「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

この漫画を例えるならば「お子様ランチ」であろう。しかし「タイトル」と「内容」は合っていない。

鳥山明先生の「ドクター・スランプ」を少女漫画&低年齢向けにしたと言ってもいいか。
「いー加減」のようでいて、その実「しっかりと独自の世界観&キャラが構築されている」ことに驚く。
都会の名門中学校に通っていた「ちーちゃん」こと藤ノ宮千歳。
父親の死で借金を抱え、実家も売られて全てを失い失意のうちに田舎の廃校寸前の中学校に転校してくる。

そこは・・・牛や鳥が学園内で平気で飼われ、小学生と間違うような生徒たちが溢れる
お嬢様育ちの「ちーちゃん」には到底馴染めないような世界だった。

亡くなった父親の隠し財産を見つけてようやく元の学校に戻れるようになったちーちゃんだが、
その財力を使って廃校寸前の田舎の中学校を再生。
自分の目指す「理想の学校」を作り上げようとして始まる奮闘!。

主人公は「わぴこ」のはずなんだが・・・天然系ゆえにどーにも目立たない。
金魚の「ぎょぴちゃん」は理由不明で飛べるようになったり・・・と、
メチャクチャな部分を「世界観で押し倒すような部分」は確かにアリ。

しかし・・中学生なのに全然「恋愛」が絡まずモロ「色気より食い気」な、わぴこ。
一応、十分に可愛いのに・・・。
絵柄から「大人が読む」にはちょっとツライ部分アリなので、童心にかえったつもりでどうぞ。

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[投稿:2010-09-12 20:08:10] [修正:2010-09-12 20:08:10] [このレビューのURL]

「青い花」「放浪息子」で知られる志村先生の初期連載作品。
「青い花」がアニメ化されたことで、過去作品にも注目が集まり、この度新装版で再販されました。

絵柄が大分違いますが、中学生男子を主人公にどちらかというと退廃的な世界観で物語が展開されますね。

主人公の本田ちあき君は中学3年生。母子家庭でお姉さんが一人。
ホントは気が弱いくせに「プチ不良化」して煙草を吸ったり、髪の毛を緑色に染めたりしてクラス内でも浮いた存在。

学校をサボって行くゲーセンで得意のゲームで勝負して女の子に負けたり、
電車内でオヤジに痴漢されたり、学校行けば生活指導の先生から目の敵にされたりと騒がしい生活。
しかも産休の担任の先生に代って新たに担任になった男性教師に電車内の痴漢の被害者になっているところを目撃されて以降、どーにも苦手意識が出てしまい・・・・・・。

不良少年が主人公なんて先に「青い花」「放浪息子」を読んでいた方から見れば
意外過ぎで驚きかもしれません。

ただ・・・本田君の不良や素行の悪さの根本的な原因は・・・・
思いきり不幸・・・・って訳でもなく、かといって幸せという訳でもない。
生きる上で目的もなく、目標もない・・・・・。

青春の退廃部分を「志村流にて描いた作品」でしょうか。
新装版で全6巻。付き合わせていただきたいと思います!

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[投稿:2010-09-11 17:58:48] [修正:2010-09-11 18:08:50] [このレビューのURL]

アニメが大ヒットし、ヤフーのトップにまで最終回のニュースに嘆くファンの話が載るほど。
が・・・原作は?

アニメから入った方は見て驚くと思われるが・・・この作品四コマ漫画なのである。
だから、一貫したストーリー漫画と違い、連続したお話であるはずなのにそれがイチイチ
四コマ目で途切れるので非常にテンポが悪いと目に映るのである。

絵もさして上手いとは思えないし、ホント同人作家レベルだと思う。
何よりも「音楽」を題材としながら、アニメに比して音が出ないのは痛すぎる。

これは何も「耳から聞きとれないこと」を言っているわけではなく、
他の音楽を題材にした作品は「紙面上から作者の力量で音を感じさせるような構成」になっているのです。
が、この作家にはまだそんな技量はありません(涙)。

アニメ観てる方、ワザワザ買ってまで読む必要はないです。
アニメのほうが原作より絵が綺麗で、音楽が良くて、テンポがいいのなら原作読む意味は
「アニメの制作スタッフの力量の高さを知ろう」
以外はないと思います。

