「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

男女の恋愛に独特の宗教観を加えた?摩訶不思議な世界が展開される異色の恋愛漫画。

話の面白さは冥界編がピークだったような気もするが、学園編はトンデモキャラ多数登場で違う意味で盛り上がる。
絵はむしろアニメ系で、後半では戸川が「おもらし」したりとか、作者の趣味が色濃く出たようなシーンが多い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:19:29] [修正:2013-08-18 20:25:00] [このレビューのURL]

主人公はゲームオタクの男子高校生。
しかし熱中するゲームジャンルは「恋愛シュミレーション系」のみ。
格ゲーやRPGはやらない!ある意味、非常に男らしい性格(笑)。

で、そんな彼が地獄からやってきた見習悪魔の「エルシィ」の駆け魂という悪人の魂を捕獲するための協力者にさせられたことから始まるトンデモストーリーです。

駆け魂は女性の心にのみ憑依して、いずれはその女の子の子供として現世に転生しようとする。それ故に、憑依した女子の心の内側を暴き出す必要があり、抱えている悩み・願望・欲望などを吐き出させるための触媒として主人公の存在がクローズアップされたというわけ。

バーチャル女子の攻略はプロでも、リアル女子の攻略なんてしたことがない・・・と断ろうにも自分の命を人質にとられて、強制的に事件に介入させられていく悲惨。

見習悪魔のエルシィは主人公の腹違いの妹として自宅に同居することになり、最早逃げ道は塞がれた。さて・・・今後はどうなるのか?

この手の漫画にしては珍しく「女の子の裸」を出さず、毎回のヒロインの抱えている心の闇をクローズアップさせて読ませるという姿勢には好感が持てます。
画は当然に可愛らしい!でも「非エロ」というのは明らかに異色!

ただ・・・これだと「長期連載」するには設定がやや弱いのではないかな?と心配になるのですが。その辺、今後に明かされる裏設定でどこまで長期連載に出来るかが勝負の分かれ目かと思います。

コミックスの売り上げは良いようですね。打ち切りは勘弁な方向でお願いします。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-11 18:05:19] [修正:2013-08-18 20:19:01] [このレビューのURL]

水沢めぐみの初連載作品だが、同時期に同じ雑誌で連載していた柊あおいの「星の瞳のシルエット」と設定自体は似たもので、幼い頃に出会った初恋の男の子と再会して・・・というもの。

ただこちらは作者の次作「空色のメロディ」でも続けて使用された「主人公の出生に謎がある」の分だけ「星の瞳のシルエット」よりも印象を残す。山場は終盤ではなく、結が養女だったと判る2巻辺りだった。
しかし、全体的にさわやかな印象の作風が後年幼稚化するとは想像もできなかった。

庫版を買いなおしてみました。やはり水沢作品で一番の作品ですね。

「家族愛」と「少女の成長」が大きなテーマだったと思うのです。
その片方「家族愛」が結が自分が両親の実子でないと知り、自分が存在するための基盤(所謂、アイデンティティ)を失ってしまった時に前面に押し出されて彼女の心に「血縁」以上の基盤を再認識もしくは再構築させた。
亡くなった実父の描いた絵本が結の精神状態と重ね合わされていることも効果的な演出と思います。
自分の居場所を失くして街を彷徨う結が育ての両親との十数年に亘る思い出を回想して、義父と義母が実親以上の愛情を注いでくれていたことを改めて認識し、自分はやはり育ての両親(正しくは叔父夫婦)と兄弟(正しくは従兄弟になる)が好きなのだと再認識して自分の意思で家に帰ることを選んだ場面が作品中で1・2を争う名シーン。片想いの相手「郡司」が何も言わずに寄り添い、親友のくうこは「もう家に帰れない・・・」と泣く結を抱いて「元気を出して」と励ました。
自分の意思で家に戻った結を待っていたのは家族からの温かい抱擁。実父の描いた絵本の中で失くしたお気に入りのビー玉は家の机の下から見つかる。「探していた大切なもの」はすぐ近くにあったのだと、ここでも結の精神状態と重ね合わせる演出が効果的に結んでいます。

