「臼井健士」さんのページ
- ユーザ情報
- 1975年生まれ(性別:男性)
- Webサイト
- http://xconrmi.seesaa.net/?1276940820
- アクセス数
- 425999
- 自己紹介
- ---

10点 動物のお医者さん
下手したら「お涙頂戴的なお話」になりがちな動物ものをコメディ風に味付けした点を評価。
個性的な登場人物に加え、少女漫画扱いにもかかわらず「恋愛要素なし」という徹底さ(笑)。
主人公が一番「普通の人」でやや目立たない。
設定を考えたらエンドレスで(登場人物が年をとらない)永遠にも続けられそうな感じもしたが、意外なほどアッサリ終了させた潔さ。
この漫画でハスキー犬がブームになったそうだが、無責任な人間が犬を飼い始めて途中で捨てる・・・・という事件もおそらくはあったのだと思う。「熱しやすく、冷め易い」ブームの際の日本人の特徴は絶対に出てはいけないパターンと認識しておかなければいけないと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-06-27 11:01:52] [修正:2010-06-27 11:01:52] [このレビューのURL]
5点 獣王星
樹先生の作品はどれも少女漫画とは言えないようなスケールの大きな作品が多くて、男性でも読みやすいことは確かなんですが・・・
どうもこの作品はスッキリしない。
人類が宇宙へと進出して幾星霜の月日が流れた時代。
政争に巻き込まれたことで両親を殺された双子の兄弟が流刑として未開の惑星に落とされるところから物語は始まる。
怪物が蔓延り、食料すらまともに無いような環境で幼い子供が生き延びることは難しく、主人公の双子の弟はすぐに死んでしまう。
家族の復讐を誓って成長する主人公だが、過酷な環境の中でやがて支持者を集めていきボスとして君臨していく。
星の最高権力者「獣王」となることが、母星の最高権力者と出会う唯一の道・・・と知っての行動だったが、隠された真実はそんな期待を裏切って・・・・・
双子の弟の死・ティズの死はやっぱり失敗だったのではないだろうか?
連載期間が中断をたびたび挟んだせいもあって、作品自体がブツ切りの印象が拭えず、滅亡は回避したものの幸せなラストとは言い難い。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-27 10:57:17] [修正:2010-06-27 10:57:17] [このレビューのURL]
9点 ARIA
水の惑星となった未来の火星を舞台に、
地球からゴンドラ漕ぎとなるべく1人やって来た少女の日常を描く
「AQUA(水)」の続編とも言うべき新シリーズ。
まず驚くべくは「恐ろしいまでの絵の美麗さ」。建物・空・水にそれが顕著!
イタリアのベネチアというモデルはあるものの、これほどまでに繊細な筆で、
かつてベネチアの水上都市と、そこに暮らす人々の日常を紙面上に再現することが出来た作家はいなかった!
前作「AQUA」でもその絵の美麗さは際立っていたが、新シリーズに移行して
それにさらに磨きが掛かったのがスゴイ。
まるで異国の地に足を踏み入れ、自身がそこに滞在して共に日常生活を営んだかのような
錯覚に読者を陥らせるのはあたかも「作者の振る杖で魔法に掛けられるが如し」。
ストーリーは少女の日常と時に起こる火星のイベント・不思議な生き物たちとの交流と、
争いなどとは無縁な(主に)3人の少女たちの成長物語である。
永遠に続くと思われた楽しい日々・・・・。
が、それも終わる日が必ず来る・・・・・・・。
灯里がそのことを自身の成長と共に意識したそのとき!
読者も彼女と同じ目線で「人生における出会いと別れの意味」を
読前よりも成長した心を以って受け止められることだろう。
「アリア(詠唱)流れるとき、水(アクア)満ちて、全ての人の心、優しさに包まれる」
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-27 10:52:50] [修正:2010-06-27 10:52:50] [このレビューのURL]
10点 MASTERキートン
現時点では浦沢作品で最高傑作だと思います。唯一無二の考古学アクションとしても最高の評価を付けたい。
どんな時にも諦めず、勇気を持って行動するキートンの姿から、人を守るのに必要なのは決して「お金」や「権力」ではないのだと知る。原作者が別にいらっしゃるようだが、浦沢先生の画があってこそだろう。読んで、歴史・地理・政治・文化・経済に至るまで学べてしまう、こんな贅沢な漫画を私は他に知らない。
「MASTER」とは「達人」という意味と捉えているが、キートンこそ人の世の楽しみ方を知っている「人生の達人」ではないだろうか。
ひとつ疑問。チャーリーだが・・・初登場の時と再登場の時とキートンに対する態度が違いすぎないか?
