「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

漫画家を目指す方には必読とも言える藤子先生の自伝的作品。

それにしても、上京して手塚先生に続く形で「トキワ荘」に集まった面々は後の漫画界の重鎮ばかり。
赤塚不二雄と石ノ森章太郎の両先生がコンビを組んでたことがあったなんて、この漫画で知った。

次々と起こる事件も、漫画を中心としながらも「青春ストーリー」として悪くなかった。
プロになった後に原稿を落とされたことがあったんですね・・・藤子先生ですらも。

みんなが売れっ子になって成功・成功ばかり・・・かと思いきや、トキワ荘で仲間たちのリーダーだった「テラさん」こと、寺田ヒロオが不遇なまま終わったというのが・・・何とも・・・。

どうもアシスタントを大量に雇って、大量生産していくという編集側の方式を寺田さんは受け入れられなかったことに端を発するらしい。
商業主義に対する反発・・・・。
「漫画は子供たちに読ませるに正しいものではなくてはいけない」
と考えていたという寺田ヒロオの主張は、決して間違ってはいないと思えるだけに一層、今の世の中にこそその「志」が受け継がれていて欲しいと思えてならない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-31 07:16:01] [修正:2012-01-03 09:39:23] [このレビューのURL]

フランス革命を学ぶには「ベルサイユのバラ」を読め。
三国志演義を理解するためには「横山版三国志」を読め。
そして、源氏物語を理解するためには・・・この漫画というのは教師の「合言葉」だろうか?

ただ、この漫画は上記の2作品とは異なり、「戦争」を話の中心に置いていない。
だから、勉強にはなるのだろうけど男性は特に話にのめり込みにくいと思う。
絵柄も「少女漫画そのもの」で美しいのかもしれないが、登場人物一覧を見てもなおキャラの認識が難しい。
源氏物語の漫画・・・は意外に少ない。これ以外では今、江川先生が連載しているのがあるにはあるが、そちらは性描写が激しくて一般向けとは言えない。
「女たらし」の代名詞的存在の「光源氏」だが、この漫画ではむしろ幼い頃に死に別れた「母親」の愛情を求めて幾つもの恋に彷徨う孤独な魂が全編を通して哀愁漂う物語となっている。
ただ・・原作は判らないが、この漫画で光源氏が若紫にしたことは強姦ではないのか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-23 13:00:16] [修正:2012-01-03 09:28:45] [このレビューのURL]

女子中学校を舞台にしたまったり日常系漫画。
掲載雑誌がモロ「百合」の漫画雑誌なので、展開的にソッチ系統かと思いきや全くそういうことはない。いや・・全くないということはないか。
少々はある・・・・・(笑)。

「けいおん!」と雰囲気的には同系統で、中学を舞台にして楽器演奏をしなくなったら「この作品」になる・・・ような気もします。
後、四コマ漫画ではなく、一応は一話完結型。

絵は可愛く、上手いほうだが、喩えていうなら
「クリームが山盛りのショートケーキ」みたいなイメージ。
つまり「脂分が多い絵」ということですね。

登場人物の年齢が13・14歳が大半を占めて、男子は皆無。
ほとんどの子が「まだお子ちゃま」な雰囲気を漂わせている点がポイント。
でも女の子が子供でいられるのはこの辺の世代が最後。
逆に言えばこの時間は非常に短いんだってこと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-24 22:42:10] [修正:2012-01-03 09:27:14] [このレビューのURL]

5点 ライフ

イジメを題材にした、そんじょそこいらのホラーなんかよりもよっぽど恐ろしい作品。
主人公の年頃の女の子が恐怖で失禁(おもらし)してしまうような展開は少女漫画として通常は有り得ない。

とにかく異様。常に自分が1番可愛がられていないと満足しない安西愛美を中心とする女子一派によるイジメの数々は「そこまで出来るもんかッ?」ていうくらいの激しさで主人公の少女・歩を心身ともに追い詰めていく。集団でたった1人をいたぶるという構図はまるで「麻薬のように」加害者である少女たちを快感に酔わせ、顔を歪ませ、そして狂わせていく。