基本的にアニメが原作を超えるなんてことはまずないと思うのですよね。
過去の作品群を鑑みても。

これはその「数少ない例外作品」に挙げていいでしょう。
作者はアニメのスタッフに感謝するべきかと。

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[投稿:2010-09-11 18:05:42] [修正:2010-09-11 18:05:42] [このレビューのURL]

本屋の店頭で並んでいたので、「アニメ化決定」の帯と、
絵の可愛らしさで「読んでみようか・・・」という気になって買ってみました。

が・・・・正直、話は面白くなかった。失敗でしたね。

高校生になり、昔住んでいた町に戻ってきた主人公。
しかし、思い出すのは昔自分を散々に振り回した1歳年上の星好きの幼馴染。
正に悪夢のような出来事で思い出すのもツライトラウマになっていた。

入学した高校であろうことがその幼馴染と再会したことから始まる受難の日々。
人数不足で活動もままならない天文部をスタートさせるのだが・・・・・?

・・・・・・・物語があまりにも「軽過ぎ」!コメディ路線が過ぎる!
普通に描けば人物も綺麗に可愛らしく描けるのだが、この作品が前述の路線のため、
「人物の顔がしょっちゅう崩れてギャグ顔になる」
ため、綺麗な絵である場面のほうがむしろ少ない(大汗)。
ちゃんとした人物絵が見れるのは・・・表紙とか・・・表紙とか・・・表紙とか・・・・。

しかも話の内容もあって無きが如し。
コメディ路線ばっかりだから真剣に論じるような話ではそもそもがないし。
同じ宇宙・空・天体をテーマにした作品なら「ふたつのスピカ」のほうをオススメしたい。

1巻だけ読んで、この路線が合わないと感じた方は手を引くようにしたほうがいいです。

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[投稿:2010-09-11 18:03:48] [修正:2010-09-11 18:03:48] [このレビューのURL]

一部、書店や書評で注目されている作品のひとつ。
「エマ」や「放浪息子」と同じく月刊ビーム連載でした。
ビームは個性的な作家・作品が多く、絵が一般向けな見易く可愛らしいものを描ける方が少ないのですが、前述の2作品と併せて「例外のほう」ですね。

絵がオリエンタル的な外国の雰囲気を漂わせる・・・とでも申しますか、魅力あります。
が、オムニバス方式の短編集という位置付けですので外国が舞台で騎士や姫が登場するかと思いきや、日本の小学校の子供が出てきたり、普通の高校生女子が主人公だったりと話が飛びますのでひとつひとつのお話で印象に残るものと残らないものとの落差が激しい。

作家としての実力はある方だと思うのです。この才能をどう表現するのが最良なのか?
なんか、作者ご本人も含めて「お試し中」みたいな感じがします。
最適な方向性が定まったら躍進しそうな予感がしますね。

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[投稿:2010-09-11 18:02:15] [修正:2010-09-11 18:02:15] [このレビューのURL]

大人の鑑賞にも堪え得る作品とはこういう作品を言うのです。

特筆は画の美麗さにある。全漫画家中でも1・2を争うだろう。「キャッツ・アイ」のときはまだ発展途上といった感じだったが、この作品でほぼ完成期に入った。
ストーリーは毎回が美女絡みばかりで都合がいいが、だからこそ女好きの主人公が依頼人に手を出そうとする→香が怒る→百トンハンマー(笑)という黄金パターンが確立されたので笑って許す。
印象に残っている話は
富豪の遺産相続問題から命を狙われる少女・紗南を警護する話。
お忍びで来日した外国の王女とのロマンスが描かれる話。
怪盗一族の娘の婚約者となって怪盗勝負をする話。
などかな。初期の「鐘とともに運命が・・・」や、恋人を失い死のうとする女優から殺しの依頼を受けた海坊主との初対決を描く話もなかなか。終盤は主人公の「過去」と「香の主人公に対する想い」が大きなキーワードだったかな。

ところで続編の「エンジェル・ハート」は・・・この作品とはいわゆるパラレル・ワールド的扱いになっているのかな?美樹ちゃんも出てこないらしいし・・・。

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[投稿:2010-07-31 07:47:27] [修正:2010-07-31 07:47:27] [このレビューのURL]

