「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

森脇真末味作の漫画ではなくて、「性教育漫画」の女の子バージョンですね。

女の子が主役なので、やはり年相応に恋愛要素が重視されています。
しかし・・・この漫画に登場する「男の子」は憎たらしいですな。女の子をからかう場面なんか特に。
と、感じつつも「でもこういう男子」って何処にでもいたような・・・とも思うのです。
男の子は女の子よりも体格的な成長が遅いのでその分精神的な成長も遅くなる傾向にあるのでしょうか?
ま、勿論個人差はあるでしょうが「自身の未熟さ」に気付けないことはこのくらいの年齢の不幸ではないかと思います。逆にそれにこの年で気付けたなら、後々にかなり違ってくるとも感じます。
その辺りが「柴田」と「田島」との差なんでしょうね。

他の漫画(少女漫画は特に)はもっと「性」に関する問題も作中で取り上げていいと思います。おそらく現実では問題として表面に浮かび上がってくる頃であろうに、作中でその時期を舞台としながらも、それを取り上げる作品は少女漫画であっても少ない。ジャンルとしてもまだまだ未開拓の分野として今後ヒット作を出せるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?。

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[投稿:2010-12-20 23:07:28] [修正:2010-12-31 16:32:56] [このレビューのURL]

古都・鎌倉を舞台にして紡がれる家族・兄弟・仲間たちの物語。
3姉妹が家を出て浮気相手に走った父親の葬儀にて出会った腹違いの妹。
行き場を失くしていた少女を鎌倉の家に迎えることにして、4姉妹の同居が始まる。

・しっかり者の看護師である長女。
・男にすぐ騙されるチャランポランな次女。
・ゲテモノ喰いな三女(笑)。
・登場当初は大人しいと思わせつつ、サッカーを男の子たちと嗜む四女。

鎌倉という土地柄が醸し出す雰囲気を紙面上で再現するこの凄さ!
そこに暮らす人々が抱える様々な悩みを通して家族の有り様・姉妹の絆を映し出す。
江ノ電。寺社仏閣。花。息づく歴史。そして・・・・海。

住んでみたい街ランキングでも常に上位(関東圏)という鎌倉の魅力は正に
「鎌倉版・和風若草物語」の世界である。

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[投稿:2010-12-23 16:06:15] [修正:2010-12-23 16:06:15] [このレビューのURL]

それまでの「柔道漫画」に対する泥臭さや男臭さというイメージを塗り替えた「YAWARA!」と並び比すべき、正に柔道漫画の「NEWウェーブ」。

熱血・クール・チビ・デカ・色モノ(笑)というある意味、「戦隊もの」のキャラを主要メンバーに割り当てて展開される部活動の日々は、爽やかさを前面に押し出した青春ライフ。

ライバル・女子生徒・指導者等の魅力的な脇キャラの数も物凄いことになっており、作者の出世作といってよい。

気楽に部活動をしていた面々が全国大会にまで行くぐらいに急成長を遂げるのはちょっと無理があるところなのだが、全30巻一気に読めてしまうから不思議である。

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[投稿:2010-12-19 08:33:46] [修正:2010-12-19 08:33:46] [このレビューのURL]

「エマ」の森薫先生の新作。相変わらず群を抜いて絵が上手い。
今回も森先生の趣味全開で興味の対象がメイドからシルクロードの遊牧民にシフトしました。

12歳の夫に嫁いだ花嫁はなんと20歳の姉さん女房。
現代で言うならば「小学生の男の子」に「高校生の女の子」が嫁いだようなもの。
草原での暮らしは毎日が平穏・・・で賑やかで家族の関係が強い。
家族関係が希薄になったという日本人とはかけ離れた生活だ。
外の部族から嫁に入った彼女はまだ夫とは性関係は持っていない。

つまり「乙女の嫁」≒「乙嫁」でありました。
8歳の年齢差のある二人が日々の触れ合いから少しずつお互いを慈しむ心を育てていく軌跡。
まだ肉体的に結ばれるには早いけど・・・・・・。その分、心からゆっくりと近付いていくのです。

森先生の趣味≒仕事は正に「好きこそ、ものの上手なりけり」の諺通り(笑)。
エマは「結ばれる(結婚する)まで」。これは「結ばれて(結婚して)から」のお話。

愛はどちらからでも育めるのだと知れる1冊!勿論、「森先生の愛情」もてんこ盛り!

