「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

ファッション業界でモデルを目指す女の子とデザイナーとして服を作ることを仕事にすることを目指す男の子の成り上がりの物語になる模様(どちらも現役高校生で進路相談するくらいの時期)。

少年誌でファンション業界というあまり聞かない設定の漫画で、原作が別に付いているわけではなさそう。
女の子のほうは父親がファッションモデルを抱える事務所の社長をしていて、パリで開催されるショーにモデルとして出る夢を幼少から抱いていたが・・・・モデルをやるには身長が必要だった。
それなのに10歳で158cmになってから高校3年生まで1cmも伸びなかった。
そんな極端な話があるの?と思いつつも、モデルとして生きていくことを諦めきれない。

男の子は地味で目立たないが服飾に関しては独学でやっており、高校生にしてはずば抜けた才能があった。
しかし、こちらは母子家庭で下に妹が3人もいるので進学や専門学校は望めず就職しかない。
高卒でデザイナーになれる道はなかなかないとこちらも諦めきれない夢を抱えていた。

この二人が高校のクラスメイトだったところからお互いの夢を知ることになり、言わば夢の表舞台へ立つ側(女性)と、夢の裏舞台を支える側(男性)との表裏一体の作品として構成される模様。
女はスター、男はそれを支えるそれがこの物語の主題か。

馴染みのない世界なので前例なき作品ともいえ、手探り感覚は作者側にも読者側にもあるだろう。
よって1巻はまだ助走飛行にも入れない状況であり、「マガジン連載にしては絵が綺麗なほうかな」程度で普通の内容。助走に入るまで読者を引き付けるにはやはり読者側に事前情報が足りない世界なのでかなりハンデ負っていますよ。

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[投稿:2020-04-02 21:24:20] [修正:2020-04-02 21:24:20] [このレビューのURL]

昭和天皇の一代記。
祖父は明治天皇。父親は大正天皇。その嫡男として生を受ける。他に弟が二人いたが、嫡男として一線を引かれ、
幼い頃から帝王学を教えられる。

乃木大将・東郷元帥といった歴史の偉人から薫陶を受けて育つが、母親は弟たちを溺愛し側近は「臣下」。
本心を曝け出せる親友を持つことすら叶わなかった。
唯一、心を開けたのは養育係の女性「足立タカ」のみ。
だが、そのタカも成長するにつれお傍から外されようとしていた・・・・。
臣下を、そして国民をわが子のように慈しむことが出来る者こそが真の君主たるものである。
英明なる君主が歴史の動乱に立ち向かうべくおぼつかぬ足取りで自らの運命を掴み取ろうとしていた・・・・。

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[投稿:2019-07-07 21:57:54] [修正:2019-07-07 21:57:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

捨て犬が女の子に拾われて家族の一員になる。幸せな暮らしだった。
だが・・・時間の移ろいでその幸せがゆっくりと壊れていく。
自分を助けてくれた一人娘は不良少女と化して家に帰らなくなり、お父さんは病気がちで仕事も辞め、お母さんは娘の問題に無関心なご主人に離婚を突き付けた。
「ハッピー」と名付けられた飼い犬は家族がゆっくりと崩壊していく様を見届けさせられるがどうすることも出来ない。病気がちなお父さんに引取られたが、お父さんに行く当てはなく最後の旅路に出発した。

やがて身体の衰えから人知れぬまま車の中で死を迎えたお父さんの側に愛犬は最後まで寄り添い続けた。
何の救いもない、唯々只管に悲しい話である。お父さんが行政などで生活保護等の申請をしなかったとか、何で娘が不良化するまで放置し続けたのかとか疑問は多々ある。
ハッピーが生まれてから捨てられて箱の中で鳴いていたコマ。ハッピーの後ろに「もう1匹子犬が居る」ことに注目!
このハッピーの兄弟犬がハッピーと異なる運命を歩んだことが続編で語られます。

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[投稿:2019-06-26 15:45:53] [修正:2019-06-26 15:45:53] [このレビューのURL]

6点 外天楼

「外天楼」と呼ばれる建物に住む住人たちの悲喜交々を描いた連作短編集。
最初の話から最後の話まで一貫して大きな一つの流れの中に存在している。
冒頭の中学生的な性欲むき出しの男の子のエロ本獲得話は全体の流れの中では異色の話で、登場人物の顔見世的な印象。
そこから第2話に移り、いきなりロボットが登場するような近未来のSF的な話に移る。
このロボットに代表されるような人工的な生命体の存在がこの作品のひとつのテーマであり、それを生み出すための事件が徐々に明らかになっていくのであった。

第1話の雰囲気からは想像も出来ないような方向に話は進み、殺人事件が発生し犠牲者が多数出た。
ラストシーンはあまりにも悲しく、読後感は決して良くはなかった。

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[投稿:2019-06-12 08:09:09] [修正:2019-06-12 08:09:09] [このレビューのURL]

著者の父親がシベリア抑留の当事者であり、その伝聞について綴った作品。

太平洋戦争末期に学徒出陣になった著者の父親は北方の満州国とソ連との国境に配備された。
当時の日本はソ連と「日ソ中立条約」を結んでおり、不可侵の関係だった。

だから本格的な戦闘などとは無縁の比較的恵まれた環境かと思われた。
だが、終戦直前にソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄して満州国に攻め込んできた。
脆弱な装備の日本軍がソ連軍に太刀打ちできるわけもなく多くの人々が捕虜になってしまい、そのまま終戦。

