「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

いわゆる「硬派の喧嘩漫画」なのだが、迫力のある描写で月刊誌掲載ながら長期連載になった。
等身大のヒーロー「速水」と渋い大人の男「鷹山」のコンビも小気味良い。
横浜のフェミニスト・竜崎も加わり三者三様のキャラ立てが出来た。
速水の決めゼリフ「お前にはできないかもしれない・・・」は嫌味を感じさせない。
ところで・・・「殴り屋」。ホントに裏の職業としてありそうですね。

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[投稿:2010-07-03 09:24:12] [修正:2010-07-03 09:24:12] [このレビューのURL]

「りぼん」一筋の連載でな・な・なんと!コミックス30巻という「別格」漫画。

吸血鬼や狼女が登場するファンタジーにコメディ要素を加えた下地に、少女漫画的な恋愛と若干のシリアス要素を上手く組み込んで「りぼん」最大のヒット作の地位を手に入れた。

話は大きく分けて三部。初代主人公・蘭世。二代目主人公で蘭世の弟の恋人・なるみ。三代目主人公で蘭世の娘・愛良。話のスケールが一番大きかったのは第1部で、2部は学園もの。そして3部はなんと「魔法少女もの」と時代に合わせて(笑)、作風を変えてきた。
しかし、オーソドックスな設定の多い「りぼん」連載の作品の中で1部はやはり異色の存在。
基本的に敵も味方もみんな「いい人」という展開は・・・・どうかと思う部分もあるのだが、女の子が読者ということを考えれば無難な展開ではあるかと思う。
3部に入る頃には流石に往年の勢いは無くなってきている・・・が、そこはやはり「この作品」らしく最後は大団円で終わらせている。
しかし、設定上で少し苦しいのは主人公一家が基本的には不死身で不死だということ。その恋の相手が人間だったら・・・・片方は生きてもう片方はいずれは死ぬ・・・ということになってハッピーエンドは有り得なくなってしまう。この設定は作品の長所であり、大きな「足枷」になった部分もあったのではないかなと。
それに・・・不老不死なんて設定として不幸だと思う。永遠の時があるなんて・・・堕落するだけのような。

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[投稿:2010-07-03 09:17:39] [修正:2010-07-03 09:17:39] [このレビューのURL]

ロト伝説で大魔王・ゾーマが倒されてから、竜王がアレフガルドを支配するまでの空白期間に地上世界アレフガルドで何があったのかを描いたほぼオリジナルストーリー。

ガンガン創刊時の目玉連載だが、後にガンガンを共に支えることになった「ハーメルン」「パプア」「グルグル」らはいずれも初連載の新人作家だったため、最初はいい雰囲気でも長期に連載が続くと「初めて故」の作家としての底の浅さが隠せず、広げた風呂敷を上手く包み込めないまま終わった印象がいずれも強い。

カムイ先生は唯一、ガンガンが育てた作家ではなく他から連れてきた一応キャリアのある方だった。
その点でやはり他の方と比較しても画力にしても構成力にしても見せ方にしても抜きん出ている。
ドラクエ漫画はこれと「ダイの大冒険」が双璧だと思うが、月刊誌連載だったこともあって巻数では「ダイの大冒険」の半分程度だが、面白さでは甲乙付け難い。

山場はやはりアレフガルドでの獣王・グノン率いる数十万の軍団に立ち向かっていく場面。
保身のために勇者を街から追い出そうとする民衆を守るための戦いは、ともすれば「投げやりにさえなりかねない」危ういものだった。四天王と聖戦士たちの対決も苛烈で「死闘」の名に相応しい。

異魔神の強さはドラクエの世界観すら破壊させかねない凄まじいものだった。
何よりも「りゅうせい」(流星・・・つまりはメテオ)が絵的にも威力も凄まじい!
倒せたことが未だに信じられないのだが・・・・・・(笑)。
そして、アステアは・・・・やはり女の子だったのだろうか?

