「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

7点 惡の華

中学生の心の闇を暴き出すような作品。
ポードレールの「悪の華」を愛読する少年・春日。
中学のクラスメートで才色兼備の佐伯を密かに想っている読書好きの少年。

そんな佐伯の体操服を盗み出してしまう。それを問題児の女子・仲村に目撃されてから、
仲村に付きまとわれる日々を送る。仲村は春日と「契約」を結び、春日を服従させようとする。

仲村の意図が読めず、戸惑う春日・・・・。
そして、春日と付き合うことになる佐伯もまた「優等生として見られる自身」に耐えられず悲鳴を上げていた。

とにかく「見たくないものをこれでもかと見せつけるような作風」です。
作風が闇に迫るようでありながら、絵柄は非常に見やすくて綺麗というギャップが凄い。

中学生男子が持つ心の暗部が、仲村という異端(起爆剤)に触発されて爆発し暴走するという話。
それは周囲の人間をも巻き込み、坂道を転げ落ちていく。

「青春」なんて決して明るくて楽しいだけではないという話。
むしろ、こっちのほうが現実的なのかもしれないが・・・・、
印象的ではあっても「あこがれ」はしないという、そういうお話。

但し、春日が佐伯さんとセックスした際に佐伯さんが妊娠して出産していたら「佐伯さんEND」あったと思います。
再会した佐伯さんが年の離れた妹を連れていたら・・・・
戸惑う春日の前で赤ちゃんを抱き自らの乳房を赤ちゃんに吸わせ始めたら・・
春日はその子が佐伯さんの産んだ子だと気が付く。
そうなるとその子の父親は・・・・・
春日が最終的に佐伯さんの元に戻ってこなければいけない理由が出来るわけです。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2012-11-17 15:38:14] [修正:2019-12-31 15:01:14] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

現代日本の東京・渋谷。ここには色々な夢を抱いて多くの人間が集まる。
だが、その中で持ちうる才能を見事に開花させて成功への道を駆け上がれる人間は一握りだ。

ここに一人の「女の子」がいる。
恵まれない生い立ち。辛い過去。高校の時に東京に来てその時、駅のホームから電車に飛び込もうとしていた。
それを止めてくれたのが今働いているバーのオーナー。一見ヤクザかと見紛うような容姿。
しかし、気落ちする少女を自分の経営するバーに連れてきてその日のステージに立つ外国の歌手の歌を聞かせてくれた・・・・。感動。只、只、感動。只管、感動。少女は死を思い止まった。
それから自身もあの人のように人に感動を与えるような歌を歌いたいとバーで働きながら歌手を目指すようになる。でも道は厳しかった。オーディションは何回受けても落選。SNSのフォロワーも200人ほどしかいない。
自信を失っていた。

さて、ここにもう一人「男」がいる。
風変わりな風貌でコスプレマニアと間違えられる。何処からともなく渋谷の街に現れて、ハロウィンの群集に巻き込まれて酒を飲まされ酔い潰れて転がっていたところを通り掛かった歌手志望の少女に助けられる。
その男は目を覚ますと自分の名前を名乗った。「姓は諸葛(しょかつ)、名は亮(りょう)」と。
スマホも携帯もインターネットも知らないその男は歌手としての自信を喪失していた少女に語りかけた。

「私があなたの軍師になります。」

少女は知らなかった。
この風変わりな風貌の男はその昔、英雄・曹操を赤壁で一敗地に塗れさせ、呉の孫権の軍師・周愈をして「何故、天はあの男を自分と同じ時代の同じ場所に生まれさせたのだ?」と嘆かせ、死して尚、魏の司馬 懿仲達を恐怖の余り逃亡させた、人類史上でも五指、いやおそらくは「三指に入る天才戦略家にして戦術家」なのだということを!