何かあったのだろうか?
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-20 11:08:09] [修正:2010-06-20 11:08:09] [このレビューのURL]
10点 風の谷のナウシカ
「映画版」が触り程度でしかなかったということを教えてくれる、映画よりも遥かに重いテーマを孕んだ「ナウシカの漫画版」。
恐るべきまでの「世界観」の構築に驚嘆の声が止まる事を知らぬだろう。
「ユーラシア大陸」で全ての事件が展開されていたことを初めて知った!
「ナウシカ」を知る人間は大きく分けて3タイプに分かれると思う。
すなわち、
・「映画版」しか観ていない。
・「漫画」しか観ていない。
・「映画」も「漫画」も観ている。
最も多いのが「映画のみ」で、最も少ないのが「漫画のみ」であろうことは容易に想像が付く。
アニメ映画の世界観が「やや分かりにくい」なとど思っていたが、漫画の複雑さと比較すれば映画は「全くもって一般向き」「間口の広い」作品であることが理解できた。
アニメと漫画の大きな違いは、
ナウシカとクシャナ・クロトアとの関係だろう。
アニメではトルメキア軍がナウシカの父を殺害してしまったことになっている(漫画では「病死」)ので、ナウシカが彼らに憎しみにも似た感情を抱いてしまい、本心からの相互理解が不可能な状況に追い込まれてしまったが、漫画では物語の大半で行動を共にするため特にクシャナ・クロトア側からの「ナウシカへの歩み寄り」が顕著。
両者共にナウシカから受ける影響で当初の「侵略者的な行動」は薄まり、苦難を共に乗り切る過程で「戦友」にも似た感情が生まれていくこととなる。
「腐海」「瘴気」「蟲」「王蟲(オーム)」「巨神兵」はナウシカの世界観を象徴する5大キーワードだと思う。
「滅亡」と「再生」。
「生」と「死」。
「光」と「闇」。
「進化」と「退廃」。
繰り返して示される背反する「2つの言葉の数々」が、浮かび挙げる「人間の業」。
そしてそれら全てを飲み込む形で存在する世界「地球」が、下す「審判の行方」。
「神によって与えられる未来」ではなく、「自らの手によって選び取る未来」を選んだナウシカたちの行く手に広がるのは「殺戮の荒野」か?それとも「豊穣なる恵の大地」か?
「審判」は未だ下されぬのだ。
とにかく1巻・1巻のボリュームが有り過ぎ。
並みの単行本の倍の時間が読み終えるのに掛かる。
不満は「恋愛的な要素」は全くというほど無かったことか。
アスベルともほとんど「別行動」となるのと、事態が急展開するため「それどころではなく」、ロミオとジュリエットにすらならない。
ま、作品の「本来のテーマ」とは外れた部分なので、枝葉のことではあるが。
最強剣士「ユパ」の死も意外だった。しかも部族同士の諍いの巻き沿いだしなあ・・・惜しい人物を失ってしまった・・・。
「漫画版」を読んだ後では「アニメ版」は「ナウシカアイドル化」のための「プロモーション作品」か?という邪推さえ浮かんでしまう問題作。
衝撃に全身を貫かれた証拠として「10点」評を献上させていただきます。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-06-20 11:05:16] [修正:2010-06-20 11:05:16] [このレビューのURL]
8点 君に届け
近年の少女漫画部門の話題作。読んでみて分かる主人公カップルの純愛ストーリー。
同じマーガレット連載されていた桃森ミヨシ先生の「ハツカレ」に似た雰囲気で、もっと嫌がらせとか恋敵とか不良ッポイ友人とか、
現実にありそうなエッセンスを注入した「綺麗ごとだけ」ではないラブ・ストーリー。
黒沼爽子は高校1年生の女子。地味で大人しいのだが、市松人形のような外観が小学校・中学校を経ていくうちに
「霊感がある」「幽霊が見える」「目を合わせると災いが振りかかる」等のあらぬ噂を呼び、クラス内でも孤立気味。浮いた存在だった。
仇名は「貞子」。ホラー映画の登場人物から取られていた。
そんな彼女が憧れているのがクラスメイトの男子・風早君。爽やかで嫌味がなくて面倒見がよくてクラスメイトから信頼されていて・・・・。
自分には眩しい存在。他のクラスメイトとは違って自分に対しても普通に接してくれる。
クラスメイトともっと仲良くしたい、普通に接して欲しいと願う爽子は風早の助言から
普通なら絶対に友達にならないだあろう「吉田」「矢野」の女子2名と親しくなることができた。
自分に対する周囲の誤解の視線を打ち破るには、たとえ弱くとも自ら最初の1歩を踏み込むことが必要。
自分から働きかけねば状況は変わらないのだ。
内気な爽子にとってはそれは「他人が想像する以上に困難な行動」であったはずだ。
失敗したら・・・今よりももっと誤解されたら・・・嫌われたら・・・・・迷いが交錯して止まなかったはず。
だが、その恐怖心以上に爽子の「誤解を解きたい」「みんなと仲良くしたい」気持ちは強かった!
