「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

小学館発行の「てんとうむしコミックス」の裏番長と呼びたい。しかもスケ番(笑)。
(表の番長は勿論「ドラえもん」である)
昔はドラえもんよりも巻数が少なかったのに、藤子先生よりも若かったためか、はたまた2人で描いていたためか、あるいは単に創作ペースが速かったからなのかいつの間にやら追い抜いて、作者自身が50巻を突破した辺りで「100巻なんてとても無理」と言っていたのにそれすらも夢ではなくなってきた。

登場人物もレギュラーは浜野一家だけだったのに、いつの間にか担任の先生・学校の校長先生・飼い犬・あさりとタタミの同級生の友達などが追加されて話の世界が拡大した。話のネタもファミコンが出てきたり、家族で「つくば万博」?に行ったりと時事ネタも上手く散りばめられている。「こち亀」みたいな長く続けていくことによる質の低下も見られず、安定した面白さが小・中学生の女子に抜群の人気と思われる。勿論、男子でも普通に読めるのは大きな強み。女の子が主人公とはいえ、少女漫画っぽくはないのだ。

昔、アニメも確かあったはずだ。もう1回作り直せば視聴率を結構取れると思うのだが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-16 06:21:12] [修正:2010-07-16 06:21:12] [このレビューのURL]

「作品全体のテーマは「人間讃歌」。登場人物は敵も味方も全員が「前向き」である。生きる事に疑問を持つ人間はたぶんひとりも出て来てないはずである。主人公たちはそういうヤツらを相手に乗り越えて行かねばならない。そして読者のみなさんも。絶対に必要なものは"勇気"だ。(文庫版第1巻のあとがきより)

シリーズを通した荒木先生の訴ったえるテーマ(意志)が第1部から貫徹しているのがジョジョの魅力。
個性的な絵柄に最初は敬遠されがち・・・・・でも「それに気付いてしまった読者」はしっかりと付いてきてくれた。

第1部・・・副題はその名も「ファントム・ブラッド」でしたっけ。全てはここから始まったのですよね。

実はジョジョを読み始めたのは文庫版が刊行され始めてからです。よって第5部以降はまだ読んでいないのですが、理由は小さい頃は独特の「絵柄」に抵抗があったんですよね。
ただ、それは歳月とともに克服され(笑)、結局は自分の喰わず嫌いにすぎなかったと非は認めています。

荒木先生の絵は何というか絵画的とでも言おうか、他の漫画家とは完全に一線を画していますよね。
「絵」と言うよりは「芸術」=「アート」の類と言って差し支えないと思います。
「NANA」の作者である矢沢あい先生にも同じことが言えますが、独自の路線を開拓しています。

この第1部はホラー的なおどろおどろしさが他の部とは違った魅力を醸し出していると思いますが、連載当時のジャンプでも異色の存在だったはず。
打ち切りになっていたら2部以降を楽しむことも出来なかったので、最初から章を分けての長期連載を意識して描いていた荒木先生に脱帽。そんな先生に付いて行こうとする多くの読者もちゃんといた。

ジョナサンは天に召された後、子孫たちの活躍を見て喜んでいたでしょうか?
それとも自分の責任で子孫たちが苦しむことになったと自身を責めたでしょうか?

その辺を知りたい気持ちもありますが、2部のジョセフ以外の主人公たちはこの自分たちにとってのルーツとも言うべき「偉大な勇者」の活躍を知らないんですよね。

そこがジョナサンを見守り続けた側の読者としてはちょい不満・・・・・かな?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-11 23:26:05] [修正:2010-07-11 23:26:05] [このレビューのURL]

伯爵邸から激流に飛び込んで脱出したランディとジュディが身を寄せた下流の川岸の干草小屋。
ジュディが全裸になって人肌で凍えたランディの身体を温めるシーンがありますが、話の流れからするとここが
「2人が初めて結ばれるべきシーン」だったと思う。
目覚めてお互いの無事を喜んだその時こそ2人が初めて愛し合うに相応しい場面。
2人は勿論、ごく自然に結合して「一つになる」のです。

そうすれば2人の互いへの信頼・愛がひとつの成就という形になり、当然に避妊なしでの性行為はジュディのお腹の中に「2人の血を受けた生命が宿る」きっかけになる。
ジュディの実家到着後にジュディの妊娠発覚・・と繋がっていけば、2部で2人の子供が誕生して、明らかにドラマチックな展開になっただろう。

掲載誌が幼年誌故の制約か。残念な点だ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-11 23:07:08] [修正:2010-07-11 23:07:08] [このレビューのURL]

自分の気持ちを上手く表現できない中学生の少女・琉花。
夏休みに出会った2人の不思議な少年「海」と「空」。
自分に似たものを感じて共感する琉花であったが、その頃世界各地の海で不可思議な現象が起きて・・・。