画力に関しては何も申すことはありません。漫画界でも1・2を争えることでしょう。

囲碁の漫画は現時点ではこれのみ・・・だと思う。かくいう自分もこの漫画を読んで囲碁を覚えた。
ただルールを知らなくても読むのには差し支えは無い。
佐為がいなくなってからどうゆう展開になるんだろうと思っていたらなんか中途半端なとこで終了。
囲碁は将棋よりも取っ付き難いというのは自分もやってみて分かったが、面白さでは将棋以上だった。
相手の駒を取ることが目的の将棋と、地を奪い合い相手よりも多くの領土を広げることを目的とする囲碁とでは「囲碁」のほうが戦略上高度な思考が要求される。攻めと守りを同時に行い、正に「攻守一体」であることが必要とされるのだ。
この「囲碁的思考」が人生を生きる上で身に付いているのといないのとでは差があらゆる場面ででそうな気もしないでもない。「そういう世界」に導いてくれたという意味で忘れられない漫画。

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[投稿:2010-07-31 07:44:00] [修正:2010-07-31 07:44:00] [このレビューのURL]

消防士が主人公の漫画は珍しいが、それ以前になぜスポットライトが当てられなかったのかが不思議なくらいだった。
大吾の活躍はだんだんとエスカレートして、超人的な働きをするようになっていったのはちょっい現実離れし過ぎだ。
日本人の大吾がわざわざインドネシアの火災に行かなければならないほど各国の組織だって無能ではないはずだが・・・・。
元の恩師である女性教師と大吾の恋愛も蛇足だったと思う。

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[投稿:2010-07-31 07:41:31] [修正:2010-07-31 07:41:31] [このレビューのURL]

特別な何かが起きるわけでは全然ない。
幼児「よつば」のちょっと変わった日常生活を基本的には一話完結でおくる。

画力は高いと思う。「ARIA(アリア)」と漫画の雰囲気としては近い作品だと思います。
ただ向こうが「洋」の遠い異国に行く憧れにも似た絵画的な雰囲気を重視しているのに対し、こちらは「和」の日本人の日常家庭の安らぎを重視しています。
「癒し系」という意味では同じ方向性の作品か?

ほとんどが「夏休み」の描写なので、最初はずっーと夏なのかなとも思ったんだが、少しずつだけれども作中においても時間は経過していて、夏休みは終わってしまう模様。
主人公の少女「よつば」とお隣の家の三姉妹、そしてよつばのとーちゃんとの日々の生活はけっこー謎な部分も多い。
よつばのかーちゃんは死んでるのか、生きてて離婚しただけなのか、それともそもそもとーちゃんと実の親子なのか、とか。
「よつば」のキャラ故か、読後に尾を引くような余韻・・などは全くなく、アッサリし過ぎるほどアッサリと話が終わるのがポイント。
変に「面白さ」や「驚き」や「興奮」を期待して読まないほうがよい。
あくまでも「雰囲気重視」の作品であるから。

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[投稿:2010-07-31 07:35:37] [修正:2010-07-31 07:35:37] [このレビューのURL]

日本最高の少年漫画のひとつ。
バケモノを滅ぼす最強の武器である「獣の槍」と最強の大妖「白面の者」との因縁の物語。
そして太陽の瞳を持つ主人公「うしお」とその傍らにあって太陽の光を浴びて燦然と輝く月・相棒「とら」と全ての人々の関わりを描く物語。
数々の戦いを通して、実は、真の「バケモノ」とは我々人間の心の奥底に潜む嫉妬・欲・怨み・歪んだ欲望などが生み出したものであったことに気付かされた。
無駄なエピソードはひとつもなく、全てのエピソードが最終の局面である白面の者との戦いへの布石となっていることに驚かされる。
名ゼリフは数限りない。
藤田先生は田村由美先生の「BASARA」の大ファンで、田村先生も「うしおととら」の大ファンらしい。確かに両方の作品を読んでみると作品の根底に流れるテーマというかポリシーが非常に似通っていることに気付いた。勿論、どちらも素晴らしいです。

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[投稿:2010-07-31 07:26:38] [修正:2010-07-31 07:26:38] [このレビューのURL]