年生のときに半日だけ一緒に過ごした男の子が初恋の相手という恵。
高校に入学してその初恋相手と再会したが・・・・・何と男の子と思っていた相手は「女の子」だった。

引きずっていた初恋の相手との再会は叶ったものの、複雑な心境の恵。
初恋相手の光は才色兼備の美少女。そして・・・・女の子が好きだった。
突然のキスを受けて戸惑う恵だが、自分もまともに男の子を好きになった経験がないことに気づいて、
光を好きだと意識する。

「女の子同士の恋」は世間からの偏見の目が怖いのだけれど、それを超える感情があった。

キスも愛撫も好きな人からされるなら、たとえ女の子からであったとしても格別のものがあったのだ。

以下、続刊のようですが、非常に見やすい絵柄で「綺麗の中にいやらしさ」を隠したような作風。

恵の恋を見守る小学生の妹・愛がいいキャラだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-04-25 07:21:55] [修正:2012-04-25 07:21:55] [このレビューのURL]