背中を押したのは確かに風早だったかもしれない。
だけど、最終的に勇気を出して1歩踏み出したのは爽子自身。
爽子が自ら「変わろう!自分の殻を破ろう!」とした気持ちが周囲の人間に伝わったからこその
変化であったことを忘れてはならない。
爽子が1歩譲ったことを認めたからこそ、クラスメイトや周囲の人たちも爽子に対して誤解の視線があったことを認めた。
人は時に何の自らの変化も為さずして、周囲が自分に都合のいいように変わってくれないことを嘆いたり恨んだりする。
けれど、それでは「真の相互理解」は有り得ない。所詮は赤の他人同士。真の理解など最初からないのだと突っぱねるのは容易い。
人は他人の非を責めるのは簡単でも、他人の罪を許すことには不器用な生き物だと思うから。
まず自らが変わること。次は変わった(自らの過ちを認めて、良くなった)者を評価してあげること。
他者の罪だけを責めて、それを償う機会を与えてあげないのは「片手落ち」である。
最初から「無条件で評価してもらえる」という甘えを捨てること。
風早を好きな女子、胡桃沢梅は爽子に言う。
「何の苦労もなく風早の周りにいるあんたなんて嫌い」と。
梅も孤独だった。自分の周囲に群がる女子は自分を利用しようとする子ばかり。
中学時代はひとり教室で涙を流す日もあった・・・・・・。
だから打算なく自分を見てくれる風早を好きになった。
けれど彼女は知らなかった。
「(周囲の勝手な誤解や思い込みの視線に)歯を食いしばっていたのは自分だけではなかったこと」を。
爽子は泣きこそしなかったかもしれないが、心は誤解に傷付いて血を流し続けていた・・・・。
それを彼女が知ったとき、2人の間に「同じ男を好きになった」縁が
「親友への道」を一直線に切り拓かせるような気がするのが「最新第10巻の引き」です。
梅の目の前に打算なく自分を見てくれる女の子が初めて現れた。
梅の中学時代の笑顔はいつの間にか「作り笑い」に変わっていた。
信じていた女子たちに裏切られて一度は失ってしまった「心からの笑顔」。
それを取り戻させてくれる予感がする。鍵を握っているのは「恋敵」。
自分が憧れて止まなかった「風早の隣」を自分の場所とした女・・・・。
「恋敵の変化」を認めること。それが最後の一山のような気がする。
爽子は梅を受け入れる準備は出来ている。
梅が1歩譲ったとき、最大の恋敵は最高の味方に変化する。そんな予感がする。
続きは本編で。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-19 18:42:56] [修正:2010-06-19 18:42:56] [このレビューのURL]
3点 オトメン
白泉社の漫画雑誌で連載されている作品は、少女マンガに位置しながら「男子が主人公」のものも多い。
少女マンガで男子が主役って、「りぼん」とか「ちゃお」とかではかなり異端というか、
有り得ないくらいの設定になってしまうのだけれど、「花とゆめ」や「LaLa」では普通。
つまりその分、男性が読んでも読みやすい作品というか、共感しやすい作品が多いのだとも言える。
そんな中、昨今増えている漫画のジャンルに
・「女の子っポイ男の子・女装する男の子」をテーマにした作品というのがある。
このジャンルはここ数年で急速に広まったジャンルで、「オトメン」もこのジャンルの作品に位置していると
考えていいだろう。
それで、このジャンルの作品を描く上で予想できるのは、「主人公が周囲の人たちに比して異端」と扱われ、
軋轢や対立、さらには精神の「女性」と肉体の「男性」という相反する性に葛藤したり苦しんだりするという展開。
普通に真っ当に描けば、この問題を避けて通ることは出来ないはずだ。
しかし、多くの作品群は上記をしっかりと描いてはいない。
なぜか皆「女装や精神的な女性部分が周囲の人たちに違和感なく受け入れられてしまうというコメディ調の展開」に終始してしまう。
出る作品、出る作品なぜか皆同じである。
それは、真剣に上記の課題を描こうとすると、どうしても展開が重苦しくなり、とても読み続けられないことが予想されるからであろう。
だから、皆それを避けようとする。そうすると必然的に雰囲気・展開がコメディ調になり、軽く読み流せる半面底が浅く、物語に深みがなくなる。
よって長期連載できるほどお話が続けられず、短命に終わるという結末。
