「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

演劇漫画。
素で迫真の演技が出来る高校生「夜凪景」はオーディションでその天性の資質の片鱗を見せるも、不合格だった。

年端もいかない弟妹を養うためにもお金を稼ぐ必要があった。
そして天才監督が彼女を見出す。
コミュニケーションの苦手な少女というクセのある主人公は「天才」キャラ。
そして演劇の世界に足を踏み入れていく。
ジャンプで演劇を題材にするのはかなり珍しく、普通ならすぐに打ち切りになりそうだが・・・化けた模様。
原作者と作画が分れているのも良かったのかもしれない。
題材故か「文字量が多く、漫画にしては小説に近い印象」。

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[投稿:2020-04-02 21:30:40] [修正:2020-04-02 21:30:40] [このレビューのURL]

昭和天皇の一代記。
祖父は明治天皇。父親は大正天皇。その嫡男として生を受ける。他に弟が二人いたが、嫡男として一線を引かれ、
幼い頃から帝王学を教えられる。

乃木大将・東郷元帥といった歴史の偉人から薫陶を受けて育つが、母親は弟たちを溺愛し側近は「臣下」。
本心を曝け出せる親友を持つことすら叶わなかった。
唯一、心を開けたのは養育係の女性「足立タカ」のみ。
だが、そのタカも成長するにつれお傍から外されようとしていた・・・・。
臣下を、そして国民をわが子のように慈しむことが出来る者こそが真の君主たるものである。
英明なる君主が歴史の動乱に立ち向かうべくおぼつかぬ足取りで自らの運命を掴み取ろうとしていた・・・・。

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[投稿:2019-07-07 21:57:54] [修正:2019-07-07 21:57:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

日本では馴染みの薄い「フス戦争」を題材にした物語が遂に完結しました。
シャールカたちの戦争継続反対の声も掻き消され、遂に最後の戦いに赴く面々ですが形勢不利は明らか。
事前に降伏を勧められても拒否し、滅亡への道を進み続ける。
シャールカもそんな仲間たちに殉じて共に戦い玉砕しようとしますが・・・・・。

長きに渡ったフス戦争も集結し、新しい流れが起きます。
但し、それは「和平への道」ではなく、新しい勢力による新たな争いの道と言った方が正しいでしょう。
シャールカと共に長きに渡って戦ってきた仲間たちも命を落とし、生存できた人間は片手で数えるほどしかいません。
結局、「ヤン・ジェシカ」が掲げていた大義は実現できなかったのでしょうか?
九死に一生を得て戦場を脱出したシャールカはヨハンの元に残してきた愛娘・クラーラと十数年ぶりに再会を果たし、物語の幕は引かれます。
思えば物語の開始早々に家族を皆殺しにされ、強姦され、悲しみの淵に沈む暇さえなく戦いに身を投じねばならなかった少女・シャールカ。
多くの悲劇を乗り越え経験した果てにようやく離れ離れだった娘と再会できるのはせめてもの慰めでしょう。
そもそも漫画作品で主人公が妊娠・出産を経験する作品は一部のレディース向け作品を除いて「まず有り得ない」ことであり、大河ドラマのラストシーンとしても極めて異色である本作です。
娘・クラーラは少女時代のシャールカによく似た美しい少女に成長しました。
父親のヨハンの伝手でクラーラが貴族と結婚出来れば、シャールカが孫をその手に抱くことも叶いそうです。
最終巻の年齢はシャールカ30歳、ヨハン31歳、クラーラ15歳。
当時は平均寿命が短く、20歳まで生きた人でも45歳くらいが平均寿命になります。
シャールカもこれからは壮年を経て晩年に至るのでしょうが、家族と共にどうか平穏な後半生を送って欲しい、
そんなことを願わずにはいられない物語の帰結でありました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-06-12 17:05:14] [修正:2019-06-12 17:05:14] [このレビューのURL]

温泉街として草津などと並んで有名な静岡県の熱海を舞台にした物語。
クリーニング店を営む女主人とその周辺の人々とのエピソード。
単なる人情とお色気の話かと思いきやさにあらず。