その慧眼は、少女の歌を三度聞き世に出るべき人物であり、自らが君主と仰ぐべき人物であると捉えた。
世の中には多くの才能がありながらそれを発揮させることなく終わってしまう人間がいる。
「才能さえあれば必ず世に出られる」は真実か?
多くの人間は「どうやれば成功への道筋を自分の人生に付けられるのか」が分らず悩んでいるのである。
少女には歌を歌い、人を感動させる力があった。
だが、どうやってそれを世の人に知らせればいいのかが分らなかったのである。
悩める六等星の輝きを放つ少女を導くこの男の字(あざな)を「孔明(こうめい)」と言った。

三国志のファンならばこの男の能力について多くを語る必要はあるまい。
史上、武力や暴力で人を畏れさせた人間は枚挙に暇がないだろう。そんなことは誰でも出来ることだ。
だが頭脳が、圧倒的な知略が人を畏怖させた人間は史上片手で数えるほどにも居まい。
その数少ない「知略が人を畏怖させた男」が自分の進むべき道が分らず悩める少女を「全身全霊で助ける」と誓ったのだ!
少女は知らない。
この男からその言葉を引き出したことは「100万人の軍勢を味方に従える」より尚、有り得ない幸運であることを。

以下、続刊。
「六等星の弱き輝きの少女、一等星の眩い輝きを放つまでの物語」の開幕である。
さて、皆様、お立会い!である。
注意:読者の方は、この物語でこの先いかなるピンチが訪れようと、どんな困難が立ち塞がろうと「大船に乗った気分で緩やかな気持ちで読み続けていただきたい」です。何せ作戦参謀が「現代日本に対抗できる人材がひとりもいないことが確実な方」なので、焦る必要も心配する必要も全くございません!全て「孔明様にお任せ」であります。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2022-05-10 10:24:27] [修正:2022-05-10 10:24:27] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

東西冷戦下的な世界観で始まるスパイ物語。
しかし、敵国の要人と面会するために子供を名門校に入学させて優秀な成績を収めさせねばならない。
スパイの男は当然に父親役。子供は娘を孤児院から見繕って引き取った。
但し、この子供は超能力があり(読心術のみ?)普通の女の子ではない。
一次試験は突破できた。しかし二次試験は母親同伴が必須。今度は偽装結婚が必要。
適役の女性がなかなか見付からない。

一方、暗殺者として裏の仕事を請け負う女性がいた。彼氏もおらず周囲の人間があれこれ五月蝿い。
こちらも周囲の人間を欺いて安心させる為の恋人を必要としていた。
こうして利害の一致した二人が出会い、夫婦となることになる。
夫側は先に子供を見付けていたので再婚になり、妻側は初婚である。
但しそれは準備段階の最初の一歩。子供が試験に合格して学園に入学できないと始まらない。

絵柄が「ワン・ピース」に酷似しており、見易さはあります。
一応、最終目的の達成の為に「いくつか段階を踏まなければならない」ことが最初に提示されているので、
基本的には学園行事に連動するような形で話が進みつつ、夫は本業のスパイで(妻には秘密)、妻は本業の暗殺者で(夫には秘密)それぞれ任務がちょくちょく入ってくるような流れで進行するようです。

物語全体としてのテーマは「家族愛」になるのでしょう。
ハリウッドのアクション・コメディ映画として2時間枠で作成したらそれなりの面白さでまとめられそうですが、
連載漫画で長編を意識すると学校イベントが何年も繰り返される危険が生じてマンネリ化の危険も。
どうやって調理し、味付けしていくか注目しましょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2022-05-06 09:22:07] [修正:2022-05-06 09:22:07] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

