「gundam22v」さんのページ

[ネタバレあり]

超有名レベルの長編妖怪バトル漫画です。
絵柄に癖はありますが画力は高く演出が上手いのは
藤田作品の特徴だと思います。
ただ前評判聞いてないと10巻くらいまでは主人公潮の
暑苦しく青臭すぎる叫びがうっとおしい、相棒妖怪とらが
主人公を助ける態度がミエミエでわざとらしい、各地を
転々と人情妖怪退治で説教臭くグダグダとか問題点を感じました。何度か止まってしまったのが正直なところです。

しかし、中盤くらいから物語が展開、加速してそこから最終決戦は怒涛の勢いのまま綺麗に畳んだのでやはり名作だと思います。
それまでの中だるみ的な登場人物までしっかり絡めましたし。
伏線も膨大ですがちゃんと回収して、槍の文字、
お役目様の行動の意味、ラスボス
である白面こと九尾の狐やとらの正体などには驚きました。
流のような良い兄貴分キャラかとみえて主人公うしお
への逃げ的な憎悪で本気で裏切っていた、とらがどうせ
助けるのかなと思いきやしっかり殺すなど予想外の展開
など終盤のインパクトも大きかったです。
最終決戦の見事さは特筆もので、このために全ての物語は
あったというほどになっています。

ラスボスである白面こと九尾の狐は実在の伝承を絡めつつ、その狡猾さ、邪悪さ、強さは絶大であり、最初から最後まで一貫してラスボスから動かなかった点でも漫画界有数の存在感があった悪役だと思います。

個人的に序盤が本当に厳しかったのでそこは短所ですが、
それ以外は高評価されてしかるべき歴史的名作漫画だと
思います。自分同様に序盤で駄目だと思った人も我慢して
最後まで読む価値は間違いなくある作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-09-11 01:22:06] [修正:2013-09-11 01:26:57]

月別のレビュー表示