女店主は二年より前の記憶がない。それまでは熱海におらず身寄りも親族も不明。
この設定がひとつの大きな伏線として物語を牽引していくと思われます。
絵は見やすく温泉街故に裸もそれなりに多い(笑)。
ぜひ長期連載していただきたい!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-06-04 19:33:46] [修正:2019-06-04 19:33:46] [このレビューのURL]

女子高生同士が周囲に隠れて恋人同士の所謂「秘密の百合」。
片や長身美少女。片や巨乳ツンデレ美少女。

周囲にバレないように恋人関係を続ける二人は大っぴらにイチャイチャ出来ないのがもどかしい。
「重要な場面で邪魔が入る」というのがコンセプトらしい。
つまり、読者も主人公カップル二人と共にヤキモキして下さいということです。
肉体関係を結ぶのはいつになりますやら。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-06-04 18:29:33] [修正:2019-06-04 18:29:33] [このレビューのURL]

セーラー服に憧れて女子中学校を受験して合格した明日(あけび)ちゃんの日常を描く。
スタート時点では小学六年生なのですが、田舎の過疎地域のような舞台から徒歩通学で行ける範囲で名門女子中学校があるの?

お母さんの母校に入学することになった明日ちゃんは初めて同年代の女の子たちとお友達になり、
キラキラが詰まった青春時代の幕開けなのです!

とにかく「女の子の動作・仕草」にこれでもかと言うほど拘って描写しており、
ひとつの動作を数ページに渡って描写することもままあります。

「女の子」に生まれているっていうだけで「特別」なんだって!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-09-27 21:20:36] [修正:2017-09-27 21:20:36] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「ジャンプ改」が廃刊になり、掲載を白泉社の「Melody」に移しての仕切り直しになります。少年漫画雑誌から少女漫画雑誌に移籍したという点がポイント。演劇を題材とした青春物語として横断性のある内容だということです。

前2巻でダブルヒロインが「紅華音楽学校」へ入学する経緯と出会いから対立を経て仲直りし、友人となりました。

予科生は季節が夏に移っても講義ばかりの毎日。みんな退屈している。
渡辺さらさの提案で演劇の実習を組み込むことになり、Aクラス20名は4人ずつ5チームに分かれての発表会に向けての特訓になります。

未だその実力が知れない「渡辺さらさ」ですが、奈良田愛他のクラスメイトたちはやはり何かにつけてさらさの事が気になって仕方ない。

授業外でチームはそれぞれ時間を見付けて練習を重ねなければならず、場所取りと時間にどのチームも苦労します。
その間にチーム内で姿勢・方針を巡って対立したりもあって前途多難な船出。
けれど困難を乗り越えて女の子たちは突き進むのがこの作品です。

1巻の4話目でいよいよ演技の発表に移る。今までクラスメイトたちが一様に感じていた「さらさに対する目を離すことができない感情」。
その理由が明らかになる。
他のメンバーが初めての演技で緊張から失敗を繰り返す中、ティボルト役のさらさは憑依能力により、完全に役柄を再現。
教師・クラスメイトたちの度肝を抜いた。
100年の歴史を持つ歌劇団の中にあっても非常に希な能力であることを認める先生。しかし、それは「諸刃の剣」でもあった。
さらさの事を格下と思っていたクラスメイトたちの多くが恐怖を抱いたはず。

そして何人かはさらさが「同期中で唯一の天才」であることにも気が付いたはずだ。
天才の才能を目の当たりにしたとき、優秀・優秀と言われて入学を許された自分たちが「所詮は秀才レベルに過ぎない」ことを知り愕然としただろう。

少なくとも今後はクラスメイトたちのさらさを見る視線は変わるはずである。
今後の展開に期待大である。


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[投稿:2016-04-18 22:38:40] [修正:2016-04-18 22:38:40] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

百年の伝統を誇る超名門の「紅華歌劇団」。毎年1,000人を超える女の子が受験して合格者は40名という狭き門。
元アイドルの奈良田愛はその狭き門を突破して40名中22番の成績で合格する。
記念すべき第100期生に名を連ねたのである。

