「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

設定がぶっ飛び過ぎ。高校生の女子と小学生の男子が真剣に恋愛するなんて。
はっきり言って優れているのは画力だけだと思います。

前に何かの本で読んだのだが、女性は若いときは年上の男性に対して恋愛感情を抱く傾向が強く、自分よりも年下の男性に対してはある程度の年齢を経ないと興味がいきにくいとか。
確かにそういう傾向はあるんじゃないかなとも思ったものだ。

・・・・とするとこの漫画の存在は、その傾向に逆らった「超例外的恋愛」を描いたものということになる。
どおりで感情移入もしにくいし、のめり込みにくいわけだ。
「20歳と27歳。18歳と11歳。同じ7歳差で前者のカップルがありなら、後者もありでしょ?」
と作者は言いたいのだろうか。

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[投稿:2010-07-25 07:55:49] [修正:2010-07-25 07:55:49] [このレビューのURL]

ゴーレムと呼ばれる人型戦闘兵器が各国間の戦力を決める世界。
突如、戦端を切り開かれた2国間の争いと遺跡から発掘された古代文明の現代とは異なるゴーレム。
そして、それに纏わる人間模様。

主人公はこの世界の基本となる能力が使えない言わば「異端」と後ろ指差される存在。
だが、その主人公しか使えない「超兵器」の存在が戦局を左右するようになる。

各個人間の思惑や感情など吹き飛ばす現実の戦い。
友人同士家族同士ですら否応なく敵対関係とならねばならない。

主人公はそもそも「軍人」ではなかった。
だからまだまだ全くの素人だし、戦いに関する心構えも決められてはいない。
当然に甘さがある。それが今後の展開でさらなる死者を出す引き金になるような気もします。

「戦記もの」と分類してもいいのかもしれませんが、
一戦・一戦の戦闘の戦略および戦術がイマイチ読者側に判りません。
結局のところ、ゴーレムの大暴れで毎回毎回収集が着いたような着かないような・・・という展開。

絵も人物描写は上手いのですが、兵器関連はラフ画に近い印象がします。

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[投稿:2010-07-25 07:50:25] [修正:2010-07-25 07:50:25] [このレビューのURL]

後期手塚作品の大傑作。他の長編作品より短いが、メッセージ性の強い作品に仕上がっている。

ドイツの独裁者「アドルフ・ヒトラー」は実はユダヤ人だったという推論を採用し、同じ「アドルフ」の名を持つ2人の少年が辿った運命をさらに「第三者」の視点から語らせる。
ナチスの行った「ホロコースト」は断罪されねばならないと思うが、いかに「善良だった一少年」がそれに加担させられていくのかが分かる。誤った人間の謝った洗脳がいかに多くの悲劇を生み出したのか、いかに多くの犠牲と破壊を生み出したのか、これは虚構の世界の中ながら「現実に歴史として残っている事実」だと思う。

ヒトラーが現実にユダヤ人の血を引いていたという可能性は限りなくゼロに近いそうだが、別にヒトラーは近親相姦による出生だったという説があるそうだ。ヒトラーの兄弟は皆早死にし、戦後まで生き残った妹には障害があった。このことから、ヒトラー自身も近親相姦による影響があったのではないか・・・とする説だ。

ヒトラーはさて置いても、友情を引き裂かれた2人の「アドルフ」の姿が痛ましい。

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[投稿:2010-07-25 07:46:25] [修正:2010-07-25 07:46:25] [このレビューのURL]

どう良く見ようとしても「金田一の二番煎じ」でしょう。

イヤ、下手したら「それ以下」かもしれません。
いくらなんでも「絵」が変わらなさ過ぎですよ。
登場人物が全員「金田一」のほうに出ていたとしても「何の違和感もない」ことでしょう。

タイトルと舞台設定変えただけってこと・・・?
しかも、一度連載を終えているはずなのに、度々「金田一と交代で復活する」っていうのは、何なんでしょうね?

