「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

とにかく巻数が多すぎるため、初期と中盤さらには後半ではキャラは同じでも雰囲気は大きく異なる。

部長・麗子・中川も初期のほうが結構無茶をやっていた。
ピークは100巻達成したところだろう。

100巻突破したら急に絵が雑になるわ、キャラの性格がおかしくなるわで作品としての評価が急落した。

私もコミックスは100巻以降は買っていない。
100巻で終了していれば9点。続けたため結局のところ評価を下げただけなのは非常に残念。

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[投稿:2010-12-31 13:27:47] [修正:2010-12-31 13:27:47] [このレビューのURL]

古都・鎌倉を舞台にして紡がれる家族・兄弟・仲間たちの物語。
3姉妹が家を出て浮気相手に走った父親の葬儀にて出会った腹違いの妹。
行き場を失くしていた少女を鎌倉の家に迎えることにして、4姉妹の同居が始まる。

・しっかり者の看護師である長女。
・男にすぐ騙されるチャランポランな次女。
・ゲテモノ喰いな三女(笑)。
・登場当初は大人しいと思わせつつ、サッカーを男の子たちと嗜む四女。

鎌倉という土地柄が醸し出す雰囲気を紙面上で再現するこの凄さ!
そこに暮らす人々が抱える様々な悩みを通して家族の有り様・姉妹の絆を映し出す。
江ノ電。寺社仏閣。花。息づく歴史。そして・・・・海。

住んでみたい街ランキングでも常に上位(関東圏)という鎌倉の魅力は正に
「鎌倉版・和風若草物語」の世界である。

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[投稿:2010-12-23 16:06:15] [修正:2010-12-23 16:06:15] [このレビューのURL]

女子小学生の妊娠・出産を通して現代社会の多々の問題を問う話題作。

11歳の女子小学生・春菜はある日、同級生の男の子と知識のないままに性交・セックスをしてしまう。
春菜はもう初潮を迎えていた。そして相手の男の子も精通を迎えていた。
でも「子供の作り方」までは知らなかった。当然に性的な快感を求めたものではない。
けれど春菜のお腹の中で出会った精子と卵子は結び付いて受胎する。
望まない妊娠ではあったが、周囲の同級生たちを巻き込んで小さな命を守るための子供たちの奮闘が始まる・・・・・・。

小学生の妊娠は現実でもあり得る話ですが、昔はそういった事があっても表には出ないまま隠されてきたのでしょうね。今は情報がオープンになりやすい社会だから、あったら噂になって広まってしまう。
ただ、それでも「小学生同士の行為による妊娠」は珍しいケースだと思う。
大抵は男のほうが年上だと思われるので、男子側が求めない限りは女子小学生の妊娠はあり得ないとも言える。小学生の女の子のほうが誘う・・・・ってのも不自然だし。

さそうあきらさんの絵は版画みたいなタッチなので、こういったテーマで描いているにもかかわらず、「全くいやらしさを感じさせない」のは凄いと思います。
カバーの絵なんかみても正にそう!

だから本当に「テーマに絞ったお話」として読めるのです。
「いやらしさ皆無」で性や命を取り扱えるのはある意味「ファンタジー」でもあるんですが。

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[投稿:2010-09-11 17:56:32] [修正:2010-12-23 00:20:22] [このレビューのURL]

最初の頃は確かに面白かったし、笑えた。
ただ今読んでみるとそうでもないし、下ネタに不快感を感じる。
ギャグ漫画はストーリー漫画と比較して賞味期限が切れるのが早いのかもしれないので長期連載は大変だ。
作者自身文庫版で「そうそう毎週毎週ギャグは出ない」と言っていたし。
その点で後半はかなり失速ぎみだったし、後に描かれた続編はギャグが滑りまくって全く面白くなかった。
ラストも実は宇宙人だった・・・って。確かにキャラを考えると「宇宙人オチ」か「夢オチ」で終わらせるしかなかったかな。
ギャグ漫画の「終わらせ方」もストーリー漫画以上に難しいと感じた漫画だった。

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[投稿:2010-11-23 20:35:03] [修正:2010-12-23 00:16:33] [このレビューのURL]