だが、この年。最終合格者の第40番目の最後の席を獲得したとんでもない女の子がいた。
初対面であまりにも目立つ178センチの長身。カモシカを思わせる長い手足。卓越した運動神経。
歌も踊りもまだ未熟でこれまでの歌劇団の選考規定であったならば落選していたであろう規格外の存在。
そして何もよりも印象的なのは緊張など無縁で、選考の面接で審査員を驚かせた「星の煌きを宿す瞳」である。
その少女「渡辺さらさ」はそのスター性のみを評価されて入学を許されたといって良かった。

当然に全国から集まり厳しい審査を通過した他の39名のクラスメイト達は奇異と戸惑いの視線を彼女に向ける。
楽器も弾けず、基本的な音楽の知識もない、さりとて入学に繋がるような縁故もない彼女が何故試験を突破できたのか?
同級生たちですら首を傾げるのだった。

入学後も型に嵌らない彼女の存在は次々と騒動の火種となっていく。
とある理由からアイドルグループを辞めさせられ、行き場をなくしていた愛にとってもさらさは理解不能な存在だった。
クラスメイトたちは共に学ぶ学友であると同時に将来の職場で役柄を争う好敵手でもあるのだ。
・三代続けて音楽学校入学を果たしたサラブレッド。
・バレエの名手で海外への留学の話を蹴ってまで歌劇学校に入学した優等生。
・昨年も受験したが双子の妹が不合格だったので再受験の末に姉妹で合格した双子。
その他にも地元では才女として知られていた娘や幼い頃に劇団に所属して子役として活躍していたなど多彩なメンバーであった。

そのクラスメイトたちが何故かいつもさらさを気にしていることを当の本人たちは気が付いていない。
そしてそれは「愛も例外ではなかった」。
それは時に反発し驚嘆する出来事の連なり。
星の煌きを瞳に宿す太陽のようなヒロインの物語。
みんなみんな「太陽がまぶしかった!」

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[投稿:2016-04-16 22:58:54] [修正:2016-04-16 22:58:54] [このレビューのURL]

自衛隊が突如、東京の銀座に開いた異界からの軍隊と戦いつつ、異界と東京を結ぶ「門」をくぐって異界に侵攻し、多くの住民を助けていく。
過去作品で自衛隊が登場する作品は大体「過去へのタイムスリップ」ものだったように思う。
それだと、最初は強くて無敵の自衛隊も弾薬やガソリンが尽きると無力化してしまうという「弱体化」という問題が避けられず、終盤に失速する危険があった。

この作品は「門」で現在日本と繋がっているため、常に日本政府からのバックアップを受けて補給線が途切れないので主人公側の強さが続くのがいい。
敵側は中世的な軍隊・世界観のため「圧倒的な力を持つ龍」を除いては対抗しようがない。

作風としては「虐殺」「強姦」などの描写も出てくるので、そういった世界観の中に自衛隊員が同じ絵の中で並ぶのは本来違和感がある。
しかし、そんな世界観にあっても現地の民衆を助ける行為は「自衛隊の職務そのもの」であり、そういった行為の数々で人々から信頼を徐々に得ていくのは良い。

初巻はプロローグ的に「主要登場人物」が揃い、政治的な背景が語られる。原作は未読で不明だが、結構強引な冒頭の導入部だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-06 05:51:02] [修正:2016-02-06 05:51:02] [このレビューのURL]

1985年の名古屋近郊を舞台にした小学生の少女の日常を描いた作品。

主人公の家村優子は小学六年生の女の子。元気でちょっとおバカ。
家族は両親と父方の祖父母と双子の弟と妹の7人家族。

父親がやたらとサボテン好きで家中がサボテンだらけという家庭。
そろそろ年齢的に思春期の入口に立つ優子だが・・・・毎日は騒々しく、優子自身は「色気より食い気」。

作品の端々から漂う「昭和の香り」が目立つが、昭和はもう後3年ほどしかないのである。
平成という世の節目は世間的には「バブルの崩壊」という事件があった。

ちょうど時代は好景気に沸き立ちバブルの崩壊から日本は「失われた20年」へと長い冬の時代へ突入する。
けれど作品にそんな気配は微塵も見られない。

ホームドラマと少女の成長に時代がどう合うか見届けたい作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-01-03 23:11:52] [修正:2015-01-03 23:11:52] [このレビューのURL]