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[投稿:2010-07-03 09:12:58] [修正:2010-07-03 09:12:58] [このレビューのURL]

まず、読む前に誰もが思ったことだろう。
「ドラえもん」+「野球」って、一体どんな漫画だよ???、と。
このサイトの方の多くもおそらくはそうだし、自分もそうだった。

確かに藤子先生の原作「ドラえもん」にも野球のシーンは出てくる。
けれど、原作においてそれをやるのは「ジャイアン」であり「スネ夫」であり「のび太」で、ドラえもん自身が野球をプレイしていたシーンは自分が思い出す限りではなかったはずだ。

つまりドラえもんと野球なんて、原作においては全くと言っていいほど接点のないもので、その2つを融合させて「ひとつの作品」としようなんて通常の発想では思い付かない。それをやったのが「この作品」だ。

しかし、原作はこのサイトでも評価の高い、知らない人を探すほうが難しいくらいの知名度を持った名作。
その世界観を使って「別作品」を描こうなんていろいろな意味で「冒険」だ。
下手したら「原作の知名度を利用して売っている」くらい平気で言われかねないと思う。
そうなったら、おそらくは「作者は一生言われ続けるだろうし」、「編集部もその存在が続く限り叩かれ続けた」ことだろう。
事実、そうなる危険性もあった。

それを回避できたのは、弱小チームが少しずつ強くなっていくという王道的なストーリー。
「ドラえもん」というロボットキャラでありながらも、各キャラの見事な顔の描き分けと性格付け。
そして「普通の野球」に「ドラの世界の秘密道具」を試合に使用できるという独自のルールをプラス。
「友情」「協力」「仲間」という原作と同じキーワードを踏襲しつつ、原作には有り得なかったライヴァルたちとの「対決」と、それに伴うスポーツ漫画ではある意味常識の「熱血」という要素を加えた(むしろ、この2要素が前面に押し出されている)ことにより、「原作とは違う立ち位置」で「もうひとつのドラえもん」として読者に認知されたことにある。

画力も高く、原作とは違った意味で「非常に見やすく、上手い」。
コロコロ連載作品では「歴代でも上位」だろう。
アニメ化されれば・・・「1話完結式のドラ」しか知らない多くのファンに、劇場映画ではないテレビシリーズで「全く違った長編ドラの魅力」を広く認知させることは確実だ。

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[投稿:2010-07-03 09:11:07] [修正:2010-07-03 09:11:07] [このレビューのURL]

前作よりも雰囲気が硬派になったのが何より良い。絵はほぼ完成期に入っていて安定して上手い。
主人公の多喜子が大正時代の人間なので、この漫画の世界観に入ってきても違和感が少ないのもいい。
相変わらず男ばっかりで七星にも敵にも女性が出てこなそうなのが難点だが、美朱と違って多喜子は戦えそうなので「戦い」の悲惨さや辛さを身を以って体験できそうなのには好感。
さらに美朱よりも背景につらいものを背負うことになったので、精神的な成長面でも大きな期待ができる。

こうして見てみると、前作で挙げた欠点を改善してきてるな・・・という印象だ。やはり読者からの指摘が多かったのだろうか?期待を込めて評価は「良い」としたい。今回は第二部とかは勘弁願いたいのだが。

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[投稿:2010-07-03 09:09:14] [修正:2010-07-03 09:09:14] [このレビューのURL]

ボクシング漫画の頂点と言っていい。画力が他の漫画家を大きく引き離している・・・っていうか、ブッちぎりで独走体勢ですな。
ただ長い。長すぎます。今まででもう50巻以上コミックスがあって、一歩もチャンピオンとしてもう長いはずなんだけれど、世界チャンピオンになるまではまず止めないので最終的には何巻になることやら。
こんなに長いのは一歩だけでなく、鷹村とか青木とか宮田とか脇を固めるボクサーが魅力的で、そういったキャラたちの試合も省略せずに全部描こうとしているからですね。
そこをひとつひとつ丁寧に描いていくと、そこからまた世界が広がっていって、さらに詳しく描かなければならなくなる・・・・・(以下、前の行の最初に戻って、延々続く)。