それまでの「柔道漫画」に対する泥臭さや男臭さというイメージを塗り替えた「YAWARA!」と並び比すべき、正に柔道漫画の「NEWウェーブ」。

熱血・クール・チビ・デカ・色モノ(笑)というある意味、「戦隊もの」のキャラを主要メンバーに割り当てて展開される部活動の日々は、爽やかさを前面に押し出した青春ライフ。

ライバル・女子生徒・指導者等の魅力的な脇キャラの数も物凄いことになっており、作者の出世作といってよい。

気楽に部活動をしていた面々が全国大会にまで行くぐらいに急成長を遂げるのはちょっと無理があるところなのだが、全30巻一気に読めてしまうから不思議である。

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[投稿:2010-12-19 08:33:46] [修正:2010-12-19 08:33:46] [このレビューのURL]

9点 7SEEDS

まずは「恐るべし、田村由美。」
内容的には「少女漫画」なんていう括り自体が「無意味」に思えてくるSF巨編。

舞台は「BASARA(バサラ)」と同じく、文明の滅びた未来の日本。
いや、時代としてはもっと先で、文明どころか人類そのものが滅亡したといってよい未来の地球。
こうなることを予想していた現代の各国政府首脳は、「春・夏・秋・冬」という季語の名前を持つ人間をそれぞれの季節ごとに数名ずつ集め、冷凍冬眠させて来るべき「人類滅亡後の世界」で目覚めるように手を打っていた・・・・・・。

さいとうたかを氏の「サバイバル」の未来版というと分かり易いか?。
あれをもっと原始時代風にして「少女漫画」と「SF」のエッセンスをミックスするとこうなる。
生き残った人々を襲う自然の猛威・野生の動物(怪物?)・地殻変動に火山噴火・・・そして・・チームの仲間が次々と死んでいくことによって「ひとりぼっち」となる孤独。

相変わらず田村先生は「少女漫画」でありながら、そんな枠組みを軽くブチ抜いていくような作品を描かれる。とにかく先の展開が全く読めない。置かれている立場からして、登場しているキャラたちにもそれは全く読めないだろうし、ひょっとしたら描いている田村先生ですら読めていないかもしれない。

それにしても現代における「人類の天下」なんて「地球の寿命」から考えれば、ごく僅かな期間に過ぎず、あれほどまでに発展していた文明が滅びたらまた原始時代に逆戻りする・・・っとていう正に「栄枯盛衰」の持つ不思議さ。

そして・・・・それ故に、「再度栄えることもできるのかもしれない」と、胸の奥に湧き上がる大いなる「希望」!。
「希望持たずに生きるは、生ける屍に等しい」と理解する。

男性読者の方、田村先生の作品を読めば「並の少年漫画」なんてブッちぎる面白さに驚愕しますよ。
男性こそ「この世界」を体感するべきだと思います。
興味を持っていただけた方は「まずはBASARA」からどうぞ。

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[投稿:2010-12-18 22:23:22] [修正:2010-12-18 22:23:22] [このレビューのURL]

これも「発掘しなくていい才能を無理矢理発掘した」典型的な例。
結果として、ジャンプの質の低下を内外にアピールしただけだった。
読めても小学校の低学年までだろう。勿論、男の子限定・・・・。
そこから考えても掲載の雑誌を間違えていると思う。
「ボンボン」か「コロコロ」ならこんなに叩かれなかったと思う。
というか、無視されて消えた可能性も高い。アニメ化も「何かの間違い」だったと今でも信じている。

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[投稿:2010-12-18 21:31:12] [修正:2010-12-18 21:31:12] [このレビューのURL]

「エマ」の森薫先生の新作。相変わらず群を抜いて絵が上手い。
今回も森先生の趣味全開で興味の対象がメイドからシルクロードの遊牧民にシフトしました。

12歳の夫に嫁いだ花嫁はなんと20歳の姉さん女房。
現代で言うならば「小学生の男の子」に「高校生の女の子」が嫁いだようなもの。
草原での暮らしは毎日が平穏・・・で賑やかで家族の関係が強い。
家族関係が希薄になったという日本人とはかけ離れた生活だ。
外の部族から嫁に入った彼女はまだ夫とは性関係は持っていない。

つまり「乙女の嫁」≒「乙嫁」でありました。
8歳の年齢差のある二人が日々の触れ合いから少しずつお互いを慈しむ心を育てていく軌跡。
まだ肉体的に結ばれるには早いけど・・・・・・。その分、心からゆっくりと近付いていくのです。

森先生の趣味≒仕事は正に「好きこそ、ものの上手なりけり」の諺通り(笑)。
エマは「結ばれる(結婚する)まで」。これは「結ばれて(結婚して)から」のお話。

愛はどちらからでも育めるのだと知れる1冊!勿論、「森先生の愛情」もてんこ盛り!