舞台は御伽話の世界ではない。主人公は特殊な能力を持っているわけでもなく、ましてや伝説の勇者でも有り得ない。力は弱く、成績も下位、失意の内に入学した高校で「仲間外れにされること」に怯え、周囲の顔色を窺って生きてきた一般人。只の、そう、おそらくはどこにでもいるような「弱い女子高生」でしかない。

その彼女が立ち向かわなければならない敵は、現実世界に存在していた。
これは勇者でも英雄でもない女の子が、現実世界で最も恐ろしい敵に立ち向かうお話なのだ。
誤解と愛美の策略によって周囲の全てが「敵」に回る絶望的な環境の中では、自分が一人ぼっちになったような感覚に陥る。
けれど、本当にそうか?多数の人間が存在し、それらの人々のひとりひとりが別の人格を持ち、違う親から生まれ、異なる環境で生育されてきているというのに、その全ての人間が考えなく「暴虐に手を貸し、非道を看過するものなのか?」

「否」。

集団は多数になればなるほど統率することが困難になる。本来ならばクラスの「異分子」として扱われ、友情など育むことはなかったであろう羽鳥が歩の最も力強い味方となる。
最初は彼女の強さに憧れているだけだった歩が、彼女の強さに惹かれていくうちに「あらゆる困難に立ち向かう戦士の顔つき」になっていく様はたとえて言うならば「暗雲を切り裂く一筋の雷光」のようだ。

人は困難に出遭ったときに革命的に変わることがあるという。
歩の手首に残るリストカットの傷跡を「恥」と思わずにさらけ出せる日もそう遠いことではあるまい。

「茨の道を切り裂く女戦士の物語」です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-27 14:20:38] [修正:2012-01-03 09:25:22] [このレビューのURL]

掲載雑誌「りぼん」が幼児化していくのに水沢めぐみ先生と並んで吉住渉先生にも罪があった。
それが「この作品」から見え始めて、「ミントな僕ら」では完全に幼児化。
アニメ化もされたりした点で大衆受けを気にするようになってしまったのだろうか?
「ハンサムな彼女」と同じ作者とは思えない。

原作では最初、主人公カップルはラストで別れることになっていたのを(兄妹だったことが理由で)作者自身がコミックスの巻末で告白したが、なにか「編集に話したら反対されたのでやっぱり止めた」ラストはお決まりのカップル同士でめでたしめでたし・・・・って、それじゃ「ただの御都合漫画」じゃん。
自分の意思を曲げてしまった作品がたとえ高評価を得たとしてもそれはもう何の意味も持たない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-04 09:38:43] [修正:2012-01-03 09:24:07] [このレビューのURL]

数少ない「剣道漫画」の中でも「女子剣道部」に特化した作品として他と差別化を図っている・・・のかどうか全く判らない(笑)作品。
ただ、オリジナリティは十分出てる。

普通なら「女子」・・・というところで「萌え狙い」か?なんていうような穿った物の見方をしてしまうのだが、
この漫画に限っては「それはないッ!」と断言してよさそうだ。
なにせ「作画担当の画力がおせじにも高いと言えるレヴェルではない」からだ。
この絵じゃ、画力に頼って売ることは出来まい。同人作家のほうが上手い人がいる。
「萌え」云々という話になるには、作者の画力のみが突出して高いことが必須だと分かった。
よって、この漫画には「当て嵌まらない」。

剣道部なんだが、肝心の試合の描写には「駆け引き」や「戦略」はない。勢いのみで決着が付く。
ホントはすぐに終わるはずだったのだが、人気が出たらしく原作者曰く「もう少し続けなければならなくなった」とのこと。
「けいおん!」の剣道部バージョンとも言えるか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-04 18:38:06] [修正:2012-01-03 09:23:09] [このレビューのURL]

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