「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

5点 ONE PIECE

今更ながらだが、「ワンピ」の評価を。

現在のジャンプの看板作品。確かに絵も上手いほうだと思うのだけれど、最近は初期と比して「描きこみ過ぎ」で返って見辛くなっているような印象も受けます。

それと、長い。
伏線を山ほど張っているのは判るのですが、それが一体いつ解決するのか?
ホントに全ての伏線を回収し切れるのか?そして、完結まであと何巻費やすのか?
・・・等、疑問が次々と上がってくる。下手したら80巻くらいはいくんじゃないのか?


で、現在の長期連載が最初から作者の予定の範疇だったのか、それともジャンプお得意の編集部の都合による「引き延ばし」によるものなのか?で、評価は変わってくると思う。

仮に前者なら完結に向けてまだ何とかやっていけそうだが、後者だとしたら破綻は時間の問題だろう。
ジャンプは、鳥山先生の才能を食い潰した轍をまた踏もうとしているのかと思うと、全く懲りない体質に嫌気が差してくる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-12 20:11:20] [修正:2010-09-12 20:11:20] [このレビューのURL]

この漫画を例えるならば「お子様ランチ」であろう。しかし「タイトル」と「内容」は合っていない。

鳥山明先生の「ドクター・スランプ」を少女漫画&低年齢向けにしたと言ってもいいか。
「いー加減」のようでいて、その実「しっかりと独自の世界観&キャラが構築されている」ことに驚く。
都会の名門中学校に通っていた「ちーちゃん」こと藤ノ宮千歳。
父親の死で借金を抱え、実家も売られて全てを失い失意のうちに田舎の廃校寸前の中学校に転校してくる。

そこは・・・牛や鳥が学園内で平気で飼われ、小学生と間違うような生徒たちが溢れる
お嬢様育ちの「ちーちゃん」には到底馴染めないような世界だった。

亡くなった父親の隠し財産を見つけてようやく元の学校に戻れるようになったちーちゃんだが、
その財力を使って廃校寸前の田舎の中学校を再生。
自分の目指す「理想の学校」を作り上げようとして始まる奮闘!。

主人公は「わぴこ」のはずなんだが・・・天然系ゆえにどーにも目立たない。
金魚の「ぎょぴちゃん」は理由不明で飛べるようになったり・・・と、
メチャクチャな部分を「世界観で押し倒すような部分」は確かにアリ。

しかし・・中学生なのに全然「恋愛」が絡まずモロ「色気より食い気」な、わぴこ。
一応、十分に可愛いのに・・・。
絵柄から「大人が読む」にはちょっとツライ部分アリなので、童心にかえったつもりでどうぞ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-12 20:08:10] [修正:2010-09-12 20:08:10] [このレビューのURL]

消防士が主人公の漫画は珍しいが、それ以前になぜスポットライトが当てられなかったのかが不思議なくらいだった。
大吾の活躍はだんだんとエスカレートして、超人的な働きをするようになっていったのはちょっい現実離れし過ぎだ。
日本人の大吾がわざわざインドネシアの火災に行かなければならないほど各国の組織だって無能ではないはずだが・・・・。
元の恩師である女性教師と大吾の恋愛も蛇足だったと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-31 07:41:31] [修正:2010-07-31 07:41:31] [このレビューのURL]

17巻にも及んだ「クロスゲーム」です。
あだち作品で野球が題材とされる際は「甲子園」は目標であって、話の終局であるわけです。
なので、決して「甲子園に行ってからの試合内容」は描かれることはありません。
常に「甲子園に出場するまでの戦いの軌跡」に留まるのです。

「タッチ」「H2」に続く野球ものであるこのクロスゲームでもそれは踏襲されます。
しかし、この作品では「意外な形での幕引き」を描いています。
この幕引きは予想外でした。なので野球面では良いと思います。

残念なのは恋愛面で、特に青葉たち四姉妹の従兄弟の「朝見 水輝(あさみ みずき)」は一体何のために登場してきたのですか?
野球やっていないから全然話の中心に加われず、最終回では傷心のまま行方不明って・・・・・(唖然)。
登場させる意味がなかったではないですか!

