「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

「サッカー漫画」でリアル路線を貫きます。
序盤からイタリアのプロリーグでの話が出てきて、いずれ海外での話が展開することが示唆されます。
当初は高校を舞台にした「部活動」で、主人公の姉が監督を務めるチームで全国制覇を狙うのかと思ったのですが、
この漫画はあくまでも「主人公を追っかける展開」に終始します。

なので、中盤で主人公が全日本のメンバーに選出されるようになると、主人公は海外で力をつけたくなるという流れ。
そこで他のチームメイトはどうするんだ?という疑問が浮かびますが、この漫画はある意味潔く「切り捨て」(笑)。
いや、切り捨てるのではなく主人公抜きで全国を戦うような話になり、そこから先は主人公のみにスポットが当たるようになります。

そのせいか、ライバルにしてもチームメイトにしてもどうにも存在感が薄い印象のするメンバーが多い。
戦術やフォーメーションを重視した展開は「近代サッカーの遺伝子」を受けていて非常にいいです。
でも、どうしてもキャラが弱い印象がしてしまいますね。
特に主人公のライバルは皆、主人公に前後して海外で活躍するからいいのですが、
元チームメイトはその後は出て来ずでは惜しいような・・・・・・。

確かに「どっち付かず」を避けたという意味ではそれが良かったのかもしれないんですけど。

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[投稿:2012-02-21 22:26:54] [修正:2012-02-21 22:26:54] [このレビューのURL]

少女漫画雑誌の「LaLa」でデビューされ、時代劇の「一清&千沙姫シリーズ」などで知られる著者。
しかし、短編が中心で長期連載はあまりなく、出版社を移られたようだ。

以前は時代劇で細い絵だがまずまず「綺麗な絵」を描いていたのだが、久しぶりに見た印象では
「前より絵が下手になったな」と。特に人物の顔の目鼻のバランスがおかしいコマがチラホラ見れます。

物語としては大学で研究者を目指す30代の主人公が亡くなった叔母の一人娘(従兄妹)を引き取って一緒に暮らすというもの。
無口で無愛想な「久留里」との共同生活を「お弁当作り」というテーマで家族になろうという作品。

料理漫画にしては出てくる食事が「全然おいしそうに見えない」のはいかがなものか?
やはり料理メインではなく、少女漫画的な物語展開メインと考えたほうがよさそうですね。

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[投稿:2012-02-14 09:10:23] [修正:2012-02-14 09:10:23] [このレビューのURL]

珍しい「女子サッカー」を描いた・・・イヤ、「描こうとした」スポーツ漫画だったと思うのですが・・・長続きしませんでした。

この絵では「スポーツもの」をやるには向いていないと思うのですよね。
せいぜい「恋愛漫画」(それも良くても二流ランクの)が描けるかなあ・・・っていう程度だと思います。厳しい言い方になってしまうけれど。

「絵」と「ジャンル」の相性を馬鹿にしてはいけないことが分かりました。

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[投稿:2012-02-13 09:04:56] [修正:2012-02-13 09:04:56] [このレビューのURL]

「赤ちゃんと僕」「しゃにむにGO」で知られる羅川真里茂先生の新作。
題材は「津軽三味線」で、それを初の少年誌連載でやろうというのだから、意欲的半分、挑戦的半分というところか。

津軽三味線の名人であるところの祖父を失い、自分を見失っていた高校生の雪(セツ)。
故郷の青森を飛び出して当て所もなく東京へ。知り合ったグラビアで活躍している女性の自宅に転がり込んだ。
女性も少年も自分の進む道が分らず、霧の中を彷徨っていた。
だが、ライブでの雪の演奏は会場を興奮のるつぼに巻き込んでいく。

雪の新生活は東京の高校へと舞台を移す。三味線同好会を発足させて新たな船出をきる。
果たしていかなる航海となるのであろうか・・・・・・?

「音楽」をテーマとした作品はそれなりにあれど、津軽三味線は今までにないテーマ。
羅川先生の絵は元々が「少女漫画」っポクないので少年誌での連載でも全く問題がない。

但し、音楽漫画は「音が実際には出ない」という問題をいかに紙面上に表現するかが重要。
津軽三味線を実際に聞いたこともない人が読者に多いと思われる中で、それほど共感を呼べるのかは未知数だ。
今後に期待したいところではあるが・・・大会出場等でやはり「少年誌的バトル展開」が予感される。
アニメ化は・・・・・ヒットしたらアリ?

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[投稿:2012-02-13 00:59:47] [修正:2012-02-13 00:59:47] [このレビューのURL]

本格テニス漫画。

高校に入学してからテニスを始めた主人公。
細かい性格で分析が得意。勿論、成績も良くて優等生。
でも人生で打ち込めるものがなかった。

そんな彼が始めたテニスに夢中になり、素人から次々とレベルアップしていく戦いの軌跡を描く。

とにかく「メモ魔」の主人公は試合の合間でも次々とメモをノートに取り、分析を重ねていく。そのノートの記録を反芻することと、天性の視力の良さ、そして飛びぬけた素質などないがその代わり「大きな弱点もない」という、「オールラウンダー」という主人公としては最もありがちな特性で物語を紡いでいく。