80年代にグルメバトル漫画として少年誌で人気を得た「ミスター味っ子」を現代風に描き直したような作品。

とにかく画力が高いのが特徴。それ故、作中の料理がそれなりに美味しそうに見えるのは良い。
さらに女の子が可愛い。この絵が描けるなら普通は「ラブコメ」のジャンルが漫画を描くに最も適していると誰でも思うだろう。
だが、そこへ「料理」という題材を持ってくる。少年誌なので「対決・バトル路線」になるのは当然としても、
味っ子のアニメ版での美味しさを現す「オーバーアクション」が、この作品では登場キャラの「全裸」に置き換えられて表現されるというのが特徴。
しかもキャラは男女問わず(笑)

女性キャラの絵柄が「パジャマな彼女」をジャンプで連載していた濱田先生に酷似していると思うのですよね。
つまり、あの絵で女の子はいやらしいままに料理漫画にシフトしたというと分かりやすいか。
とすれば「ヒットする条件」満たしているということ(笑)
まだ3巻までなので序盤の助走という段階だが、これからドンドンキャラが脱がされると見て間違いない!

(完結したので追記)
かつての人気作品が見る影もないほどに劣化した悲しいラストです。
作画・監修共に「最早やる気なし」と見て取れて痛々しいです。
人気作品だった「食戟のソーマ」が何故これ程までに落ちぶれたのか?

「BLUE編」がそもそも大失敗で、学園の外に強敵が・・・なんて設定出した為、料理人の憧れの的であるはずの「遠月学園」の価値が下落し、それまで出ていた多くのキャラたちの出番が無くなった。
その「BLUE編」で登場する敵の料理人たちがどいつもこいつも小物感・イロモノ感満載。
チェーンソー使用した料理なんて監修が付く必要性が最早なく、あまりの超展開に作画担当と監修者のやる気を無くしたことが紙面から伝わってしまった。
そして最大の失敗は創真の父親が倒されて、ラスボスのはずだった地位を転げ落ちたこと。
これにより、「食戟のソーマ」という作品自体もゴールを見失って迷走する結果になり、今巻での打ち切りとなった。
何とか読めるのは「創真が第一席になったところ」まで。その場面以降の巻は捨てていいです。
事実上、30巻を以って終焉した作品。31?36巻は星1つです。
最後だけ「大団円」みたいな形にしてもダメです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-08-14 21:50:04] [修正:2019-11-07 20:46:41] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

昨今、久しく見ないであろう「王道ファンタジー」。
魔法使いに憧れる少女が立ち向かう試練の数々を極上の画で彩る。

魔法を使うことが出来るのは選ばれた人間だけ。
ココは魔法使いに憧れてはいるけれど魔法は使えない。
昔、祭りで不思議な人物から貰った魔法の本を宝物にしている。
ある日、魔法使いがココの母親が営んでいる店を訪れて魔法を使った。
普通の人には魔法を使う場面は見せてはいけないので、ココは覗き見して
魔法は呪文を唱えるのではなく、「図に描くもの」と知る。
宝物の魔法の本にマネしてみると、何と魔法が発動した。
そして、それが悲劇の始まりだった・・・・・。

立ちはだかる運命に立ち向かうために「魔法使いの弟子」となるココ。
同じく弟子の女の子3名。おしゃべりな「テティア」。寡黙な「リチェ」。努力家な「アガット」。
皆、試験をクリアして魔法使いの弟子となった。何の苦労もしていないココにアガットは冷たい。
いきなり試験を受けさせられるなんて序の口。
そして、敵はゆっくりとココたちに忍び寄る・・・・。
罠に嵌ったココたち4名の女の子が「竜」と対峙する緊迫のラストシーン。
男の子であろうが女の子であろうが大人であろうが子供であろうが困難は等しくやってくる。
困難を打ち破るのに絶対に必要なものは「勇気」だ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2019-05-24 21:19:33] [修正:2019-05-24 21:19:33] [このレビューのURL]

7点 雷火

[ネタバレあり]