最終回は・・・宮田と一歩の対決になるのではないかとは思うけれど、自分の頭に浮かぶラストページは・・・・防波堤に座って1人で釣りをしている一歩の姿、奥さんである久美ちゃんの昼食に一歩を呼ぶ声に応える・・・・。

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[投稿:2010-07-03 09:05:05] [修正:2010-07-03 09:05:05] [このレビューのURL]

9点 H2

まず最初に「ごめんなさい」です。

読む前は「タッチ」で一度野球を題材にしているのに、また同じ野球の漫画なんか描いて、作者は「自己模倣」でも始めたのか?・・・なんていう先入観が立ってしまいました。

で、読み始めたんだが・・・「タッチ」とは全然違うよ!
何よりも野球が完全に話の中心となった。タッチでは恋愛がメインで野球はあくまでも小道具だったのに。
こちらは野球と恋愛の比率は「6対4」もしくは「7対3」でタッチと完全に割合が逆転した。
直球の一本やりで三振の山を築いていた「上杉達也」から幾星霜、比呂は変化球も使いこなすようになったし。
タッチで「案山子扱い」だったチームメイトにも光が当てられ、連帯感を持たせる意味でも説得力が加わった。特に最初はスパイとして入部してきたはずの「島」と「大竹」の2人が次第に野球の面白さを知り、試合で活躍するたびにチームメイトや観客から認められる過程で「悪役としての任務」を放棄して、チームの主力となっていくという展開は悪い方向へと行きそうだった2人の運命が好転したという意味で読後感が心地よかった。

2人のヒロインと2人のヒーローを用意した「四角関係」が最後までカップリングの着地点を読ませず、野球の試合内容とは違う意味でも緊迫感が継続されて良かった。
自分は・・・最後まで比呂がひかりとくっ付くかもという可能性も捨て切れなかった。
でもよくよく考えると、ひかりにとっての比呂は「弟」の位置付けなんですよね。
度々、比呂を男として意識しつつも、最後には「血の繋がらない家族の位置」へと還ってきたように思う。
そして比呂のひかりへの初恋も・・もうずっと前に終わっていた。

ひかりの恋人にして比呂の最大のライヴァルの英雄は・・・ひかりと付き合いながらも常に「ひかりが本当に好きなのは自分ではなく比呂ではないのか?」という疑念に囚われていた。
思えば、このお話は英雄にとっては自らの心の疑念を晴らすための戦いの軌跡でもあったわけだ。

最後の夏の甲子園を前にしての比呂とひかりのデートは映画だった。
帰り道で、母親を亡くしたばかりのひかりは別れ際に比呂に言う。
「比呂と幼なじみでよかった」「さよなら」と。
このセリフでひかりが比呂ではなく英雄を選んだのだと思った。
幼い頃から「弟」のように思い、そしていつの間にか比呂を「男」として意識するようになったとき、ひかりにはすでに英雄という恋人がいた。

先に「女」となったひかりに遅れて「男」になった比呂が、もしも、もう少しだけ早くひかりに男を感じさせていてくれたなら・・・・・?
果たして2人の仲はどうなっていた・・・?
・・・・・・・・・・・・おそらくひかりが英雄ではなく、比呂と恋人になった未来もあったことだろう。
けれど、その未来は現実のものとはならなかった。

高校三年生の夏の甲子園の準決勝でついに対決する比呂と英雄。それを見守るひかりと春華。
結果は比呂の勝利・・・も、勝った比呂とそれを見守ったひかりの目からは涙の雫がこぼれ落ちる。
お互いが互いに対する恋心にピリオドを打ったことを悟った、ストーリー中でも屈指の名場面だ。