ヒロインの女の子は可愛いが実は絡みは少なく、ライバルになるような女の子もあまり登場しないため、スポーツラブコメではない。

むしろ、主人公の性格に代表されるように「理論重視」「科学的トレーニング重視」な内容だと思います。

絵の見やすさも「マガジン連載作品」の中では特筆かと。

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[投稿:2012-02-07 23:59:16] [修正:2012-02-07 23:59:16] [このレビューのURL]

「放浪息子」「青い花」で知られる志村貴子先生の初期連載作品のひとつ。
「放浪息子」のアニメ化に便乗する形で新装版として発売されました。

大家族に生まれた長女がプロレスラーとなったものの、好きな男が出来て失踪。
そして5年後に子連れで舞い戻ったところから話はスタートする。

入籍はしていなかったので未婚の母。子供は女の子。
「またプロレスやり直したい」って言っても周囲の目は冷たく下働きからやり直すハメになった。
男とも絆が切れたわけでなく、その後も度々舞い戻る始末で情けなさ全開。
家族も彼女に輪を掛けてのちゃらんぽらんさで話は「なあなあ」「流され」で進行する。

女子プロを題材にした漫画は珍しく、しかも作者唯一のスポーツ漫画(?)でもある点が注目です。
しかしながら、試合のシーンはやはり描写にイマイチ迫力がなく、その辺はあまり成功しているとは言い難いです。

アニメ化なんて話が巻末で出ていますが・・・・当たらないでしょ(汗)

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[投稿:2012-01-29 00:14:57] [修正:2012-01-29 00:14:57] [このレビューのURL]

9点 マギ

今迄にあったようであまり見なかった「アラビアン・ナイト」の世界観を下地にした正統派冒険漫画。

「ジン」「マギ」「ルフ」
謎に満ちたキーワードの数々が散りばめられ、心躍る。

基本は「旅」である。世界各地を駆け巡るのだ。
そして多くの土地で「出会い」を重ねる。それが仲間を作っていく。

立ちはだかるのは「迷宮」。行き着くのはお宝か?それとも「それ以上の何か?」か。
迷宮突破という「山場」が用意される。

度々、ワープして舞台が変わるため、世界の広さの全貌が明らかにされていないことが返って無限の可能性を感じさせる。
作者は女性というのも異色。「少年誌向けの絵でありながらも、女性ならではの繊細さを感じさせる場面」がいくつもアリ。

久しぶりに夢中になってページをめくった経験に忘れかけていたワクワク感を思い出させてもらった!

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[投稿:2012-01-25 23:23:34] [修正:2012-01-25 23:23:34] [このレビューのURL]

ハーフの双子の女の子と造形師のお兄さんを中心とした人間模様・恋模様を描く。

基本的には「可愛いは正義!」という内容。
お兄さんを大好きな妹2人が少女から女へと変化していく過程を綴る。
純真で無邪気な双子も似ていても別の女の子。

誰とでも友達になれて人気者の「あんず」に対し、妹の「すみれ」は
人見知りが激しくて友達が少ない。

でもその分だけすみれのほうが恋には敏感だった。
幼馴染の男の子を好きだと気が付いて、お姉ちゃんよりも先に「女になった」
でもその男の子は親友の女の子が好きな相手。

板ばさみの三角関係の辛さなんて・・・知るはずもない。
知ってしまったらもう戻れない。それも「大人になるのだということ」なのだと、 後に大人となった双子はかつての自身を自らの子供に重ねて思い出すこともあるのだろうかと。

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[投稿:2012-01-24 22:34:57] [修正:2012-01-24 22:34:57] [このレビューのURL]

山岡荘八原作の小説を横山光輝先生が漫画化。

織田信長は日本史上でも1・2を争う英雄であるはず。
が、なぜか未だ「織田信長漫画の決定版」というような作品は出てきてない。
というか、織田信長漫画の数自体もあまりないような・・・・・。

そんな中でこの作品が現在まで版を重ねていることが定番というような証かもしれない。
が・・・やはり信長の生涯を表現するのに全4巻は短すぎます。
ひとつひとつのエピソードが短いし、大河ドラマの「総集編」的なイメージがする。

「主人公」なためか、信長も他の横山作品に出てくる信長より若々しく描かれています。
でもそれが逆に違和感を感じる部分でもあります。
他の横山作品では合理主義者が前面に出されているのに、この作品では「情に厚い親分肌」の面が強調されている。

コンパクトに信長の生涯を知るには良作ですが、やはりまだ「信長漫画の決定版」は登場していませんね。

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[投稿:2012-01-21 22:59:56] [修正:2012-01-21 22:59:56] [このレビューのURL]

コロコロ連載作品では傑作に挙げていいと思います。
どこかの雑誌でマガジン連載の「コーターローまかりとおる」の幼年誌版だと書かれていましたが、さもありなん。
ただ、こちらのほうが画力・ストーリーともに優れていると思います。
小学校卒業で完結したかと思いきや、ちょうど小学館漫画賞を受賞したことで続編の連載が決定。
寿命は延びましたが、離島で教師をやるのはハチャメチャでしたな。
大人になった男吾の仕事って・・・何でしょうか?教師は向いてそうですが、学力的に無理か?

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[投稿:2012-01-20 21:22:01] [修正:2012-01-20 21:22:01] [このレビューのURL]