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[投稿:2010-12-18 12:50:02] [修正:2010-12-18 12:50:02] [このレビューのURL]

人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の初作が誕生するまでの秘話。
ファミコン黎明期に初のRPG作品として発売されたドラクエは後のRPG作品に絶大な影響を与えた。

発売元のエニックスに「堀井ゆうじ」「中村光一」「すぎやまこういち」らの才能が結集され、多くの試行錯誤の末にシリーズ化される大ヒットに繋がっていくのだった。

伊豆大島への旅行がドラクエの世界観の構築に繋がったりだとか、
ゲーム音楽に作曲家のすぎやまこういち先生を起用するのは当初は反対意見が多かったとか、後半の展開が単調なので、完成間近の段階でモンスタープログラミングを全部組み直したとか、制作側の苦労が語られている。

「面白いゲームを世に送り出したい」という志がゲーム史上に大きな金字塔を打ち立てたのだと知れます。

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[投稿:2010-12-11 18:41:33] [修正:2010-12-11 18:41:33] [このレビューのURL]

8点 一平

警官・刑事漫画のヒューマンストーリーとしてはこれが頂点ではないかと思う。
ジャンプの某警察官漫画とは比較対象にすらならないシリアスな展開と完成度。
連載雑誌がメジャーでなかった関係からか現在は絶版か・・・・?
絵も巻を重ねるほどに上手くなっていったのだが、登場人物の顔が縦に長く伸びたのが唯一の不満点。
刑事になってからはヒューマンドラマにより一層の磨きがかかり、特に最初に一平が経験した殺人事件は印象的な話だった。
しかし・・・最後のマフィアとの国内での銃撃戦はちょっと無理のある展開だったか。

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[投稿:2010-12-05 17:17:25] [修正:2010-12-05 17:17:25] [このレビューのURL]

大正14年の日本。ドイツではヒトラーが徐々に台頭せんと気を窺っていた頃。

ちょうど日本では学生野球が始まっていた。
パーティの席上で女であることを馬鹿にされた小笠原晶子は、その相手と野球で勝負することを思い付き、女学校のクラスメイトたちに声を掛ける。
が、そもそも「野球」って何?という感じでメンバーはなかなか揃わなかった・・・。

女子野球という設定は珍しくて新鮮。
原作小説の漫画化ということで小説版の挿絵を描いている方とは別の方による作画。
見やすいのだが、所々「描きなれていないな」と感じさせる箇所もあり。

アニメでは巴や胡蝶は「左打者」として描かれていましたが、野球黎明期の大正時代はまだ左打者は少ない模様で、
漫画版では全員が「右打者」として描かれています。

そして、アニメ・原作に比して「圧倒的にギャグ・コメディの要素が強い」のが漫画版の特徴です。
これが何と言うか絶妙!とにかくアニメ・原作以上に各キャラの差別化・個性付けに貢献していて面白いのです。

「大正野球娘。」は原作をベースとしながらも、漫画版・アニメがそれぞれ「独自路線」を進んでいて、
同じ題材でありながらも、それぞれが独立した展開として楽しめるという点で他作品とは異なります。

いよいよ第5巻から本格的に男子チームとの死闘が繰り広げられる模様。
それにしても最初の試合までこんなに引っ張る野球漫画は珍しい。
付け加えて言うならば、主人公のポジションが投手でない漫画も異色です。

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[投稿:2010-12-04 23:42:58] [修正:2010-12-04 23:42:58] [このレビューのURL]

探偵漫画と言えばすぐにでも思い浮かぶのが「金田一」と「コナン」の二作品。
上記の二作品が探偵漫画というジャンルを確立して、一般の人々の間に広く認識させたという点においては確かに功績があったかもしれない。

だが・・・、ネットでの上記二作品の評価はお世辞にも芳しいとは言えない。何故か?。
殺人事件ばかりが毎回のように起こり、そこに子供であるはずの主人公たちが警察を差し置いて割り込んだ挙句の果てに「ゲーム感覚」で事件を解決していく・・・。しかも下手に人気が出たため、無駄に長期化して質を低下させる事態を招いているしね。これでいい評価を受けるはずがないでしょう。