藤原カムイ先生の「ロトの紋章」と並ぶヒット作です。この頃から画力にしても構成力にしても魅せかたにしても一流ですね。

舞台が「卑弥呼の死の直前の邪馬台国」というのが思い切った設定だし、珍しい。確かに謎の部分だから自由に描ける利点はあるだろうが、かと言って余りにも世界観を壊してしまっては「竜頭蛇尾」に終わってしまうことだろう。
「忍術」と「仙術」の中間とも言うべき「神仙術」の使い手たちが繰り広げる戦いは、戦略にしても戦術にしても武器にしてもまだ未熟な「古代」を全く意識させない迫力。
そして最大の難敵にもってきたのは当時の邪馬台国が親交を結んでいた大陸の超大国・魏から派遣された張政。
本国から遠く離れたこの国で自身の野望を叶える王にならんとする。
その権力欲たるや凄まじく、特に祖国の魏が滅亡した後は故郷も失いもはや後戻りも出来なくなったことで暴走に拍車がかかる。
主人公たちと同じ「神仙術」を使う手下を従えて、不気味な行動を次々と起こす。そして手下のしぶといことこの上ない。
とにかく何度も倒したかと思わされるが、その度に立ち上がって来る。ほとんどターミネーター(笑)。

張政との最終決戦では壱与と身も心も結ばれた雷火は、意識の世界でなんと宇宙にまでも飛び出して戦う。
もはや古代邪馬台国が舞台であることすらも超越した。スケールの大きな戦いも見事に描き切っている。
巻末の設定資料の細かさに「この世界観の構築」が裏付けされる。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-10-13 12:55:07] [修正:2013-10-14 10:08:26] [このレビューのURL]

戦争をテーマにした漫画というのは題材として「悪い評価」は付きにくいものではないかなとも思うのだが、これはその中でも広島に落とされた「原子爆弾」にテーマを絞って描かれている点で他作品とは意味合いが異なり、そしてそれこそが正に「世界唯一の核兵器の被爆国」である日本が生み出すに最も相応しい漫画ではないだろうかと思う。

大抵の小・中学校の図書室には常備されているが、内容は「悲惨な描写」が紙面上のこととは思えないようなリアルさを浮き彫りにする。主人公の少年は原爆投下時にたまたま壁に遮られていたために熱線と爆風の直撃を受けずに済むという幸運で命が助かるも、そこは「真の地獄」への入り口でしかなかった。
爆風と熱線の直撃を受けながらも即死出来なかった人々は、焼け爛れた皮膚をボロ布のように引きずりながら水を求めて街中に溢れ、さながら「バイオハザード」のゾンビの群れと化した。街は一瞬にして廃墟となり、やっとのことで自宅に戻った主人公も、たまたま外に出ていた母親以外の家の下敷きとなった父・姉・弟の3人を火事で失う。混乱の最中に妊娠中の母親が妹を出産・・・・と息を付く間もないほどに次々とドラマが巻き起こり、さながら読者も主人公とともに「嵐の波間に漂う小舟」のごとく巨大な力に翻弄されるのだ。

特筆すべきは勿論、これらの出来事が全て虚構の主人公・登場人物を配置しながらも否定することの出来ない現実であるということだ。それは単なる「虚構の中の冒険物語」で味わう悲惨さなどとは完全に一線を画した全くの別物であり、今も現実を生きる体験者にとっては忌まわしい過去を眼前に「向き合え」と突きつけるに等しく、その悲惨さを体験し得ぬ世代には呪縛にも似た恐怖を脳裏に刷り込むことで「平和へのメッセージ」を未来永劫、人類の歴史ある限り発信し続けることだろう。

悲惨な描写の前半から、戦争が終わり復興する広島を描いた後半では原爆の亡霊とも言うべき「放射能による障害」の恐怖と、そして本来は同じ原爆の被害者であるはずの者たちによる「利を貪っての醜い争い」がテーマになっていく。ムスビやカッチンはこれらの犠牲者と言っていい。

