「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 438レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

[ネタバレあり]

東西冷戦下的な世界観で始まるスパイ物語。
しかし、敵国の要人と面会するために子供を名門校に入学させて優秀な成績を収めさせねばならない。
スパイの男は当然に父親役。子供は娘を孤児院から見繕って引き取った。
但し、この子供は超能力があり(読心術のみ?)普通の女の子ではない。
一次試験は突破できた。しかし二次試験は母親同伴が必須。今度は偽装結婚が必要。
適役の女性がなかなか見付からない。

一方、暗殺者として裏の仕事を請け負う女性がいた。彼氏もおらず周囲の人間があれこれ五月蝿い。
こちらも周囲の人間を欺いて安心させる為の恋人を必要としていた。
こうして利害の一致した二人が出会い、夫婦となることになる。
夫側は先に子供を見付けていたので再婚になり、妻側は初婚である。
但しそれは準備段階の最初の一歩。子供が試験に合格して学園に入学できないと始まらない。

絵柄が「ワン・ピース」に酷似しており、見易さはあります。
一応、最終目的の達成の為に「いくつか段階を踏まなければならない」ことが最初に提示されているので、
基本的には学園行事に連動するような形で話が進みつつ、夫は本業のスパイで(妻には秘密)、妻は本業の暗殺者で(夫には秘密)それぞれ任務がちょくちょく入ってくるような流れで進行するようです。

物語全体としてのテーマは「家族愛」になるのでしょう。
ハリウッドのアクション・コメディ映画として2時間枠で作成したらそれなりの面白さでまとめられそうですが、
連載漫画で長編を意識すると学校イベントが何年も繰り返される危険が生じてマンネリ化の危険も。
どうやって調理し、味付けしていくか注目しましょう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2022-05-06 09:22:07] [修正:2022-05-06 09:22:07] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

彼女に振られた屑男が「レンタル彼女」に貢いでるうちに本気の恋になるという大まかな流れ。
「レンタル彼女」というシステムがかなり危うく「売春」「暴力」などトラブルの臭いがプンプンする設定なのだが、そういった裏の黒そうな部分は見せず、絵柄で綺麗に見せるのでアニメ化もされたという感じ。
主人公が最初は屑男なのでいきなり読者が悪印象を抱くスタートをするという珍しい漫画。
要はそこから巻数を重ねる事で「人間的な成長を見せていく」という展開になるはずだったんだろう。
但し、アニメ化で連載をアニメ化で盛り上がっているのに終わらせるというわけに行かなくなり、その分だけ話が引き伸ばされてしまったのは不運。
ラブコメは長くても「10巻台で完結」しないと話が冗長になり駄作決定するジンクスがあります。
この作品も遂に20巻台に入りましたので、そのジンクス通りになりそうですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-05-06 09:19:25] [修正:2022-05-06 09:19:25] [このレビューのURL]

魔王を討伐した勇者パーティの一人だったエルフの魔法使いが平和になった世界を旅する。

人間より種族として遥かに長寿なエルフ。
それはかつて仲間だった勇者の死を見なければならない事実。
マイペースで拘りも特に無かったエルフも長い旅の途中で多くの人と出会い別れた。
その「離合集散の連なり」が歴史なのだと、悠久の時の流れの中で悟れるのかはまだ分からない。
仲間の僧侶から託された戦災孤児の少女を弟子にして、世界を回る珍道中の開幕!!!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-07-18 23:29:42] [修正:2021-07-18 23:29:42] [このレビューのURL]

浦沢先生の「MOSTER」に次ぐ作品。近年に実写映画化もされた。
60年代を過ごした子供たちが大人になり現実の壁にぶつかり苦しんでいた90年代。
幼い頃の空想の世界の滅亡と立ち向かう仲間たち。

が、その空想の世界を滅ぼそうとする悪の首謀者は「自分たちの仲間の中から出てきた」
集団となり組織化された宗教集団は政界・財界をも巻き込み日本政府の中枢にまで食い込む。

主人公を中心としたかつての秘密基地の仲間たちは冴えない大人の日常を捨てて結集する。
だが、敵の策略によりメンバーは極悪人のレッテルを張られて四散。
近未来は世界を滅亡させようとした男が「人類の救世主」として祭り上げられる偽りの世界が構築される。

子供の頃は様々な夢を描きながらも、大人になったとき現実の壁の前に飲み込まれ、どうしようもなく日々を重ねていたかつての少年・少女たちが
「自分たちの播いた種」を刈り取らねばならなくなる。

そのとき彼等は多くの犠牲を払いながらも人類の滅亡を救う真の救世主として生まれ変わることになるのだ・・・・・・。

だが・・・・そうなった後に彼等は本当にこの結末を望んだだろうかと考える。
「否」。
自分たちが歴史の教科書に勇者として記されるよりも、たとえ冴えないサラリーマン生活であったとしても、平和で穏やかな日常を選んでいたことだろう。