それに比してこの漫画は事件自体は「地味」だ。1巻で主人公が語っているように、「浮気の調査」とか「失踪した人を探し出す」とか「ストーカー退治」とか。推理もある程度は必要なんだが、とにかく根気のいる作業の連続。間違っても主人公が「毎回のように偶然、殺人現場に居合わせて事件に巻き込まれる」などということはない。「コナン」「金田一」での不自然過ぎる展開に拒絶反応が出ていただけに、そういう作風には好感が持てます。

絵も上手い。女性は美しく華やかに描き、逆に男性キャラは個性的に・・・がポリシーなんだろうか?
主人公は「ゲゲゲの鬼太郎」に似ている。作者が水木先生のファンなのかは定かではないが。
コナンや金田一のような「大ヒット」は望めなくとも、悪評が集中することもないと思われるので、総合的に見たら作品としての質はこちらが上だと思います。

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[投稿:2010-12-03 12:02:56] [修正:2010-12-03 12:02:56] [このレビューのURL]

「ハイスクール」の原型と言える中学生編がこれです。

転校生・河川唯が個性的な友人を欲して鬱々とした日々を過ごす中で出会った変人集団「奇面組」と繰り広げられる爆笑な日常を描く。しかし・・・実はこの話自体が唯ちゃんの・・・・というのは「ハイスクール」を最後まで読んだ方のみが分かる秘密。

キャラの名前が全部「駄ジャレ」になっているという点からして面白い。「番組」「色男組」「腕組」「骨組」「御女組」などの名物集団は、どれも方向性が別々でキャラがしっかりと立っているのが特筆。リーダー以外の他メンバーの描き分けもしっかりとなされているし。

絵がまだまだ荒削りだが、ギャグ漫画に有りがちな「すぐ下ネタ」に走って笑いを取ろうとする・・・という姿勢が無いのは好印象。作家としてのレヴェルが高いのと、しっかりとした信念が感じ取れるのは、第1巻の零と唯の出会い時の「個性の尊重」という作品を通して貫かれているテーマからも明らかだ。
千絵ちゃんにお兄さんがいたはずなのに「ハイスクール」では一人っ子になってたり、「取組」「婦組」「ルッ組」などの前述の集団以外のチームが消えてしまうなど「中学生版限定」の描写も多く、整合性が取れていない点から「ああ、やっぱりギャグ漫画なんだ」と思ったり。


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[投稿:2010-11-27 20:39:26] [修正:2010-11-27 20:39:26] [このレビューのURL]

完全版で初めてキチンと最初から読んでいます。

何よりも桂先生による画のクオリティが激高!
漫画界でも「シティ・ハンター」の北条司先生、「ヒカルの碁」の小畑健先生と並んで最高レヴェルでしょう。間違いなく。

そんな桂先生だから、様は問題はストーリーとキャラのみになると思うのです。
主人公の一貴は所謂「普通の高校生」。優柔不断でそれなりにイヤラしくもあり、たまに妄想癖も見せるという平凡な男子。
そんな彼が片想いしているのがクラスメートで学年一の美少女の「伊織ちゃん」。

物語はほとんどこの2人の心が近付いたり、離れたり、勘違いしたり、喧嘩したりすることに絞られています。
なので時間の経過が驚くほど早い展開で、無駄なキャラも登場しないため2人の関係に最初から集中されたストーリーとなっています。
ただ一貴の「優柔不断」さと独りよがりの「勘違い」が多い点は見ててイライラしたことも事実ですが、本気で人を好きになったら「期待」と「不安」から自身を見失うような行動に出てしまうものかとも思いました。

桂先生はジャンプ連載陣の中でも珍しい存在だと思います。
20巻、30巻を超えるような「大ヒット」は1本も持っていないが、「ウイングマン」「電影少女」とこの作品と15巻前後続いた「中ヒット作品」を3本も持っていらっしゃる。他にはそんな方はいらっしゃらないのではないでしょうか?。
原作者を別に付けた「ファンタジー作品」なんてのも読んでみたいと思わせる方です。

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[投稿:2010-11-27 14:22:08] [修正:2010-11-27 14:22:08] [このレビューのURL]