この漫画の主人公男子「正宗飛鳥」も料理や家事が得意という女性のような面と、外面の男らしさとのギャップに苦しむ姿は一応は描かれている。
だが・・・・描き方がどうにも軽いというか、やはり「コメディ寄りの苦しみ方」(表現の底が浅い)のような気がしてならない。
しかも年齢が高校生に達しているので、思春期は既に過ぎて精神的には既に一山も二山も越えてしまっているような印象を受けるのが難点。
このテーマで描くならば年齢設定は「中学生」が妥当だと思う。高校生だと歳をとり過ぎ。
後、絵柄もやはり「コメディ系の絵柄」だと思いますね。シリアス展開させようとしても絵とミスマッチのように感じました。
ドラマ化されたのに全然当たらなかったという訳が分かるような気がします。
主人公は「精神的に女性な男子」ではなく「少女趣味の男子」です。
男らしく!などと思う必要もなく、精神的には8割以上男子。女性部分は2割くらいでしょう。
これがもし逆なら全然違う雰囲気の作品になっていたはず。読みたいのはむしろそちらのほうです。残念でした。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-19 18:41:12] [修正:2010-06-19 18:41:12] [このレビューのURL]
10点 っポイ!
「LaLa」の看板作品のひとつ・・・だったのだが、なんか作者が編集部と喧嘩して雑誌を飛び出してしまい、同じ白泉社発行の姉妹雑誌「メロディ」に移った。メロディのほうは棚から牡丹餅(笑)
それにしても息の長い作品。作中では中学3年生の後半部分しか描かれていないのに、巻数では軽く20巻を超えるほどの長期連載に。初期の頃は男の子2人の青春漫画といった感じだったのだが、「神様ヘルプ」辺りから現代社会に生きる子供たちの抱える(大人たちもか)様々な問題をもテーマに盛り込むようになった。
巻を重ねるごとに登場人物も増え、ちょっと描き分けができなくなっているような感じもしないでもない。人気も初期の頃はドラマ化なんかもされていたはずだが、最近は連載も中断していたりで停滞ぎみ。
ただ最終到達地点は「中学卒業」と判っているので、ようやくゴールが見えてきた。
コミックスの巻末オマケ漫画「主役っポイ!」も毎回面白いのだが、ひとつだけ疑問。
9巻に登場して平に告白した下級生・来須だけ「主役っポイ!」に全く出てきてない。
作者も存在を忘れているのでは?
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-19 00:12:45] [修正:2010-06-19 00:12:45] [このレビューのURL]
7点 ラフ
綺麗にまとまっている、あだち先生のスポーツ&恋愛の青春漫画。
題材に「水泳」を選んでいる点が珍しいと思います。他作品では滅多に見ない。
理由は競技のシーンが見せにくいからだと思います。実際に競技シーンだけだったら同級生の緒方がやっている野球のほうが成り立っていると思うし。(←流石、あだち作品。主人公が野球をやっていなくても「試合のシーン」が出てくるのですね・・・・)
ヒロインも飛び込みをやってて、水着シーンを問題なく描けるからかも・・・なんてことも思いましたけれどね(笑)
自分が読んだあだち作品中では緒方を筆頭として最も「脇キャラ」に魅力があった。
本来なら二ノ宮を巡る恋のライヴァル・・・ということで「足の引っ張り合い」をしたっておかしくはないのに、そんなギスギスした雰囲気とは無縁。
作中において時間が経過していく中で、二ノ宮の気持ちが大和にあることをそれぞれが薄々感じ取ってからは、影ながら2人の仲を応援し祝福するような「仲間」となるのはとても良かった。
大和の真のライヴァルは二ノ宮の幼馴染であり、水泳でも大和の「憧れの人」。
だからこそ「溺れた二ノ宮を助けられたとき」大和は二重の意味で愕然としたのだった。
そんなライヴァルが事故にあって選手生命の危機が叫ばれる中、大和は虚脱感に襲われ、二ノ宮は事故を自身の責任と感じて2人の間で板挟みとなって苦しむ。
水泳でも恋でも「不戦勝」では納得のいかない大和。
だが、事故から脅威の復活を遂げたライヴァルもその気持ちは同じだった。
いざ対決の日を迎えて・・・・試合の結末を読者に委ねたような形で物語の幕は降りる。