さらに滝川あかねが亡くなった若葉にあれほど生き写しなのに「単なるソックリさん」では理由付けに乏しいと思います。
まだ幼い頃に他家に養女に貰われていた「双子(一卵性双生児)の姉妹の片割れ」のほうが納得がいきました。
(つまり四姉妹ではなく本当は五姉妹だったというわけ)

光が何故、あかねよりも青葉を選んだのかもイマイチ不明ですし。
「あだち版若草物語」はローリー(光くん)、ジョー(若葉)が亡くなってエイミー(青葉)と結ばれました。
でも、心の底から納得していません。野球面のよさが打ち消されてしまったようで残念です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-27 20:58:14] [修正:2010-07-27 20:58:14] [このレビューのURL]

5点 輝夜姫

「少女マンガ」という枠を超えた非常にスケールの大きなSF大作・・・になるはずだった無念の作品。

幼い頃、竹薮に埋められていたところを救出され息を吹き返した少女・晶。
長じてその美貌は周囲の注目(特に同級生女子の)を集めるようになっていた・・・。
捨て子だった彼女が引き取られた養子先で、義理の母親の実子である少女・まゆは彼女に異常なまでの執着心を燃やしていた。
そんな彼女の家にある日二人組みの少年が忍び込んだことを発端として判明する自身の出生の秘密。
そこには「かぐや姫伝説」にまつわる世界規模の陰謀が隠されていたのだが・・・・・・。

この作品最初から晶とまゆの関係に象徴されるような「少女同士の愛情」を強調された作風だった。
作者自身も5巻で「ボーイズラブが流行っている世間の風潮に対抗して描いた」とコメントしていた。

それなのに中盤から「サットンとミラーの男同士のボーイズラブ」がやたらと強調されるようになったのは
納得がいかない。作者が自分で言っていたことを自分自身で覆すとは!

しかも晶の相手役と思われた「由」とは結局のところ結ばれず、かと言ってまゆと結ばれるわけでもなく、
何と当初は本命でも何でもなかった「ミラー」と結ばれるという展開が訳分からない。

クローン人間・遺伝子・ウイルスなどの最先端の技術を反映した展開の数々は確かに
「少女マンガの枠組み」を大きく超えた男性でも楽しめそうな作品ではあったのだ。
絵も「画集」が発売されるくらいに美麗。

が、謎が結局のところ未解決のまま「放置状態」になってしまい終幕するなど、
広げた風呂敷を上手く畳み切れていない部分が多々見受けられます。

全27巻にも及ぶ長編となりながら、最終的には手放しで「名作!」と呼べるような作品には全然なっておりません。
作家としての実力のある方だとは分かっています。
が、この作品に限っては「大風呂敷を広げすぎて収集が付かなくなった」と言わざろう得ない。
スゲー残念です。

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[投稿:2010-07-25 08:08:58] [修正:2010-07-25 08:08:58] [このレビューのURL]

水沢先生のメジャー化成功作品であると共に、凋落のスタートともなった作品。
アイテムを使って魔法世界になる・・・という設定自体は全く目新しくなどないのだが、この作品以前の作品がシリアス路線だっただけにギャップで驚かされた。それ以前の作品よりも小さい子供を読者に意識したのだと思う。ぬいぐるみのライオンが喋ったり、目覚まし時計が話したり、好きな男の追っかけをしているライバルの騒がしい女の子が出てきたりと「お約束」な要素がふんだんに散りばめられてアニメ化もされての大ヒット・・・・にはなった。確かに。しかしこの作品のコメディ調の雰囲気が今後に連載していく他作品にまで及んでしまうとは誰が思ったことだろう。絵柄も明らかに丸っこくなった。何よりも話の展開が「アホらしくなった」ことが大問題。そういう作品が掲載誌「りぼん」の看板だと必然的に雑誌自体も幼稚化していくことになった。
水沢先生の作品は「これ」しか知らないという人も多いことだろう。この作品よりも前の作品と、後の作品とでは全く路線が違ってきていることは続けて読んでいた方には一目瞭然だ。
「りぼん」を幼稚な雑誌に貶めたという点においては先生はA級戦犯です。

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[投稿:2010-07-17 22:59:14] [修正:2010-07-17 22:59:14] [このレビューのURL]

5点 ブッダ

「火の鳥」「アトム」「ブラックジャック」等と並ぶ手塚先生の代表的長編作品。

所謂「釈迦の生涯」を描いた作品です。
つまり・・・世界三大宗教のひとつ「仏教」がメインとして登場するわけです。

現在のネパールに王族として生を受け、何不自由のない生活を約束されていた聡明な王子が「社会の矛盾」「貧富の差」「身分差別」等の現代社会でも問題として挙がる現実を知って、人々の真の救いとなるべく、教えを探求すべく旅立つ一代叙事詩。