この独特の絵柄と圧倒的なまでの世界観を見よ!
ボールペンが平面の原稿上に描く軌跡は、白と黒の色だけで「海の青」を「空の青」を表現し、
海中に星の如ききらめきにも似た魚たちを、海獣たちを躍らせ、生命の誕生を内蔵する宇宙へと変貌させる。

原始、地球初の生命体は海から生まれたという。
そこから海は生命の「ゆりかご」と呼ばれるのである。

物語はゆっくりと着実なスピードで進行していく。
どこまでも広がる大海原のように、途方も無い深さを持った深海のように、
この作品も我々の想像を絶するような着地点を踏むのではないかと期待させる。

「漫画の神様」故・手塚治虫氏の名作「火の鳥」にも匹敵する圧倒的なまでの世界観でお届けする「海洋浪漫」!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-11 22:54:12] [修正:2010-07-11 22:54:12] [このレビューのURL]

7点 CLAYMORE

「エンジェル伝説」でヒットを飛ばした八木先生の最新作。
ダークな世界観を持つ中世風のファンタジーです。
妖魔という怪物が蔓延る世界で人間はその存在を脅かされつつあった。
そんな妖魔を大剣を携えて狩る存在が「クレイモア」と呼ばれる女性戦士。
その身に妖魔の血を注入し、言わば「半人半妖」の存在となることで、人外の力を手に入れた。

人間とかけ離れた存在となった彼等は「組織」の命を受けて、今日も妖魔討伐のために東奔西走する。
そんなクレイモア47人のうち、実力では最下位のナンバー47に位置する戦士・クレアを主人公として物語の幕は上がる。
妖魔とクレイモアの存在の理由はちょうど「コインの表裏」のような切っても切れないもの。
自分自身の存在理由を探るための旅、戦いはやがて「組織への反乱」へと繋がる一本道になる。

お話としてはクレイモアという組織自体の「内部抗争」に纏わるものというのが大きな道筋です。
だから、「常時47名いる」といわれる女戦士・クレイモアが入れ替わり立ち代り次々と登場するため、
登場人物の把握が難しく混乱します。女性ばっかり!

ファンタジーといえば、夢と希望。魔法と妖精みたいな明るい世界観を連想するかと思いますが、
これはどちらかというと「ベルセルク」に近い作風。
しかし、八木先生の画の雰囲気と作品の持つ世界観の雰囲気が非常にマッチしていることもまた事実。

エンジェル伝説を上回るヒット作になったことは確実です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-08 21:38:27] [修正:2010-07-08 21:38:27] [このレビューのURL]

アニメ化の帯と表紙の絵が上手かったので買ってみたのが出会いです。そんな漫画。
出版が決して漫画作品としてメジャーではない徳間書店ですから、不安はあったものの1巻読んだら気に入りました。
喫茶店で働くメイド女子高生(メイド喫茶とは似て非なる)の送るちょっと、いやかなり不可思議な日常を綴る。

事故に遭って死に掛けたり、商店街が作品の舞台でありながら「宇宙人」が登場したりと展開が微妙にシュール。
それでいて「絵」は上手いというギャグ漫画とも言えない不思議な作風。
敢えて言うなら「よつばと!」に近い作風なのかもしれない。「癒し系」とまでは言わないけれど。

もっと言えば彼の「鳥山明」先生が「ドラゴンボール」前に連載していた「ドクタースランプ」を現代版にした感じか?
ペンギン村のような仮想空間を想像して、その中での一風変わった登場人物たちの日常を綴るという作品。

アニメはむしろ全く期待していません。アニメでこの作風を表現するのは「ドクタースランプ」のアニメという先例はあっても
難しいのではないでしょうか。
ですが、アニメ化で増刷が掛かって書店で目立っていたからこそ、この漫画の存在に気付いたという恩恵もあります。
アニメとは別に「漫画」は好評価でオススメさせていただきたいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-08 21:31:30] [修正:2010-07-08 21:31:30] [このレビューのURL]

確かに「ヒカルの碁」のヒットを意識した上で作られた作品・・・という感じは否めない「将棋漫画」。
「タイトル」からしてそんな臭いがプンプンしています。
数からしたら「将棋漫画」のほうが「囲碁漫画」よりも多いはずなんですが・・・。

そういえば「サンデー」や「マガジン」でも一時期は「将棋漫画」が連載されていたような記憶があります。
でも所詮はそういう「二匹めのドジョウ」狙いの作品は淘汰されていくわけで、ほとんどが「打ち切り」の屍を並べただけでした。

・・・・なんで、この漫画は「何とか残っている」ので、その辺は評価されていいと思います。ええ。

物語は3人の若手女流棋士を中心に展開されます。
テーブルゲームの将棋・・・と言っても、やはり基本は
「人間対人間のドラマ」
であるわけじゃないですか。

これが「機械同士の対決」だったら「面白味は皆無」なはずです。

主人公の少女の「生い立ち」に、幼少時に一家を惨殺された・・というヘヴィな設定を加えた点は・・・「将棋」との関わりと考えたら普通はミスマッチ。

そこを今後どうやって「主人公の成長」とリンクさせて犯人探しに挑むのか?

