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四国の雄「長宗我部元親」戦国時代を勉強すれば誰もが知っている人物ですが、かといって詳しい人は少ないマイナーな域を出ていない元親を主人公にした作品。絵柄に癖あれど画力、迫力、演出が良くて単なる歴史語りになっていない、概ね史実準拠で話がまとまっているところなどからも学習用要素もあり評価出来るかと。四国から見た信長、秀吉との中央政権とのリンクにはニヤリとするところがあり新鮮な歴史を楽しめます。最近台頭する本能寺四国原因説をほぼ採用しているのも勉強になると思います(実際はあるとしても補助要素くらいかとは思いますが。斎藤利三は本作じゃそれが要因で謀反賛成ですが、史実的には無謀と反対していたようですし)。『センゴク』の主人公仙谷権兵衛の醜態は如何にも悪役なキャラはともかく概ねこの通りなのは事実ですし、知ってはいたものの衝撃です(その後復活したのも知っているからこそ尚驚き)。元親は大河ドラマでも主人公をやれそうな要素たっぷりな人物であり(仙石が要因である息子の死後は暗愚化しますがそのことはエピローグで触れている)、その魅力を描きながらも天下人には届かない限界という部分も描いており、単なる主人公賛美で終わっていないところも素晴らしいかと。歴史漫画として良作であり、作者作品は他にもこの手のが多いようなので読んでみたいと思える出来でした。

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[投稿:2015-02-12 02:34:21] [修正:2015-02-12 02:34:21]

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