「gundam22v」さんのページ

1988年の近未来SFロボット漫画。電話関係の所などには今読んで古さを感じますが(現在が飛躍的過ぎか)、概ね古さを感じないのが素晴らしいです。取り扱われた警察の現実、企業の闇、外国人就労問題、環境テロ、人身売買などは現在にも通じる普遍性があります。動きがゆったりではありますが、ロボットであるレイバーの格好良さと格闘は引きつけられます。

大ヒットドラマである「踊る大捜査線」にも影響を与えた警察組織を扱いながらの、コミカルとシリアスのバランスは見事です。主人公泉野明の普段不真面目なのに、いざという時頼れる上司後藤隊長とトリックスター的で今でいえばサイコパス愉快犯である内海の存在は印象的。

欠点としては特に熱があるというようなシーンがある訳でもなく、展開としても後半に行くにつれてグダグダしたかなとは思います。主人公の警察志願理由、遊馬と父親の確執問題、裏金疑惑、内海以外の極東マネージャーや黒崎らの報い、伝聞で終わったおタケさんのその後など放置されて終わったような部分も散見しました(廃棄13号事件での女科学者の父親と博士の間には何があったのか、途中の札束問題でも強盗じゃないという以外には語られなかったり、本作はもともとそっけない部分がある)。

しかし、本筋で争った内海との決着はついてますし、主人公視点の成長物語としても一区切りはしています。第一話と最終話のタイトルを対比させる演出にはグッと来るものがありました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-12 21:03:44] [修正:2017-07-12 21:03:44]

月別のレビュー表示