たった一発の爆弾はかくも多くの人々の運命を変え、人類の歴史を変え、そして地球の未来すらも変えたのだというお話。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-07-03 09:06:13] [修正:2012-01-03 09:41:08] [このレビューのURL]

マガジン連載の「金田一少年の事件簿」と並ぶ探偵漫画の最も有名な作品。

だが、内容はもうグダグダ。何とコミックスは70巻を突破しており、長期連載として名高い
ジャンプの「ワンピース」よりも長いのです。
これは基本的に連続した1本の物語ではない、探偵ものでは驚異的っていうか、驚異的に不自然(笑)。

巨悪の黒の組織との話は遅々として進まず、新たな殺人事件が毎回毎回繰り返されるだけ。
それにこのジャンルでは禁句かもしれんが「人が死に過ぎ」。
コナンたちは一体、生涯に何回の殺人現場に立ち会うんだ???
しかも小学生が度々殺しの現場に立ち会ったりしたら、トラウマで精神に異常をきたすであろうところ、
平然としているしさ。ムチャクチャだ。

「コナン行くところに殺人事件あり」なので、最早コナンたちを始末したほうがよっぽど悲劇が回避されるような気がする。
初期の頃には確かに集めてましたよ。でも、引き延ばしが顕著になってからは全て捨てました。

80年代・90年代の連載漫画作品は長期連載でも「せいぜい30巻台」で完結していたはず。
それが今や50巻以上が当たり前の世の中になってきてしまった。
これは結局のところ、売れるもので稼げるだけ稼いでおこうっていう汚い大人の事情だけのような気がする。
作者が率先的に70巻もの長期連載を週刊誌でしたがるとは思えないし。
探偵もののこの作品では特に。
でも青山先生にもいいイメージは薄れてきてるのも事実。コナン繋がりで結婚された奥様とも結局離婚されたし。
「お金で人生狂った」んではないのは穿った見方なのかなあ・・・・。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-11-05 11:26:26] [修正:2011-11-05 11:26:26] [このレビューのURL]

今となっては「只のネタ漫画」で笑って済ませられるが、連載当時はその「救いようのない作風」で読者の不安を少なからず増長させたと思われ、月日が流れた今となっては

「大の大人が仕事で一体なにをやっていたんだ?」

くらいの事は言われかねないと思う。

毎回毎回、読者からの相談の手紙が舞い込んで・・・という始まりなんだが、読者も何を混乱しているのだか知らないのだが、こんな人たちに真剣に相談を寄せるんじゃありません!

騒ぎが明らかに大きくなっているじゃありませんか。
全国的に喧伝されてさ。
しかも、散々騒ぎ立てた結論は、毎回のようにワンパターン。

「いや、もう全ては手遅れなんだ・・・・」

結局、この人たちはよーするに「只のヤジ馬」なんですよ。
なんてこともないことを騒ぎ立てて、「あたかも自分たちに先見の明があるかのように振舞っている」だけなんです。

しかも、ハズレたことに対して何ら責任を追及されたりはしませんしね。
そういう意味では「天気予報」並に考えられる御気楽な商売・・・・
と書いたら、「天気予報士」の方に失礼かっていう程度でしょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-11-27 14:24:04] [修正:2010-11-27 14:24:04] [このレビューのURL]

矢沢あいの出世作とも言える本作だが、この頃からもう独自の世界をちゃんと確立していたのだと判る。

とにかく彼女の絵は他の「りぼん」連載作家たちとはまるで違った。
喩えて言うなら「ジャンプ」でいうところの荒木先生の「ジョジョ」のようなものだと思う。
スタイリッシュとでもいうか、美術的とでもいうか、「アート」(芸術)の類と言ったほうが適当かもしれない。
そんな作風だから後年「りぼん」が陥る雑誌自体の幼稚化にも染まることはなかった。
「染まりようもない」絵柄であり作風だった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-09-12 20:35:50] [修正:2010-09-12 20:35:50] [このレビューのURL]

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