「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

数少ない「剣道漫画」の中でも「女子剣道部」に特化した作品として他と差別化を図っている・・・のかどうか全く判らない(笑)作品。
ただ、オリジナリティは十分出てる。

普通なら「女子」・・・というところで「萌え狙い」か?なんていうような穿った物の見方をしてしまうのだが、
この漫画に限っては「それはないッ!」と断言してよさそうだ。
なにせ「作画担当の画力がおせじにも高いと言えるレヴェルではない」からだ。
この絵じゃ、画力に頼って売ることは出来まい。同人作家のほうが上手い人がいる。
「萌え」云々という話になるには、作者の画力のみが突出して高いことが必須だと分かった。
よって、この漫画には「当て嵌まらない」。

剣道部なんだが、肝心の試合の描写には「駆け引き」や「戦略」はない。勢いのみで決着が付く。
ホントはすぐに終わるはずだったのだが、人気が出たらしく原作者曰く「もう少し続けなければならなくなった」とのこと。
「けいおん!」の剣道部バージョンとも言えるか?

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[投稿:2010-12-04 18:38:06] [修正:2012-01-03 09:23:09] [このレビューのURL]

「ハガレン」を完結させた著者による新作は農業学校を舞台にした一風変わった作品。
優等生が家庭を離れて何の夢も無く農業高校に進学し寮生活に。
周りは研究者志望の人間や獣医師志望やら農家の跡取りやら。
「場違い感」丸出しで居心地は良くなかった。しかも、慣れない実習生活に心身ともに疲労困憊。
けれど個性的な仲間たちと共に送る生活は自身の新たな可能性を目覚めさせるのか?

農業学校と言っても「農作業」よりむしろ「畜産寄り」の話という印象です。
牛・馬・豚という「食われる側」の悲哀を浮き彫りにする。
「動物のお医者さん」をもっと現代的にしてシリアスな味付けにしたようなイメージ?
週刊誌連載なのでそれなりの巻数にはなるのではないかと思いつつも、ドラマは少なさそうです。

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[投稿:2011-12-17 01:36:41] [修正:2011-12-17 01:36:41] [このレビューのURL]

漫画を楽しむ人間の多くは手塚先生の影響の延長上にあるといえると私は思う。
例え一度たりとも手塚作品に触れたこともない読者がいたとしても、他の作品のほぼ全てが
「手塚作品の影響下にある」からだ。
もっと言えば今日の日本の漫画の隆盛も「手塚治虫抜きでは語ること出来まい」。
だから現在連載中の漫画作品のほぼ全てが「手塚作品の落とし子である」とは言えまいか。

そんな漫画の神様も自身が起こしたアニメ制作会社の経営が破綻したときにはスランプに陥り、長い冬の時代だった。
手塚ももう終わり・・・・そんな声が囁かれていたという。だが、神様は復活する。
自らも医師免許を取得している神様は「ブラック・ジャック」で無免許医師を主人公にして大ヒットを飛ばした。
そんな手塚に連載誌の担当者は〆切を守らせるために夜を徹して張り付いていた。
売れっ子になった手塚は8本の連載を同時に抱える多忙。

しかし手塚の〆切はなかなか守られず、出版社では「手塚番」という専属担当がいたほど。
無茶苦茶なスケジュールに無茶苦茶な仕事量とくれば、連日の徹夜作業が常。
手塚先生は「面白くない」と判断されれば、全ページを全く違う話に描き直すような編集者泣かせの漫画家だった。
この過労が結局のところ先生の寿命を縮めることになったのかもしれない。
本当なら80?90歳まで生きられていたはずが、60歳で胃がんのため死去する。

そして、漫画以外にも「アニメーションに対する情熱」は生涯冷めなかったらしい。
晩年まで新作を世に送り出したいと望み、奔走した。
だが、いざ出来上がってきた作品は「リテイク(撮りなおし)の連発」で、スタッフを泣かせたそうだ。
クリエイターとして「読者や視聴者を楽しませること」に対して妥協が出来ない人だったんですね。