夢を描いていた少年時代から大人になったとき、後悔の連なりかもしれない。
だが、それでも彼等の戦いの軌跡を目にすることで人類は再出発のラインに着いた。

終盤のグダグダと「後付けしたかのような」ともだちの正体が残念なのだが、引き込む力は流石だ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-25 08:18:48] [修正:2021-07-18 22:58:07] [このレビューのURL]

7点 血の轍

[ネタバレあり]

「惡の華」で知られる押見先生の最新作。
冒頭、母親とおぼしき女性に手を引かれ散歩する幼子。途中で道路に横たわる猫を見付けるのだが・・・・。

場面は変わり、夢が覚めて母親に促されて朝食をとる少年。その朝食が「肉まん」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?
朝食が「肉まん」?平凡な日常の描写の中に違和感のある描写が混じる。
物語の舞台は日本の群馬県。
少年の名は「長部静一(おさべせいいち)」。
生年月日は1981年3月19日。
学年は中学2年生で早生まれだから年齢はまだ13歳。
時代は昭和から平成へと移ってから6年が経過しようとしていた・・・・。
でもそれはそれ。日本の一都市にある平凡な核家族の何処にでもあるような風景のひとつに過ぎない・・・・・はず。

静一には父の兄弟の子供で従兄弟に当たる男の子がいてよく遊びに来ていた。
夏休みに入る前にも毎週のように遊びに来る従兄弟とその母親。
清一と母親は毎週のように歓迎した。
そして、夏休みに双方の家族で山登りに行く。それが悲劇の引き金になるとは誰も思っていなかった。
思っていなかった・・・・・・・・・・・・はず・・・・・。

母親にとって息子とは自分の胎内から出でた異性。
それは親としての範疇を逸脱した愛情を注ぐ存在か?
母親のセリフからは全く母親の真意が汲み取れず、表情や仕草や態度で母親の心情を表すという構成が見事!
1巻では母親の親族は全く登場せず、母親の実家での育成環境は察し難い。
「日常生活で忍び寄る恐怖」は足音さえ立てない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-07-18 22:56:25] [修正:2021-07-18 22:56:25] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ガンガン創刊号で連載がスタートした「本格格闘漫画」・・・になるはずだったが打ち切られた作品。

最初は「マシャール・アーツ」だとか「古武術」だとか尤もらしい解説も付いての登場だったのに、墓内命(はかない・いのち)が登場した辺りで打ち切りが決まったらしく、作者がヤケを起こしてそれまでの作風を一変させたのは凄かった!

キャラが次々とゲロを吐いたり、獣化しだしたり、創刊号で一番たち新入生を「熱い言葉」で激励していた校長先生がヘリで学園を逃げ出したり・・・という、それまでの展開がウソのような(お寒い)ギャグ漫画に成り下がった。

最後の最後で「打ち切りの鬱憤」を晴らした作者の「キレっぷり」は凄まじいが・・・・「自らの首を絞めた」と言えなくもない・・。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-07-18 22:51:44] [修正:2021-07-18 22:51:44] [このレビューのURL]

演劇漫画。
素で迫真の演技が出来る高校生「夜凪景」はオーディションでその天性の資質の片鱗を見せるも、不合格だった。

年端もいかない弟妹を養うためにもお金を稼ぐ必要があった。
そして天才監督が彼女を見出す。
コミュニケーションの苦手な少女というクセのある主人公は「天才」キャラ。
そして演劇の世界に足を踏み入れていく。
ジャンプで演劇を題材にするのはかなり珍しく、普通ならすぐに打ち切りになりそうだが・・・化けた模様。
原作者と作画が分れているのも良かったのかもしれない。
題材故か「文字量が多く、漫画にしては小説に近い印象」。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-02 21:30:40] [修正:2020-04-02 21:30:40] [このレビューのURL]

ファッション業界でモデルを目指す女の子とデザイナーとして服を作ることを仕事にすることを目指す男の子の成り上がりの物語になる模様(どちらも現役高校生で進路相談するくらいの時期)。

少年誌でファンション業界というあまり聞かない設定の漫画で、原作が別に付いているわけではなさそう。
女の子のほうは父親がファッションモデルを抱える事務所の社長をしていて、パリで開催されるショーにモデルとして出る夢を幼少から抱いていたが・・・・モデルをやるには身長が必要だった。
それなのに10歳で158cmになってから高校3年生まで1cmも伸びなかった。
そんな極端な話があるの?と思いつつも、モデルとして生きていくことを諦めきれない。

男の子は地味で目立たないが服飾に関しては独学でやっており、高校生にしてはずば抜けた才能があった。
しかし、こちらは母子家庭で下に妹が3人もいるので進学や専門学校は望めず就職しかない。
高卒でデザイナーになれる道はなかなかないとこちらも諦めきれない夢を抱えていた。