英雄は比呂との勝負に負けて悟った
「ひかりが最も必要としているのは自分で、そんなひかりのことを誰よりも愛しているのも自身だ」と。
ひかりも気付いていた。
「最初から選択の余地(自分と比呂が結ばれる可能性)なんて無かったのよ」と。
ひかりと比呂は恋人にはなれない。「そうなるチャンス」をとうの昔に過ぎ去ってしまっていた・・・・。
そして失われた時間を取り戻すことは決して叶わない・・・・。
かくて、十年近く英雄の心を曇らせた暗雲も晴れ、物語は終局する。

準決勝を勝ち抜いた千川ナインはいざ決勝戦へと進む!
その比呂の傍らには、彼にとっての「恩人のひとり」といってよい春華の姿があった。
描かれないままに終わった決勝戦だが、比呂の行く未来は広がる夏の青空そのものだった。

「結ばれる可能性も高かったのだが、ボタンの掛け違いで結ばれずに終わった2人。でも、決して不幸ではない」
この作品の最大のセールスポイントは「ひかりと比呂が両想いなのに、結ばれることなく終わる」という点。
だからこそ
「出会いの難しさ」とか、
「人生におけるタイミング」、
「思春期における女子の男子に対する精神的な成長での優位性」
等が感じられて、とてもせつないのです。
でも決して不幸と思えないのは2人は恋人にはなれなくとも「家族」という立ち位置(直接的な血縁関係はないが、実質2人は「姉」と「弟」だった)が保証されているから。
だから、「読後の後味が悪くならない」のですよ。
安易に両想いが結ばれてメデタシメデタシ・・・が多い中、これは異色かつ特筆ですよ。

ここまで読まれた方なら間違いなく想像できるはずです。
物語のラストから数年後、英雄とひかりの結婚式で
「ひかりは俺の姉さんです」と祝福のスピーチをする比呂の姿が!

そして、そこからさらに十数年後。
英雄とひかりの間に生まれた娘に
「そういえば、比呂叔父さんの初恋の相手って、うちのお母さんなんでしょ?」
と問われ、焦ってしどろもどろになる比呂の姿が!

それって…決して「不幸な未来」ではないよね。
間違いなく「幸せな未来」の姿のはず。

結ばれるだけが幸せではないのです。
大切な人を「生涯に渡り見つめ、傍らで支え続ける(夫婦としてではなく)」というのも
同じくらいの男の幸せではないでしょうか。
比呂は間違いなくそれをやり通すはずです。
「義弟として、結ばれられなくても生涯に渡って義姉を支え続ける」
そこに比呂の「男としてのプライド」を見たいと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お見事!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-03 09:02:43] [修正:2010-07-03 09:02:43] [このレビューのURL]

医療漫画最近の御三家は「ブラックジャックによろしく」「ドクターコトー」と「医龍」だ。

タイトル並べてみて判るのだが、この中で「医龍」が一番地味っぽい印象。
ところが実際に読んでみると、意外にも一番面白かったのは医龍だった。
「医療」+「政治の世界」という切り口は「ブラックジャックによろしく」でもやろうと試みていることだけれど、研修医が主役の「ブラックジャックによろしく」では結局のところ問題提起はしたものの何の解決にもなりませんでした・・・・で終わってしまっている。(それもある意味、当然ではあるのだが・・・)
こちらではどうかというと、主人公はブラックジャック並の天才医師。しかし、本来は組織に属さない「一匹狼」。その一匹狼を「新しい術式の論文」を確立させるためのチームの一員に引っ張り込んで他の医師たちと共にひとつの「運命共同体」となって立ち向かっていく。
医学界の体質にイヤ気を感じつつも「どうにもならい」と投げやりになっていた脇役の研修医がチームに引き込まれ、最高峰の医療の現場に立ち会うことで医者としての腕・そして「精神」も身に付けていく展開は、「経験」こそが何よりの「成長への糧」になるのだということを示唆していて興味深い。
やっぱり経験を積まなきゃ使い物にならないよね。