多くの人間に影響を与えた手塚氏は新人や自分よりも人気のある漫画や漫画家に対する嫉妬心・敵愾心も凄かったそうである。
「人間臭い神様」。でも、そんな先生を悪く言われたことのある多くの人も尊敬し、慕っていた。
「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる水木先生よりも年下なんですよね。水木先生は現在もご存命だから、手塚先生も今尚生きて作品を生み出されていた可能性だってあったんです。
でも確実なこと。60年の生涯で世界中の人々に夢や希望を与え続けた。いや、その死後から現在に至るまで変わらずだ。
並の人間が100年掛かったとしても到底出来ないことを成し遂げた先生の生涯は・・・・傍から見たら「素晴らしい成果」なんですが・・・・
ご本人は「まだまだやりたいことがたくさんあった」になることは間違いないという総論になりますね。

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[投稿:2011-12-17 01:35:36] [修正:2011-12-17 01:35:36] [このレビューのURL]

この世の境目に生きるものたち「妖怪」を見ることのできる少年が、それ故に受ける受難の日々を描く・・・・・・。

こう書くと、今市子先生が描かれている「百鬼夜行抄」と似た印象だが、実際に読んでみると両作品は「非常に近いジャンル・雰囲気・キャラ立て」であることが判る。

ただ、百鬼夜行抄の主人公・律が特殊能力など持たず(妖怪が普通に見えてしまうという点が夏目と同じくらい)、「基本的には起きる事件の主体ではない」のに対して、この作品は主人公が祖母から妖怪を操り統べる「友人帳」というアイテムを受け継いでいるという点が大きな違い。
よって夏目のほうは毎回の事件に律と比して主体になれる分だけ「積極的な関わり」をしている印象。

用心棒の妖怪が周囲にいたり、親族が主人公が妖怪が見えることのルーツにもなっていたりと、両作品の共通点は多いです。

ただ、読み切りとしての扱いで掲載されたお話が多いので、
「毎回毎回、夏目が妖怪が見えたため周囲の人間から疎外されてきた過去」
を冒頭に「前フリ」のように入れるのは「続けて読んでない新規読者への配慮」とは理解しつつも、こうしてコミックスとして発売された後にまとめ読みしてみると、続けて読んでいる人には
「ややうっとおしい」印象がしてしまいます。

それと上記はあまりにも「夏目の孤独」だけを強調してしまうという結果も招いてしまっています。

百鬼夜行抄の律もロクに友人もいないなどしているのですが、この作品ほど「孤独感を強調されている」というわけでもありません。
両主人公の性格的な違いもありますが・・・・とりあえず上記2作品を「読み比べてみれば」私の言いたいことが分ると思われます。

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[投稿:2011-12-04 20:02:04] [修正:2011-12-04 20:02:04] [このレビューのURL]

近頃、ちょこちょこと本屋の書評で見掛けるようになった「野球漫画」。
だが、主人公は26歳の左投手。高校でドラフト入団も指名は最下位。契約金は僅かに1,500万円だった。
8年経って1軍に中継ぎ投手として定着するも年俸は僅かに1,800万円。
一流どころは1億円がザラの華やかな世界に身置きながらも本人曰く「全然ダメ」な状態。

プロ野球選手は現役時代が「花」。現役時代にいくら稼げるのか?
現役を引退したら翌年は年収が100万円台になったなんて話はいくらでもあった。

これはヒーローが華々しく活躍する野球漫画に非ず。
2流半の男がどうやってプロが鎬を削る厳しい世界で金を稼ぐかに特化した「裏舞台野球漫画」である。
「グランドには銭が埋まっとる」は故・鶴岡一人監督の名言だそうだ。
どの世界でも生き残りは厳しく「ばら色の人生など、何処にもない」のだ。多分。

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[投稿:2011-12-01 23:03:32] [修正:2011-12-01 23:03:32] [このレビューのURL]