「大和」の勝ちと思うのは早計。私は「お兄ちゃんの執念」に大和が破れる展開もありだと思う。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-19 00:10:43] [修正:2010-06-19 00:10:43] [このレビューのURL]
8点 ふたつのスピカ
乙女座のα星、通称「スピカ」は高速で回転し合う2つの星「連星」の総称。
地球から350光年は離れているという、その美しい輝きは対となる存在があってこそ生み出すことのできたものだった。
人類が本格的に宇宙へと進出しようとしていた二十一世紀初頭。
日本初の有人宇宙探査ロケット「獅子号」が打ち上げに失敗して墜落、炎上して多数の犠牲者を出すという痛ましい事故が起こる。
事故で母親を失った少女・アスミはなぜかその事故で亡くなったロケットのパイロットの1人が幽霊となって現場近辺を彷徨っているのを診付ける事ができた。
元・獅子号建設の技師だった父を持つアスミは成長するにしたがって「宇宙飛行士になりたい」という夢をより強い想いで抱く。
宇宙という未知の空間にあっては体力勝負・・・になることは素人考えでも想像が付く。それなのにアスミの身体は同級生の他の誰よりも小さいときていた。
どうみてもハンデを背負っている彼女が、宇宙学校に入学し多くの困難を持ち前の根性と努力で乗り越え、仲間たちと宇宙を目指していく。
多くの登場人物たちの心を囚われの身としているのは、やはり「獅子号墜落事故」。
このお話の数々の問題の源流を辿って行くと必ずぶつかる「物語の原点」。
だが、今も現世を彷徨う当事者であるはずの「ライオンさん」はその事について「黙して語ろうとはしなかった」・・・・・。
地球から見える星の明るさは均等ではない。
最も明るく見える星が「一等星」。二等星・三等星と明るさが落ちて、最も暗く見える星が「六等星」と振り分けられている。
本当は他のどの星よりも強い輝きを放っているかもしれないのに距離が遠いゆえに「暗い星」と思われているものが無数にある。
「六等星の少女」が「一等星の輝きを放つまでの物語」ですよ。これは。
「真の一等星」を見分ける目が切望される。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-19 00:07:25] [修正:2010-06-19 00:07:25] [このレビューのURL]
月別のレビュー表示
- 月指定なし
- 2010年06月 - 32件
- 2010年07月 - 51件
- 2010年09月 - 12件
- 2010年10月 - 2件
- 2010年11月 - 33件
- 2010年12月 - 48件
- 2011年01月 - 3件
- 2011年02月 - 2件
- 2011年04月 - 5件
- 2011年06月 - 2件
- 2011年07月 - 1件
- 2011年08月 - 1件
- 2011年10月 - 8件
- 2011年11月 - 4件
- 2011年12月 - 4件
- 2012年01月 - 76件
- 2012年02月 - 6件
- 2012年03月 - 24件
- 2012年04月 - 2件
- 2012年05月 - 1件
- 2012年06月 - 2件
- 2012年08月 - 9件
- 2012年09月 - 1件
- 2012年11月 - 2件
- 2013年01月 - 1件
- 2013年05月 - 2件
- 2013年06月 - 5件
- 2013年07月 - 4件
- 2013年08月 - 23件
- 2013年09月 - 1件
- 2013年10月 - 6件
- 2013年11月 - 2件
- 2014年01月 - 1件
- 2014年03月 - 1件
- 2014年08月 - 2件
- 2015年01月 - 2件
- 2015年09月 - 2件
- 2016年02月 - 2件
- 2016年04月 - 2件
- 2016年08月 - 2件
- 2016年12月 - 2件
- 2017年07月 - 2件
- 2017年09月 - 2件
- 2019年05月 - 2件
- 2019年06月 - 10件
- 2019年07月 - 1件
- 2019年11月 - 1件
- 2019年12月 - 1件
- 2020年04月 - 2件
- 2021年07月 - 4件
- 2022年05月 - 22件
- 2023年03月 - 1件