「gundam22v」さんのページ

コナンと並ぶ有名推理漫画です。事件ごとに1シリーズ物として
、連続殺人事件を解決して行きます。
主人公を有名な架空探偵金田一耕助の孫として少年誌で登場させたのはいきなりインパクトが凄まじかったですね(クレーム問題があったらしいですが)。
その名に恥じない推理力と個性がもった主人公で、他キャラ及び犯人も興味深い人間が多数いました。

絵が古い初期からなかなか迫力と一定の画力があります。よって連続殺人事件について一種のホラー漫画的楽しみ方も可能
です。トリックも盗作騒動があったようですが、詳しくない
自分には、驚きが多かったですね。

もっとも優れた点は、作品の途中までは、色々と考えさせられる余韻を残す人間ドラマを事件に関連して
見せてくれるところです。犯人の自殺も多いのが理由でしょうが、それ抜きにしても心に響く物語が語られています。この辺は他作品にはとてもないものだと思います。コナンやQEDと違い金田一が犯人を人間として全否定せず、真摯に接しようとしたり、粘り強い説得、逮捕後は会いに行ったりして、更生にまで配慮していたのは、事件をゲーム扱いしていないのが伝わり、非常に好感が持てました。

ただ、この作品の最大の欠点はやはりコナン同様に引き伸ばしによる質の低下だと思われます。後半の犯罪芸術家(この職業自体が気持ち悪い)の登場で色々事件がとかなった時点で、もうネタ切れなんだなとは伝わって来ました。非恋湖の犯人を再登場させたのも彼の処遇(例の事件は記憶がないからという理由だけで免責できるものではない筈)やその事件の悲しい余韻を奪う行為でしたし。

途中までの素晴らしさは高く評価したいですし、1部完結までなら粘っていた方だと思うので、今から読む人にはそこら辺を目安
して読んで欲しい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-15 02:22:38] [修正:2010-12-18 01:57:08]

月別のレビュー表示