7点 YAIBA

確か小学館漫画賞を受賞していたと思ったのだけれど、そのときの審査員のひとりにあの「石ノ森章太郎」先生がいらっしゃって、面白いと絶賛していましたね。

マンネリ化しているコナンよりもスッキリと終わらせているのも好印象。話としてはもっと続けることだってできたはずだが、敢えてそれをしなかったのだろう。
見所はかぐや編のかぐやとの対決。そして地底王国での戦い。最後にヤマタノオロチ上での鬼丸との決戦を挙げたい。次々と出てくる鬼丸一味の怪人がユーモラスで良い。

ゲッコーが封印を解いた「魔王剣」は武器として出色の存在感があったと思う。
「邪悪な心を吸収して破壊力に転化する」という特性には刃も最後まで苦しめられた。

「かぐや編」では魔王半月剣までの使用に止まったのは、後に「鬼丸」が使用者となったときに最大の「魔王満月剣」を放つという布石だったのですね。

「ヤマタノオロチ」もスケールの大きさではとてつもない存在。日本列島自体が竜になる・・・!という展開も確かに日本列島の形を確かめたら竜ソックリだよな、と妙に納得してしまった。

それを操って世界を焼き尽くそうとする鬼丸のセリフも無茶苦茶な迫力があった!

ただコナンの次作で「YAIBA2」とかやり出さないかが唯一の不安点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-11-06 00:25:49] [修正:2011-11-06 00:25:49] [このレビューのURL]

サンデーの「コナン」と並ぶ探偵漫画の二大巨頭の片割れです。
ですが、これも金田一少年の行くところ「殺人事件ばかり」でイヤになる。

コミックスの5巻くらいまでは初版は「漢数字」で表記されていたのですが、
コナンと並んでの大ヒットで連載が長期に及ぶことが確実になったためか、
途中から表記が数字に直されました。

つまり、作者側も編集部もここまでのヒットになると予測はしていなかった事実。
コナンよりも終わらせた分だけマシという感じですが、結局切れ切れで連載を再開させたりしてて
編集部側の「金儲け臭」がしますね。

コナンよりも「江戸川乱歩的な世界観」が構築されてはいて、低学年向きの前者との差別化はされています。
でも、結局は漫画として本質では同じ問題を共有するような「双子作品」だと思います。

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[投稿:2011-11-05 14:41:56] [修正:2011-11-05 14:41:56] [このレビューのURL]

絵柄がちょい古いのですが、大正時代を舞台にしながらも事実上「時代背景を無視した」と言っていい大河ラブコメディ。

とにかく登場人物の大多数が酒乱で(笑)、酒が原因で揉め事に至る確率高し。主人公の紅緒も可愛い外見に反した男勝りで騒動の中心にならずにはいられない。シリアスなシーンとコミカルなシーンとの描き分けがしっかりと出来ていて、シリアスなシーンでは感動し、心を揺り動かされつつもコメディのシーンでは思い切り笑えてしまうというメリハリの良さが魅力。

ラスト近辺では「関東大震災」を絡めて、動乱の中で離れ離れだった少尉と紅緒が結ばれるシーンは感動的。
番外編では別世界のパラレル・ワールドに行ったりして・・・・って「大正ロマンス」のはずなのに(笑)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-05 11:31:39] [修正:2011-11-05 11:31:39] [このレビューのURL]

マガジン連載の「金田一少年の事件簿」と並ぶ探偵漫画の最も有名な作品。

だが、内容はもうグダグダ。何とコミックスは70巻を突破しており、長期連載として名高い
ジャンプの「ワンピース」よりも長いのです。
これは基本的に連続した1本の物語ではない、探偵ものでは驚異的っていうか、驚異的に不自然(笑)。

巨悪の黒の組織との話は遅々として進まず、新たな殺人事件が毎回毎回繰り返されるだけ。
それにこのジャンルでは禁句かもしれんが「人が死に過ぎ」。
コナンたちは一体、生涯に何回の殺人現場に立ち会うんだ???
しかも小学生が度々殺しの現場に立ち会ったりしたら、トラウマで精神に異常をきたすであろうところ、
平然としているしさ。ムチャクチャだ。