まさに前半の山場でした。こういう感動的なシーンはなぜか(作者の)後の作品になるほどなくなっていくのです。大ヒットした「姫ちゃんのリボン」にしてもぬいぐるみが話したり、魔法が出てきたりとコメディ色が強くなり「姫ちゃんのリボン」以降はもうメチャクチャ・・・。絵も話も幼稚化しています。
家族崩壊の大きな危機を乗り越えた後半も悪くはありません。後半は郡司への片想いが成就していく過程が彼女の前向きな姿勢(生き方)に反映されてもうひとつのテーマ「少女の成長」がラストまで上手く話を牽引しました。結の恋に対する前向きな姿勢にテーマソングを選ぶとすればリンドバーグの「Over the top」(ベストアルバム・フライトレコーダー収録の別バージョンの方)が似合うと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-23 20:31:29] [修正:2013-08-18 20:06:42] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ギャグ漫画として私が他人に薦められる数少ない作品のひとつ。
とにかくギャグ漫画で、ある意味常識になっている「下手な下ネタに走って、(主に)小さな男の子に気に入られようとする」作風が全く見受けられない。これは作者様のポリシーだと信じているのだが、貫徹しているギャグ漫画がいくつあるのか?。

所謂、一般人とは少々毛色の違った「個性的な登場人物たち」を「属性」ごとにいくつかのチームに振り分けて登場させ、それぞれの集団同士もしくはその集団と一般人たちとの間に巻き起こる「騒動の顛末のおかしさ」を学園を舞台に展開させていくというスタイルがヒットの理由だったと思う。

問題に挙がっている「最終回」の実は・・・これまでのお話は全部、中学時代の唯ちゃんの空想だった・・・は誰も予想もしていなかったラスト。しかししかし、私はこのラストのコマは「奇面組」の登場へと続く布石だと考えます。つまり空想・・・だと思っていたけれど、廊下を曲がったら「空想と同じように」奇面組の面々と出会いました・・・・っていう明るい未来(楽しい未来)を暗示した終わり方だ。決して「あんな楽しい面々」も実は存在していなかったんです・・・・なんていう絶望的な雰囲気では有り得ない。
「ギャグ漫画の終わり方」ってストーリー漫画以上に難しいと思う。それを考えるとラストシーンもなかなかの締め方ではなかったかな、と。まあ奇面組は正確には「ストーリーギャグ漫画」でしたか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-08-03 22:19:46] [修正:2013-08-03 22:19:46] [このレビューのURL]

近未来の地球。温暖化の影響か世界の低地は海に沈み、それにより各地は現在よりももっと海によって分断されていた。
そんな世界に突如として現れた「霧の艦隊」と呼ばれる超兵器を装備した艦隊。
人類は敗北し完全に制海権を握られてしまう。

だが、それから17年後。世界の海を我が物顔で闊歩する霧の艦隊に敢然と立ち向かう潜水艦が一隻あった。
霧の艦隊を離脱・裏切ったイ401艦である。乗り込むのは5人の日本人クルーと、潜水艦の意思の具現化とも言うべき人体化(メンタルモデル)の
千早であった。イ401艦の戦いは続く・・・・・・。

まず乗っけから「海洋戦記もの」として引き込まれる。思えば地球は「水の惑星」なわけで、舞台設定としては「海」はこれ以上ないほど適しているはずなのに、
何故か採用される作品は少ない現実。まさか近未来の時代設定で見られようとは思わなかった。

戦記ものと書くと堅苦しい、「男ばっかりの世界」と連想する人多数かと思うが、この作品は敵方の戦艦が個々に擬人化した
女性形態を取ることで上手く作品の本来持つであろう「堅苦しさ」を中和。
結果としてファンタジー要素を上手く絡めた「海洋SF戦記」として昇華された。

90年代に放送されたTVアニメ「ふしぎの海のナディア」の海戦に近い雰囲気ではないかなとも思う。
1巻から「専門用語連発」なので、意味が分からない箇所多数かと思うが、雰囲気で押し通す力技。
疑問点は「巻末に付属の用語集」をご参照。
アニメ化も決定したようなのでブレイクする年になるようだ。先んじてイ401艦に乗り込んで日本人6番目のクルーとして戦うのならば今しかあるまい。
ね?そう思うでしょ?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-06-08 10:39:14] [修正:2013-06-08 10:39:14] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「ゆるゆり」でお菓子系の可愛らしい女の子を描くことで知られる著者の百合短編集。

5組の百合カップルのお話。基本は片方のアプローチでもう片方の女の子が相手を好きと気付いていくという流れ。
さらに5編の短編を見た後は、1?4話までの4組のカップルのその後の話まで収録していてお得!
何で最後の「5」だけないのだろうか・・・・・・?