日本に帰国できるかと思われた捕虜たちだったが、連れて行かれたのは北方。永久凍土の極寒の地であった。
ナチスの収容所にも近い環境で劣悪な労働に従事させられる。
マイナス30度という想像を絶するような冬の寒さに食料も乏しく、多くの日本人兵士たちがバタバタと倒れていった。

さらにロシア兵からのイジメ、日本人同士の食べ物や待遇を巡っての争い・・・・・。
過酷な環境下では誰もが他人の身を案じることなど出来ず、人間の心を無くしていくのだった。

死者については30万人を超えるとも言われているが、社会主義のソ連は情報が外に漏れず、未だ不明な部分が多い。
祖国に帰ることを願って果たせなかった者たちの身は永久凍土の下に眠るとも、その魂は靖国へ導かれたことを祈らん。

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[投稿:2019-06-05 13:54:28] [修正:2019-06-05 13:54:28] [このレビューのURL]

高校生たちが学園自体がギャンブルで階級が決まるという制度の中で戦う。

「カイジ」の女子高生版という表現で合っていると思います。
最近、TVアニメ化・劇場映画化もされました。映像版は未視聴。
舞台は共学の高校なのですが女性がほぼ登場人物の大半を占めます。
絵はそれなりに綺麗で福本先生のような泥臭い絵柄ではなく、洗練されています。
そうなると後は物語とキャラで魅力の大半が決まるのですが、イカサマが前提で主人公側はそれを見破るも最後は運任せとか滅茶苦茶な場面も多い。
今ならコミックス1.2巻くらいは半額で購入できるので試し読みしてみるのも有りかと思います。

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[投稿:2019-06-05 10:08:56] [修正:2019-06-05 10:08:56] [このレビューのURL]

温泉街として草津などと並んで有名な静岡県の熱海を舞台にした物語。
クリーニング店を営む女主人とその周辺の人々とのエピソード。
単なる人情とお色気の話かと思いきやさにあらず。

女店主は二年より前の記憶がない。それまでは熱海におらず身寄りも親族も不明。
この設定がひとつの大きな伏線として物語を牽引していくと思われます。
絵は見やすく温泉街故に裸もそれなりに多い(笑)。
ぜひ長期連載していただきたい!

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[投稿:2019-06-04 19:33:46] [修正:2019-06-04 19:33:46] [このレビューのURL]

女子高生同士が周囲に隠れて恋人同士の所謂「秘密の百合」。
片や長身美少女。片や巨乳ツンデレ美少女。

周囲にバレないように恋人関係を続ける二人は大っぴらにイチャイチャ出来ないのがもどかしい。
「重要な場面で邪魔が入る」というのがコンセプトらしい。
つまり、読者も主人公カップル二人と共にヤキモキして下さいということです。
肉体関係を結ぶのはいつになりますやら。

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[投稿:2019-06-04 18:29:33] [修正:2019-06-04 18:29:33] [このレビューのURL]

伝説のヤクザがヤクザを辞めて結婚し専業主夫に転身した日常を描く。
家事を必死にこなす傍ら、元抗争相手のヤクザや元仲間のヤクザがやってきて話に絡む。
絡むが・・・・血みどろ寸前で主夫の培ったテクニックで華麗に解決!
一体、この男どういう経緯でヤクザを足抜けして専業主夫へと転身したのか?
問題だらけであることが確実なその過去が語られる日は・・・多分ないだろう。

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[投稿:2019-06-04 18:12:31] [修正:2019-06-04 18:12:31] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

昨今、異世界に来た現代人の冒険ものはタケノコのように乱立している。
どうも「ブーム」のようで、冴えない男や女が異世界に来た途端、最強能力者になったりしてヒャッハー!な無双状態になる物語ばかりだ。
ハッキリ言って「タイトルだけはやたらと長い」ということしか特徴はないに等しい。
この漫画もそんな作品の亜流かと思いきや趣が異なる。
主人公は現代世界で「一国の大統領」である。しかも元軍人で格闘技にも政治力にも長け、人望も絶大。
そんな男がテロリストに襲撃されるが難なく撃退。但し、アクシデントが起きて異世界に飛ばされてしまう。
しかし大統領は「長めの休暇を貰ったようなもの」と前向きに捉えて異世界を冒険していくのだった。

異世界では住人の中には魔法などが使える者もいるが、大統領は勿論使えない。
しかし、鍛え抜かれた肉体はそのまま有効で、異世界の人の中でも身体能力は抜きんでていた。
よって格闘術でそのまま最強の戦士として活躍できる。
「元々強い男が異世界でも変わらず強い」という点で他の異世界物とは一線を画しています。
そしてこの男は幾多の修羅場を潜り抜けてきた信念を持つ男でもあります。
その信念が異世界でも貫けるものなのか、そして住民たちに信頼され尊敬を受けられるのか?
大統領の趣味である「様々な生物に騎乗する」という願いが叶うのか?
今後の注目作品であることに間違いはなかろう。

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[投稿:2019-06-04 18:00:56] [修正:2019-06-04 18:00:56] [このレビューのURL]