「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

男の子みたいな女の子で初潮もまだな「大槻柚奈」。
温厚な菓子職人の男の子「森川楓」。
おしとやかな外見で人気の「小野寺葵」。

3人は幼馴染で13歳。
女2、男1で三角関係・・・・かと思わせる第1話は中学1年生からスタートする。
ガサツで男の子っぽい柚も流石に最近は胸が出てきたし、
楓に男を感じて自分が逆に「女の子」であることを意識せざろう得なくなる。

小さい頃から泣き虫でいじめられていた葵は、自分を守ってくれた柚が大好きだが、
同じ柚を好きな楓をライバル視して、当たり散らすこともある。

唯一の男子の楓は・・・・当初は柚のことが好きで葵とライバル関係かと思わせておいて
・・・・・・・・・実は違う。楓がホントに好きなのは・・・・・。

葵は柚が好きだが、女の子同士だからどうにもならないってことを頭では理解している。
それ故に男子である楓に嫉妬して、やつ当たりに近いような態度を取ってしまうのだが。

そして・・・そんな中で葵の記憶の中での最大の恐怖の対象。
かつて幼い頃に葵をいじめていたアイツとの再会。

女2、男1の三角形のバランスが、
女2、男2になってどう変わっていくのか?

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[投稿:2012-01-04 08:13:30] [修正:2012-01-04 08:13:30] [このレビューのURL]

7点 清々と

「りぼん」で昔活躍されていました谷川先生。今も短編を中心に活躍中。
淘汰の激しいのは漫画界も同じ。ヒット作1本出せば10年は食い繋げる・・・というわけに非ず。
そんな中で短編を中心にして今も第一線で活躍されている先生。

こちらは「女子高のお嬢様もの」です。
こういう作品も少女同時の恋愛・友情をテーマにした所謂「百合系」と呼ばれる作品が
多く制作される風潮が広まってきた背景があるからこその連載であるという点は確かだと思います。

でも、風潮に乗っかったとかそういうことではなく、見て判る「作品の雰囲気と絵柄の組み合わせの妙」。
女子高が舞台だと、当然に同級生も上級生も下級生も当然に同性の女性しかいません。
同級生の男子と知り合う機会も触れ合う機会も少ないので、恋愛の話をするとしたら
女生徒と男教師。もしくは
女生徒同士になるのもまた当然。

この1巻を見た感じではまだどちらに寄るのか迷っているかのような感じです。
主人公の清が担任の男教師「本八幡先生」に抱く気持ちもまだ「恋愛未満」。
そしてクラスメイトの美人「九条雅」さんは清が好きだと告白する。

今後、長期連載にできるのかが注目したいポイント。
短いと全4巻もしくは5巻で終わってしまうので、キャラ同士の人間関係をもっと強く打ち出す方向に繋げていただきたいと希望します。

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[投稿:2012-01-03 14:06:24] [修正:2012-01-03 14:06:24] [このレビューのURL]

「帯をギュッとね」で柔道漫画の新世界を構築し、その後に競艇をテーマにした作品を
これまたヒットさせた実力派の作者による新作は・・・なんと書道部を舞台にした作品!

おそらくは誰も事前に予測はできなかったと思われるが、果たして
「対決」がメインに出来る言わば「陽のあたる場所を舞台にした」体育会系部活を
テーマにした作品に比して「日陰に位置する」と言っていい文科系部活動で
物語をどうやって構築し、長期連載にするのか?
多くの方が疑問を抱いたことであろう。

主人公はカナダからの帰国子女になる男子高校生の大江縁(ゆかり)クン。
気弱で平凡。しかも押しが弱くて頼りなく見える。
部員が女子3人しかおらず、最低構成人数の「5人」を満たせないため、
廃部の危機に直面していた書道部に半ば強引な勧誘もあって入部することに。

そして同じく新1年生で女子柔道部に入部している望月結希サン。
柔道では凄い成績を上げての有名人だが・・・・字が汚いことにコンプレックスが。
大江クンに事故とはいえケガをさせてしまった負い目もあり、掛け持ちながら
書道部入部を果たして廃部の危機は去った。

さ、落ち着いて始めよう。「書道ライフ」を!
どんな物語が紡がれるのか?事前予測は不能だ!
「対決」と言ったって、書道は審査員の先生による第3者判定だから優劣は有っても、
客観的に分かり難い。

論より証拠。それは実際に見て、読んでみてのお楽しみ。
パソコン全盛の現代だからこそ、実は「綺麗な文字」を書きたい潜在的な人数は多いと
推定する。

DSのゲーム「美文字トレーニング」とリンクさせてみる展開なんてのもいいのでは?