考えれば「将棋漫画」もまだ大ヒットは出ていない現状。(1番のヒットは『月下の棋士』か?)
さらにテーブルゲーム繋がりで言うならば「チェス漫画」がないように思う。

ヒットの材料は・・・・まだまだ探せばいくらでも見付かりそうですよ。
アフタヌーンの新看板「大きくふりかぶって」に続いてアニメ化されるようです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:59:56] [修正:2010-07-03 09:59:56] [このレビューのURL]

小説と映画でも似たような話がありましたよね。確か「戦国自衛隊」だったっけ?
自衛隊が戦国時代にタイムスリップしてしまい、近代兵器を使って活躍するって話。
それを考えると「二番煎じ」的な印象は免れられませんな。

絵は上手いのだが、やはり何を描きたいのかポイントが判らず戸惑う。
舞台が戦時下にもかかわらず、そういった戦争の悲惨さではなくて戦略ゲームを観戦させられているような気分になるのだ。「みらい」の乗員たちでさえも大半が歴史を自分たちで動かすっていうゲーム的な感覚の虜になっているし。
長所を挙げるなら、実在の歴史上の人物が多数登場して、多少なりとも歴史の勉強になるところか。
「戦略ゲームの漫画化」と割り切れれば面白いのかもしれないが、「それだけ」ではね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:55:34] [修正:2010-07-03 09:55:34] [このレビューのURL]

作者は水沢めぐみ・吉住渉・彩花みん・池野恋と挙がるかつての「りぼん」連載陣の中でも異色の存在。

まず「りぼん」連載の他作品の当時から絵柄が他の連載作家とはまるきり違い、完全に自分の世界を確立していた。それ故か、上記の他作家がアニメ化などの商業路線に組み込まれて作品がどんどん「幼児化・幼稚化」していく中で地上波で大々的にアニメ化されることもなく(絵柄がアニメ化には不向きだったのかもしれない)、柊あおいと並んで「りぼん」の幼稚化の波から逃れ、ひとりだけ逆に大人路線へと突き進む道を選んだ。
結果として上記の他作家はもう(作品の質・人気ともに)下り坂だが、矢沢あい先生だけは上り坂に。
その点は高く評価します。

で、この「NANA」なんですが・・・・「おい、男はチューインガムか!」ってことで。
噛んだら捨てて、噛んだら捨ててって・・・・表現や描写云々ではなく怒りを覚える主人公が1番の問題。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:54:01] [修正:2010-07-03 09:54:01] [このレビューのURL]

センゴクの第1部完結に続く仕切り直しの新シリーズ開幕。

将軍・足利義昭を中心とした「信長包囲網」も姉川の戦いの後、浅井・朝倉両家が滅亡。
東西の両面作戦を強いられている織田家といえどもこの勝利は大きく、義昭も京都を追放。
室町幕府もここに滅んで、形勢は信長優勢へと傾き始める。

残るは石山本願寺と信玄亡き後の武田家が当面の敵。
長島に立て篭もる門徒衆を騙し撃ち同然の焼き殺しにて死者多数。
門徒の数を頼りに信長を「詰将棋」が如く追い詰めるはずだった顕如の目算は狂い始める。

羽柴・柴田・丹羽・佐久間・明智・野々村・前田・佐々・滝川・・・・
信長配下には有力武将が揃い、唯一の同盟者が東の武田家の抑え・家康。

最早、単独の勢力で織田家に対するは難しく、
関東の北条家・
中国の毛利家・
四国の長宗我部家・
越後の上杉家等の連携なくしては「信長包囲網」は画餅に過ぎなくなる・・・。

「反信長勢力の連携の拙さ」と、それに対する信長軍のまとまりの良さ。
兵農分離が進み、堺などの自由都市を押えての交易で多大な富を得ていた織田家。
新兵器・鉄砲は命中率が動かぬ的でさえ6割未満と言えども、
三千丁を超える保有数で諸国の大名を圧倒していた。

我らが主人公・仙石権兵衛秀久は、そんな革命軍団の歯車のひとつと言えど、
徐々に出世街道を駆け上っていく。

一瞬たりとも見逃せぬ、新戦国絵巻に酔え!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:48:11] [修正:2010-07-03 09:48:11] [このレビューのURL]