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[投稿:2010-12-18 12:50:02] [修正:2010-12-18 12:50:02] [このレビューのURL]

理由不明でモーニング連載からライバル雑誌に移籍して仕切り直しの「ブラック・ジャックによろしく」。

「新」が付いても、相変わらず斉藤クンは理想と現実のギャップに苦しんでいる。
新シリーズでは初っ端から私生活でも恋人の看護婦と「結婚」を意識させられつつも、どうにも煮え切らない態度しか取れない。
医師としても半人前の彼は、まだ夫となって1人の女性を幸せにしていく覚悟も、ましてや父親となるような覚悟も持てていない。

「理想」と「現実」とのギャップを意識して、その隙間を埋めきれずに苦しむ・・・なんてことは誰しもにあることで、別に斉藤クンに限ったことでは当然ないのだけれど、この漫画は「医療の最前線」が舞台なため、より雰囲気が重苦しくなる。
病状についての説明も淡々としており、逆にそれが恐ろしい。
読んでいる自分もその病気に身体を知らないうちに蝕まれているのではないか・・・?などという被害妄想がついつい働いてしまう。
「忍び寄るホラー漫画」と仇名したい。
ただ・・「絵」が下手になった・・・・・・普通は上手くなっていくのに・・。なぜ・・・・?

「爽快感」とは程遠い作風は読者にも作者にも「逃れ切れない現実の悲惨」を付き付ける。

くれぐれも「一刀両断易し」と思うなかれ。

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[投稿:2010-12-18 12:39:25] [修正:2010-12-18 12:39:25] [このレビューのURL]

5点 神の雫

「ソムリエ」に次ぐワイン漫画ですね。
「酒」と言うとビールが大衆的なイメージにあるのに比して、ワインはやはり高級なイメージがあります。
昔なら「こんな漫画」はまず有り得なかったんでしょう。ワインは西洋では生活の一部ともいえる存在として人々の中に深く関わってきていたのでしょうが、日本では「贅沢な趣味」と取られても仕方なかったことでしょう。つい最近までは。

日本人の生活レヴェルが上昇して、ワインに親しむ人間が増えて、大衆的なものになってきたからこそ「この漫画」も生まれたはず。そういった背景もこの漫画の成立という点で見逃すことはできません。

「画力」に関してはSランクだと思います。後はストーリー。
ワインの道に入るのが嫌で、父親に反発してビール会社に就職した主人公。
けれど、父はすでに息子が幼い頃から「ワインの探求者」としての道を歩むべく英才教育を施していた。
その道を踏み外すことはできず、「知識は素人」ながらも感性と技術は超一流となっていた男は、父の死に際して初めて「父の意志」を継ぐことを決意する。

父の遺産といえる「ワイン」を継承するためには、ライヴァルと争わなければならないという「お約束」の対立構図も加わって、探す至高のワインは13本。
まるで「キリスト(聖人)の使徒」を探求するかのような道程は・・一滴のワインの雫を口にする度に、世界各地の至上の風景へと誘われるデジャヴ・・・・。

「ワインの良さは値段で決まるものではない」という真理は、ブランドに目が眩みがちな日本人に対する「痛烈な皮肉」と読んだ。

「真に良いものを見分ける目を持つのは難しく、持てれば百万の富に勝るもの」である、と知った。
但し・・・外国産のワインは添加物として「亜硝酸塩」を加えているものがほとんど。
決して身体にいい・・・わけはないので「無添加ワイン」が増えてほしい。

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[投稿:2010-12-18 12:01:10] [修正:2010-12-18 12:01:10] [このレビューのURL]