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[投稿:2010-09-11 18:07:22] [修正:2012-01-03 10:07:12] [このレビューのURL]

ギリシャ神話をモチーフとした作者の最大のヒット作品。
地上の平和を世界の裏側から守る女神・アテナと、そのアテナを守護する聖闘士(セイント)たち。

その物語は地上を手中に収めん復活を目論む冥界の王・ハーデスとの「聖戦」が主題になる。
そこに至るまでの聖域(サンクチュアリ)の内乱(サガの乱)。
そして、不慮の事象により復活を遂げた海皇・ポセイドンとの争い。
を経て、ついにハーデス軍が復活する。

特筆は「聖衣」(クロス)・「鱗衣」(スケイル)・「冥衣」(サープリス)に代表される
神話や伝説に登場するモンスターや生物たちを模った鎧を自らの身にまとって戦うという設定である。

それぞれの鎧が身体を覆うパーツに分類される「分解装着図」は毎回毎回よくも考え付くものだと感心させられた。
只、108星に代表されるハーデス軍の冥闘士(スペクター)は大部分が未登場に終わってしまったのが残念な点。

作者自身もそのことを気にかけていたのが、現在、この続編が別の作者で連載中となっている。
そちらでは本編未登場の冥闘士たちが新規登場を果たしております。

個人的には「ポセイドン編」の終わりの引き方がお気に入りです。
「全ての生命は海へと還るんだよ・・・」と余韻の持たせ方が上手い。

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[投稿:2010-07-03 09:57:40] [修正:2012-01-03 09:49:19] [このレビューのURL]

故・石ノ森章太郎先生のライフワークと呼んで差し支えのない大作。

死の商人グループ「黒い幽霊団」によって世界の各地からさらわれた九人の男女。
新時代の戦闘要員としてサイボーグとされた彼らが自由と平和を求め反乱を起こす。
世界各地で起こる戦争・紛争の影で暗躍する「黒い幽霊団」との果てしない戦いが続く・・・。

前半は「黒い幽霊団」との戦いだったが、後半は神話・伝承へと話がシフトしていったために話が難解になったのが難点か。名シーンはやはり「地下帝国ヨミ編」のラストを挙げざろうえない。
宇宙に飛び去った「黒い幽霊団」を葬るために単身送り込まれた009。そして、009を救出するために宇宙に向けて飛ぶ002は「もう間に合わない」と叫ぶ001に言う。
「間に合わない・・・・かもしれない・・しかし、苦楽を共にした仲間を見捨てるわけにはいかない・・・最後の一秒までチャンスにしがみ付いてやる。そして、その一秒が過ぎたら・・そのときはどうか神よお力添えを。生まれて初めてあなたに祈ります・・・」
スラム育ちの002が生まれて初めて神を信じる瞬間が印象的。

引力圏を脱出した002は009を爆発の中から救いだすが、ロケットの燃料不足から大気圏突入を余儀なくされる。009は自分を見捨てるよに懇願するが、002はそれを拒絶し2人は流れ星となって地球に落ちていく・・・。002は009に聞く「ジョー、君は何処に落ちたい?」
そして地球では2人の姉弟が落ちていく「流れ星」を見ていた・・・・。
姉は流れ星に願いをかける「世界中の人々が争うことなく、平和に暮らせるように」と。

完璧だ・・・。ここで終わっていたら文句の付けようがなかったのだが

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-11 17:59:52] [修正:2012-01-03 09:44:19] [このレビューのURL]

「ハガレン」を完結させた著者による新作は農業学校を舞台にした一風変わった作品。
優等生が家庭を離れて何の夢も無く農業高校に進学し寮生活に。
周りは研究者志望の人間や獣医師志望やら農家の跡取りやら。
「場違い感」丸出しで居心地は良くなかった。しかも、慣れない実習生活に心身ともに疲労困憊。
けれど個性的な仲間たちと共に送る生活は自身の新たな可能性を目覚めさせるのか?