だったら「連載止める必要ないじゃないですか」。
性懲りもなく、過去の遺産(私に言わせれば明らかに「負の遺産」だが・・・)にすがろうとするマガジン編集部の「厚顔無恥な姿勢」共々、最悪評価させていただきます。

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[投稿:2010-07-17 23:36:18] [修正:2010-07-17 23:36:18] [このレビューのURL]

「うしおととら」と「鬼太郎」を別格としたら、妖怪もの漫画で一応のヒット作を出した・・・・という点は評価されていいはずです。

「学園もの」で主人公が先生。脇を生徒たちが固める・・・という点か、様々なお話のヴァリエーションを生み出しやすかったという「成功の要因」。

ただ・・・基本的に低学年?中学年向けのはずなのに、やたら「お色気」の描写が多かったり、結構気持ちの悪い描写もあったりしているところはどうなんでしょうか?

私の個人的な評価だと「普通」辺りに落ち着いてしまいます。

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[投稿:2010-07-17 23:34:32] [修正:2010-07-17 23:34:32] [このレビューのURL]

吉田秋生先生の「BANANA FISH」のアッシュと英二の2人が「東京BABYLON」をやる話(笑)
シャーマンとして類まれなる素質を持つも心の中に闇を抱える闇己と、一見善良なだけで何の力も無いようで周囲の人間を和ませる健。この2人を中心にして時折、2人の前世に当たる古代編を挿入して綴られていくストーリーは現代の暗部をも浮き彫りにしていく。
少女漫画ながら恋愛の要素は薄く、あくまで男2人を中心に話が展開していくのは異色。
ただ・・闇己がラストで健の甥っ子に生まれ変わりましたって・・・両親はどうすりゃいいのよ。(笑)

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[投稿:2010-07-17 23:01:56] [修正:2010-07-17 23:01:56] [このレビューのURL]

水沢先生のメジャー化成功作品であると共に、凋落のスタートともなった作品。
アイテムを使って魔法世界になる・・・という設定自体は全く目新しくなどないのだが、この作品以前の作品がシリアス路線だっただけにギャップで驚かされた。それ以前の作品よりも小さい子供を読者に意識したのだと思う。ぬいぐるみのライオンが喋ったり、目覚まし時計が話したり、好きな男の追っかけをしているライバルの騒がしい女の子が出てきたりと「お約束」な要素がふんだんに散りばめられてアニメ化もされての大ヒット・・・・にはなった。確かに。しかしこの作品のコメディ調の雰囲気が今後に連載していく他作品にまで及んでしまうとは誰が思ったことだろう。絵柄も明らかに丸っこくなった。何よりも話の展開が「アホらしくなった」ことが大問題。そういう作品が掲載誌「りぼん」の看板だと必然的に雑誌自体も幼稚化していくことになった。
水沢先生の作品は「これ」しか知らないという人も多いことだろう。この作品よりも前の作品と、後の作品とでは全く路線が違ってきていることは続けて読んでいた方には一目瞭然だ。
「りぼん」を幼稚な雑誌に貶めたという点においては先生はA級戦犯です。

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[投稿:2010-07-17 22:59:14] [修正:2010-07-17 22:59:14] [このレビューのURL]

5点 ブッダ

「火の鳥」「アトム」「ブラックジャック」等と並ぶ手塚先生の代表的長編作品。

所謂「釈迦の生涯」を描いた作品です。
つまり・・・世界三大宗教のひとつ「仏教」がメインとして登場するわけです。

現在のネパールに王族として生を受け、何不自由のない生活を約束されていた聡明な王子が「社会の矛盾」「貧富の差」「身分差別」等の現代社会でも問題として挙がる現実を知って、人々の真の救いとなるべく、教えを探求すべく旅立つ一代叙事詩。