小学館漫画賞「青年部門」の受賞はさらなる賞賛を呼ぶと確信しています。

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[投稿:2010-06-27 11:18:21] [修正:2010-06-27 11:18:21] [このレビューのURL]

9点 寄生獣

突如、地球外(?)から飛来した謎の生命体。彼らは人間に寄生し、宿主の身体を乗っ取って同族のみ、つまり人間を喰らった。寄生生物に右手を喰われた新一は「ミギー」と名付けた寄生生物と共に他の寄生生物との戦いを余儀なくされる。

人間と人間以外の生命の共存、種の存続などをテーマにし、後発の漫画にも絶大な影響を与えたと思われる問題作だ。
自分の身体の一部と会話して、1人なのに「2人で1人」のコンビが成り立っているという設定がユニーク。
描写は「容赦ない残虐な場面」が日常生活中にありながら、いきなり場面転換して挿入されてくる。
ついさっきまで何事も無かったように普通に生活を営んでいた、ごく普通の人たちが突如として「有り得ないような」死に方をする・・・・・。
この漫画内においては、「日常の中にこそ恐怖が潜んでいる」のだ。

でも・・・・待てよ・・・これって「表面的には平和な日本」に生活する我々にも言えることではないか?
そして我々の平和な日常も突如として破られる。多発する地震などの災害・見知らぬ人間から言われも無い理由で受ける暴力・気付かないうちに身体を蝕む数々の病・・・・。
寄生獣に喰われることほど非日常的ではないにしろ、多かれ少なかれ我々の日常の中にも「生命を脅かす恐怖」は潜んでいるのだ。
そしてそれらの恐怖は、知能を持ち学習することで理性すら身に付けていく・・・・・可能性のある寄生生物よりも「話し合いの余地が無い」という点では遙かに恐ろしい存在かもしれない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-27 11:09:56] [修正:2010-06-27 11:09:56] [このレビューのURL]

9点 リアル

「バスケ漫画」というよりも、「バスケを題材にしたヒューマンストーリー」というほうが適当と思う。
物語は3人の主人公を軸に展開されていく。

・自らの起こした事故で同乗の少女の身体に障害を負わせてしまい、車椅子生活を余儀なくさせてしまった罪の意識に苦しむ男。
・中学時代に陸上に才能を開花させ、誰よりも早く走れる・・・と思った矢先に「その黄金の足を病魔に奪われた」男。
・何でもソツなくこなし、集団の中でもリーダー的存在がいつしか調子に乗っての猿山のボス猿。そして事故でそのボスの座からどん底まで転げ落ちた男。

3者3様の困難の中で、ある者は自分の不甲斐無さを呪い、またある者は自身の情けなさを認めることが出来ず周囲に当たり散らす日々。
だが、運命はそんな3人をバスケットボールという競技のコート内に導いた。

「当たり前」であることすらままならない立場に陥って初めて気付くことがある。
「周囲の優しさ」
「過去の自身の傲慢と無智」
「努力すること自体の困難さ」・・・・・・・。

3人はそれでも日々の生活の中で絶望の底から立ち直り「それぞれの1歩」を踏み出そうとし、もがき苦しむ「現実(リアル)」。

井上先生はやはり「そんじょそこいらの凡百の作家」とは違うということが分かる。
画力は超一流。ストーリーは続きが気になり、キャラ立てが上手い。
他の漫画家なら「過去の自身のヒット作の人気にすがった安易な続編開始」で「スラムダンク2」でも描いて食い繋いでいるところだろう。

ホントに才能ある者は「常に過去の自身の栄光を乗り越える努力を欠かさない。そして恐れない。」のだと知った。
スポーツ界においてはイチローしかり、松井秀喜しかり・・・・・・。
そして「漫画界」においては井上雄彦しかり。であろう。

たとえ完結までに何年かかろうと、
「ファンなら四の五の言わずについてこい!」と言う作品。
そのことに「後悔」はいらぬ心配と付け加えておこう

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-27 11:08:13] [修正:2010-06-27 11:08:13] [このレビューのURL]