「ゆるゆり」と異なり、全編基本はシリアスで、ギャグはなしです。
次回作は連作で長編百合物語をお願いしたいなと期待させる内容ですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-26 20:36:55] [修正:2013-05-26 20:36:55] [このレビューのURL]

ガンダム1年戦争末期。アー・バオア・クー要塞への補給ルートに当たる
「サンダーボルト空域」の制圧を目指す地球連邦軍と、それをスナイパー部隊で阻止しようとするジオン軍。

宇宙空間を舞台に繰り広げられる両陣営の人間模様。
制宙権を得ようとする連邦はエースパイロット用の「ガンダム」を一機配備する。
待ち受ける連邦のスナイパーとの対決の行方は・・・・
遠距離攻撃VS接近戦。

コロニーや戦艦の残骸が無数に漂う空間が墓場となるのは果たしてどちらか?

画力は申し分ないのですが、著者の「ムーンライトマイル」が未完のまま、
こちらのガンダムが終わるまで放置されるそうです。それはどうなんですか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-01 06:48:21] [修正:2012-11-01 06:48:21] [このレビューのURL]

「ブレイブ・ストーリー」である。同じ題材で「漫画」「アニメ映画」そして「原作小説」とあるのだが、この三つをどの順番で見ていくかによって各作品の評価が大きく変わってしまうのではなかろうかと、こちらの他の方の評価を見て思った。

大抵の方は「原作小説」→「漫画」→「アニメ映画」と製作順に体験しているようなので、どうも後に来るほど(原作小説との差異が目に付いて)評価が厳しくなってしまっているようだ。

私はその中にあってなんと幸運なことに上記のパターンを真逆に行くことが出来た。
ちなみに入り口が「アニメ映画」で、続いて「漫画」へと移ったわけだ。(「原作小説」はまだ未読。)
なので、「原作との差異」自体がそもそも目に付くことがないので面白く読めました。
ストーリー的には現代人の少年が異世界で勇者となって望みを叶えるための戦い・・・という格別目新しいものでもないと思いますが、様々な勢力が「実際に軍勢を率いてぶつかり合う戦争」をリアルタイムで進行させ、同時進行で主人公パーティがそこに介入して戦局を左右していく様を描くのは緊張感に溢れています。
度々挿入される、現在の状況を地図上に示した「戦況図」はその象徴。

先にアニメのほうの「しょんぼりな出来栄え」を観ていただけに、ジャンル違いとはいえ「雲泥の差」を実感することが出来ました。

まだどれも体感していないという方は、私と同じように「アニメ映画」を入り口とする正規の逆ルートを辿ることをオススメします。
多分、正規ルートを辿るか、逆ルートを行くかで大きく印象が変化する題材なのでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-03-03 18:06:13] [修正:2012-03-03 18:06:13] [このレビューのURL]

本格テニス漫画。

高校に入学してからテニスを始めた主人公。
細かい性格で分析が得意。勿論、成績も良くて優等生。
でも人生で打ち込めるものがなかった。

そんな彼が始めたテニスに夢中になり、素人から次々とレベルアップしていく戦いの軌跡を描く。

とにかく「メモ魔」の主人公は試合の合間でも次々とメモをノートに取り、分析を重ねていく。そのノートの記録を反芻することと、天性の視力の良さ、そして飛びぬけた素質などないがその代わり「大きな弱点もない」という、「オールラウンダー」という主人公としては最もありがちな特性で物語を紡いでいく。

ヒロインの女の子は可愛いが実は絡みは少なく、ライバルになるような女の子もあまり登場しないため、スポーツラブコメではない。

むしろ、主人公の性格に代表されるように「理論重視」「科学的トレーニング重視」な内容だと思います。

絵の見やすさも「マガジン連載作品」の中では特筆かと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-02-07 23:59:16] [修正:2012-02-07 23:59:16] [このレビューのURL]

コロコロ連載作品では傑作に挙げていいと思います。
どこかの雑誌でマガジン連載の「コーターローまかりとおる」の幼年誌版だと書かれていましたが、さもありなん。
ただ、こちらのほうが画力・ストーリーともに優れていると思います。
小学校卒業で完結したかと思いきや、ちょうど小学館漫画賞を受賞したことで続編の連載が決定。
寿命は延びましたが、離島で教師をやるのはハチャメチャでしたな。
大人になった男吾の仕事って・・・何でしょうか?教師は向いてそうですが、学力的に無理か?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-20 21:22:01] [修正:2012-01-20 21:22:01] [このレビューのURL]