「コナン行くところに殺人事件あり」なので、最早コナンたちを始末したほうがよっぽど悲劇が回避されるような気がする。
初期の頃には確かに集めてましたよ。でも、引き延ばしが顕著になってからは全て捨てました。

80年代・90年代の連載漫画作品は長期連載でも「せいぜい30巻台」で完結していたはず。
それが今や50巻以上が当たり前の世の中になってきてしまった。
これは結局のところ、売れるもので稼げるだけ稼いでおこうっていう汚い大人の事情だけのような気がする。
作者が率先的に70巻もの長期連載を週刊誌でしたがるとは思えないし。
探偵もののこの作品では特に。
でも青山先生にもいいイメージは薄れてきてるのも事実。コナン繋がりで結婚された奥様とも結局離婚されたし。
「お金で人生狂った」んではないのは穿った見方なのかなあ・・・・。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-11-05 11:26:26] [修正:2011-11-05 11:26:26] [このレビューのURL]

ドラクエの世界観を上手く漫画化に成功させたと言って良いのではないでしょうか。
ただ、やっぱり子供向けの印象は免れられないな・・・・。

敵側は次々とやられていくのに味方側の死者は実質パランだけってのも都合が良すぎる気が。アバンもヒュンケルもクロコダインも次々と復活したし。後、チウの実力も無いくせに勘違いした振る舞いの数々は見ていて頭にくる。唯一、嫌いなキャラ。
同じドラクエ漫画の藤原カムイ先生の「ロトの紋章」と比較されることが多いようですが、自分は内容的にはほぼ互角。構成力・画力で若干カムイ先生のロトの紋章に軍配が上がるかなと思います。

ポップの最強呪文「メドーローア」ですが、せっかく習得したのに見せ場がほとんど無かったのは残念。
実質、メドローアで倒したのは親衛隊のシグマだけだし。ま、キルバーンのトラップを脱出するのには役立ちましたが、「ドルオーラ」と並ぶ最強呪文がそれじゃちょっと・・・・(笑)

コミックスの呪文紹介にもありましたが、やはり「決まればいかなる敵であろうとも消し飛ばせる」というのは使いどころを難しくしただけだったのでは。相手が強敵であればあるほど一撃で勝ってしまっては困るわけですし。元々「対親衛隊」を想定して身につけた呪文だったからそれでも「結果的には」良かったのかもしれませんが。

最後に疑問をひとつ。バランが滅ぼしたリンガイア王国とフレイザードが滅ぼしたオーザム王国ですが、両国ともに国王の生死が不明のままのような気がするのですが、サミットのときの捜索中は登場の伏線ではなかった?

この作品、大魔王バーンは完全に滅ぼしたものの、冥竜王「ウェルザー」を登場させながらも、最終的に「そのまま放置」・・・という問題が残ってしまった。

ウェルザーは封印されているだけで、しかもその封印もいずれは解ける・・・となれば、明るい未来の完全勝利!・・・・で終わっていない。
まあ、ウェルザー復活までにはまだ数百年以上の年月が必要らしいので、レオナやマァムやポップは人間だから寿命によって生きている間に危機を迎えることは確かに無いのだが。(ダイも寿命的には人間とそんなに差は出まい。)子孫が困る!
「未来に確実に災厄が先送りされてしまった」ので、明るいラストシーンなのだが、前述の問題点を思い出して「ちょっと待てよ・・・」と勘のいい人間なら思う。

この点の解決法として続編の構想もあったようだが、結論からいって「やらなくて正解」。
コミックスにして数えて37巻も続けたのだから、これ以上の引き延ばしは、致命傷になるところだった。
だから前述の問題と、この点が「矛盾」してしまい、
「(ウェルザーの復活する)未来に『ダイ以上の勇者』が現れることを祈ろう!」
という、なんかなあ??っていう妥協点に落ち着いた。でも・・・これは仕方ないのかな・・・?

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[投稿:2010-07-03 09:14:46] [修正:2011-10-30 17:04:32] [このレビューのURL]