スケールの大きさ・テーマは流石の「手塚作品」なんだけれど・・・・この作品は厄介なことに「宗教」という普段の私に縁遠いものを主題としているためか、あまりにも独特で、登場人物の運命が悲惨な末路の者も多いため「とにかく読みにくい」のである。

作品としての完成度・フィクションとノンフィクションを絡めて描く仏陀の生涯・脇を固める登場人物たちの運命の流転・・・・等のドラマの構成は骨太で、手塚先生の実力の程はイヤというくらいに知れますが、やっぱり上記の他作品と比して読み辛い「独特の雰囲気」があることを否定できません。

よって私は「普通」評ですが、図書館に置いてあって何の不思議も無い「名作」であることもまた「間違いの無いところ」だと思います。

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[投稿:2010-07-17 22:55:39] [修正:2010-07-17 22:55:39] [このレビューのURL]

ガンガン草創期から「ロト紋」「パプア」「ハーメルン」とこれで4大看板だった・・・と思うのですが、完結は一番最後まで残りました。

それというのも、展開が遅いのと毎号のページ数の少なさに原因があると思うのです。
一応、魔王を勇者が討伐するというRPG漫画の形式は取っていますが、そこに今までの「勇者もの」では有り得なかった「強烈な(奇妙キテレツな?)キャラ」を多数配置しての笑いを入れた何とも奇妙な間が魅力の漫画になった。

連載を続けていくにつれて、最初はこなれていなかった画も上手くなっていったものの、画が丸っこくなった影響で主役キャラが幼児化した。
ギャグも前半のほうが好きなので、バランスの悪さも気になる。
最初はキャラにも魔法にも「レベル」があったはずだが・・・・最終的には「無視」ですか・・・。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-16 06:23:12] [修正:2010-07-16 06:23:12] [このレビューのURL]

伯爵邸から激流に飛び込んで脱出したランディとジュディが身を寄せた下流の川岸の干草小屋。
ジュディが全裸になって人肌で凍えたランディの身体を温めるシーンがありますが、話の流れからするとここが
「2人が初めて結ばれるべきシーン」だったと思う。
目覚めてお互いの無事を喜んだその時こそ2人が初めて愛し合うに相応しい場面。
2人は勿論、ごく自然に結合して「一つになる」のです。

そうすれば2人の互いへの信頼・愛がひとつの成就という形になり、当然に避妊なしでの性行為はジュディのお腹の中に「2人の血を受けた生命が宿る」きっかけになる。
ジュディの実家到着後にジュディの妊娠発覚・・と繋がっていけば、2部で2人の子供が誕生して、明らかにドラマチックな展開になっただろう。

掲載誌が幼年誌故の制約か。残念な点だ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-11 23:07:08] [修正:2010-07-11 23:07:08] [このレビューのURL]

確かに「ヒカルの碁」のヒットを意識した上で作られた作品・・・という感じは否めない「将棋漫画」。
「タイトル」からしてそんな臭いがプンプンしています。
数からしたら「将棋漫画」のほうが「囲碁漫画」よりも多いはずなんですが・・・。

そういえば「サンデー」や「マガジン」でも一時期は「将棋漫画」が連載されていたような記憶があります。
でも所詮はそういう「二匹めのドジョウ」狙いの作品は淘汰されていくわけで、ほとんどが「打ち切り」の屍を並べただけでした。

・・・・なんで、この漫画は「何とか残っている」ので、その辺は評価されていいと思います。ええ。

物語は3人の若手女流棋士を中心に展開されます。
テーブルゲームの将棋・・・と言っても、やはり基本は
「人間対人間のドラマ」
であるわけじゃないですか。

これが「機械同士の対決」だったら「面白味は皆無」なはずです。

主人公の少女の「生い立ち」に、幼少時に一家を惨殺された・・というヘヴィな設定を加えた点は・・・「将棋」との関わりと考えたら普通はミスマッチ。

そこを今後どうやって「主人公の成長」とリンクさせて犯人探しに挑むのか?

考えれば「将棋漫画」もまだ大ヒットは出ていない現状。(1番のヒットは『月下の棋士』か?)
さらにテーブルゲーム繋がりで言うならば「チェス漫画」がないように思う。

ヒットの材料は・・・・まだまだ探せばいくらでも見付かりそうですよ。
アフタヌーンの新看板「大きくふりかぶって」に続いてアニメ化されるようです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:59:56] [修正:2010-07-03 09:59:56] [このレビューのURL]