スケールの大きさ・テーマは流石の「手塚作品」なんだけれど・・・・この作品は厄介なことに「宗教」という普段の私に縁遠いものを主題としているためか、あまりにも独特で、登場人物の運命が悲惨な末路の者も多いため「とにかく読みにくい」のである。

作品としての完成度・フィクションとノンフィクションを絡めて描く仏陀の生涯・脇を固める登場人物たちの運命の流転・・・・等のドラマの構成は骨太で、手塚先生の実力の程はイヤというくらいに知れますが、やっぱり上記の他作品と比して読み辛い「独特の雰囲気」があることを否定できません。

よって私は「普通」評ですが、図書館に置いてあって何の不思議も無い「名作」であることもまた「間違いの無いところ」だと思います。

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[投稿:2010-07-17 22:55:39] [修正:2010-07-17 22:55:39] [このレビューのURL]

8点 砂時計

まず「タイトル」がいいと思う。
「砂時計」。
「現在」「過去」そして「未来」の時間の移ろいを象徴する作品のキーワード。

全10巻(それも本編は8巻までで、残りの2巻は番外編。)で主人公が「小学生」から「1児の母親」となるまでを描いているため、時間の経過がスゲー早いんです。
両親の離婚を切っ掛けに母親の実家である島根に戻ってきた杏が好きになったのが近所の「大吾」。
相思相愛かと思われた2人の関係も、杏の母親の自殺が常に杏の心にのしかかってくることでギクシャクし始める。

自分が大吾の重荷になる・・・と思い、別れを選んだ杏。
時の流れと共に多くの恋を経験するも、どうしても大吾の事が杏の心の奥底からは離れず、いずれも破局を迎える。
(中には婚約までいったものもあった)

友人・肉親・知人、周囲の多くの人たちが「それぞれの幸せ」を見つけていく中で、未だに自分の幸せを見つけることが出来ずに
「人生という大海原を漂流するかのようにして生きる杏」。

流れてしまった時間を取り戻すことは叶わず、後悔は日々増えていくのだけれど、それでも「何かを期待して」今日も踏み出す一歩。

過去の後悔も過ちも、全ては今の自分を作っている分子だとそれぞれが理解できるようになったとき、
読者も全ての登場人物をいとおしいと思えるようになる。

そんな作品。

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[投稿:2010-07-16 06:37:01] [修正:2010-07-16 06:37:01] [このレビューのURL]

「とんちんかん」とは全く別ジャンルで一応成功作と言えると思います。
ただ絵が稚拙というか、「とんちんかん」はギャグなので下手でもさほど気にならないのですが、シリアスな話だと話の真剣さと絵のギャップが酷いと感じてしまう。作者自身もその点は気にしていたのか文庫版では昔の絵を加筆修正していましたね。
好きな話は「老人たちの反乱」「砂漠のナイチンゲール」「娘泥棒」「兄弟のキックオフ」「コンクリートジャングル」など。後半のほうがいい話が多かった。最終話の「死神失格」もあわや消滅かというところで、死神くんを理解する上司から弁護が入ったのも良かった。月刊誌連載だったからこそそれなりの質で描けたのかも。これが週刊誌だったら連載自体続かなかった作品と思う。
続編を描くなら「とんちんかん」よりはこちらですね。

作者が読者受けを気にしすぎているのも、読者の側から見たらちょっと興ざめする原因。

作中である意味、連載漫画の恒例行事とも言うべき「キャラ人気投票」は行われなかったが、その代わりに「話自体の人気投票」が実施された。

コミックスによると、ネタに詰まった作者が「一体、どんな話が読者受けするのか知りたい」という目的の本に実施されたようだ。
作者&編集の予想を上回る数の投票があった・・・こと自体は企画自体の成功・・・と言えるのかもしれないが、その内情をわざわざコミックスで読者側に暴露せんでもなあ・・・。
「単に作者の都合か」と知ったら、少なからず落胆する人はいると思う。

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[投稿:2010-07-16 06:35:36] [修正:2010-07-16 06:35:36] [このレビューのURL]