この二人が高校のクラスメイトだったところからお互いの夢を知ることになり、言わば夢の表舞台へ立つ側(女性)と、夢の裏舞台を支える側(男性)との表裏一体の作品として構成される模様。
女はスター、男はそれを支えるそれがこの物語の主題か。

馴染みのない世界なので前例なき作品ともいえ、手探り感覚は作者側にも読者側にもあるだろう。
よって1巻はまだ助走飛行にも入れない状況であり、「マガジン連載にしては絵が綺麗なほうかな」程度で普通の内容。助走に入るまで読者を引き付けるにはやはり読者側に事前情報が足りない世界なのでかなりハンデ負っていますよ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-02 21:24:20] [修正:2020-04-02 21:24:20] [このレビューのURL]

7点 惡の華

中学生の心の闇を暴き出すような作品。
ポードレールの「悪の華」を愛読する少年・春日。
中学のクラスメートで才色兼備の佐伯を密かに想っている読書好きの少年。

そんな佐伯の体操服を盗み出してしまう。それを問題児の女子・仲村に目撃されてから、
仲村に付きまとわれる日々を送る。仲村は春日と「契約」を結び、春日を服従させようとする。

仲村の意図が読めず、戸惑う春日・・・・。
そして、春日と付き合うことになる佐伯もまた「優等生として見られる自身」に耐えられず悲鳴を上げていた。

とにかく「見たくないものをこれでもかと見せつけるような作風」です。
作風が闇に迫るようでありながら、絵柄は非常に見やすくて綺麗というギャップが凄い。

中学生男子が持つ心の暗部が、仲村という異端(起爆剤)に触発されて爆発し暴走するという話。
それは周囲の人間をも巻き込み、坂道を転げ落ちていく。

「青春」なんて決して明るくて楽しいだけではないという話。
むしろ、こっちのほうが現実的なのかもしれないが・・・・、
印象的ではあっても「あこがれ」はしないという、そういうお話。

但し、春日が佐伯さんとセックスした際に佐伯さんが妊娠して出産していたら「佐伯さんEND」あったと思います。
再会した佐伯さんが年の離れた妹を連れていたら・・・・
戸惑う春日の前で赤ちゃんを抱き自らの乳房を赤ちゃんに吸わせ始めたら・・
春日はその子が佐伯さんの産んだ子だと気が付く。
そうなるとその子の父親は・・・・・
春日が最終的に佐伯さんの元に戻ってこなければいけない理由が出来るわけです。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2012-11-17 15:38:14] [修正:2019-12-31 15:01:14] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

80年代にグルメバトル漫画として少年誌で人気を得た「ミスター味っ子」を現代風に描き直したような作品。

とにかく画力が高いのが特徴。それ故、作中の料理がそれなりに美味しそうに見えるのは良い。
さらに女の子が可愛い。この絵が描けるなら普通は「ラブコメ」のジャンルが漫画を描くに最も適していると誰でも思うだろう。
だが、そこへ「料理」という題材を持ってくる。少年誌なので「対決・バトル路線」になるのは当然としても、
味っ子のアニメ版での美味しさを現す「オーバーアクション」が、この作品では登場キャラの「全裸」に置き換えられて表現されるというのが特徴。
しかもキャラは男女問わず(笑)

女性キャラの絵柄が「パジャマな彼女」をジャンプで連載していた濱田先生に酷似していると思うのですよね。
つまり、あの絵で女の子はいやらしいままに料理漫画にシフトしたというと分かりやすいか。
とすれば「ヒットする条件」満たしているということ(笑)
まだ3巻までなので序盤の助走という段階だが、これからドンドンキャラが脱がされると見て間違いない!

(完結したので追記)
かつての人気作品が見る影もないほどに劣化した悲しいラストです。
作画・監修共に「最早やる気なし」と見て取れて痛々しいです。
人気作品だった「食戟のソーマ」が何故これ程までに落ちぶれたのか?

「BLUE編」がそもそも大失敗で、学園の外に強敵が・・・なんて設定出した為、料理人の憧れの的であるはずの「遠月学園」の価値が下落し、それまで出ていた多くのキャラたちの出番が無くなった。
その「BLUE編」で登場する敵の料理人たちがどいつもこいつも小物感・イロモノ感満載。
チェーンソー使用した料理なんて監修が付く必要性が最早なく、あまりの超展開に作画担当と監修者のやる気を無くしたことが紙面から伝わってしまった。
そして最大の失敗は創真の父親が倒されて、ラスボスのはずだった地位を転げ落ちたこと。
これにより、「食戟のソーマ」という作品自体もゴールを見失って迷走する結果になり、今巻での打ち切りとなった。
何とか読めるのは「創真が第一席になったところ」まで。その場面以降の巻は捨てていいです。
事実上、30巻を以って終焉した作品。31?36巻は星1つです。
最後だけ「大団円」みたいな形にしてもダメです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-08-14 21:50:04] [修正:2019-11-07 20:46:41] [このレビューのURL]