農業学校と言っても「農作業」よりむしろ「畜産寄り」の話という印象です。
牛・馬・豚という「食われる側」の悲哀を浮き彫りにする。
「動物のお医者さん」をもっと現代的にしてシリアスな味付けにしたようなイメージ?
週刊誌連載なのでそれなりの巻数にはなるのではないかと思いつつも、ドラマは少なさそうです。

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[投稿:2011-12-17 01:36:41] [修正:2011-12-17 01:36:41] [このレビューのURL]

7点 YAIBA

確か小学館漫画賞を受賞していたと思ったのだけれど、そのときの審査員のひとりにあの「石ノ森章太郎」先生がいらっしゃって、面白いと絶賛していましたね。

マンネリ化しているコナンよりもスッキリと終わらせているのも好印象。話としてはもっと続けることだってできたはずだが、敢えてそれをしなかったのだろう。
見所はかぐや編のかぐやとの対決。そして地底王国での戦い。最後にヤマタノオロチ上での鬼丸との決戦を挙げたい。次々と出てくる鬼丸一味の怪人がユーモラスで良い。

ゲッコーが封印を解いた「魔王剣」は武器として出色の存在感があったと思う。
「邪悪な心を吸収して破壊力に転化する」という特性には刃も最後まで苦しめられた。

「かぐや編」では魔王半月剣までの使用に止まったのは、後に「鬼丸」が使用者となったときに最大の「魔王満月剣」を放つという布石だったのですね。

「ヤマタノオロチ」もスケールの大きさではとてつもない存在。日本列島自体が竜になる・・・!という展開も確かに日本列島の形を確かめたら竜ソックリだよな、と妙に納得してしまった。

それを操って世界を焼き尽くそうとする鬼丸のセリフも無茶苦茶な迫力があった!

ただコナンの次作で「YAIBA2」とかやり出さないかが唯一の不安点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-11-06 00:25:49] [修正:2011-11-06 00:25:49] [このレビューのURL]

絵柄がちょい古いのですが、大正時代を舞台にしながらも事実上「時代背景を無視した」と言っていい大河ラブコメディ。

とにかく登場人物の大多数が酒乱で(笑)、酒が原因で揉め事に至る確率高し。主人公の紅緒も可愛い外見に反した男勝りで騒動の中心にならずにはいられない。シリアスなシーンとコミカルなシーンとの描き分けがしっかりと出来ていて、シリアスなシーンでは感動し、心を揺り動かされつつもコメディのシーンでは思い切り笑えてしまうというメリハリの良さが魅力。

ラスト近辺では「関東大震災」を絡めて、動乱の中で離れ離れだった少尉と紅緒が結ばれるシーンは感動的。
番外編では別世界のパラレル・ワールドに行ったりして・・・・って「大正ロマンス」のはずなのに(笑)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-05 11:31:39] [修正:2011-11-05 11:31:39] [このレビューのURL]

19世紀の西欧の架空の王国を舞台にした「戦記漫画」になるはずです。
イメージとしては「ナポレオン時代」ですね。騎兵・砲兵・歩兵がセットになっているのが軍隊。
主人公は本国から同盟国である小国の軍事学校に教官として派遣された。

だが、戦争とは無縁の片田舎では必ずしも軍事学校の教官は校長にも市民にも歓迎されてはおらず、
アウェーの土地でのバルツァーの奮闘が始まるのだった。

単なる戦争漫画ではなく、
・軍事面
・戦略面
・政治面
でのアプローチに加えて人間ドラマを盛り込む内容になるようだ。

扱いとしては「皇国の守護者」の洋風版がイメージできると思う。
「皇国?」は傑作だが、これがそれにどこまで肉薄できるのか、注目していきたい!

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[投稿:2011-10-26 23:05:59] [修正:2011-10-26 23:05:59] [このレビューのURL]

「赤い彗星」のシャアは誰でも知っている。おそらくはガンダムについてさほど知識を持ち合わせてはいない人間でも。
だが、一年戦争の同時期にシャアと同じ「真紅のカラーリング」に染められし専用機に乗って戦場を駆け抜けたエースパイロットがジオンにもう一人いたことはあまり知られてはいない。

「ジョニー・ライデン」

彼はまるでシャアに対抗するかのようにシャアと同じ機体「ザク」そして「ゲルググ」を専用機としていた。
そして一年戦争終結から10年の歳月が流れようとしていた頃、まるで亡霊のようにその男の名は再び歴史の表舞台で囁かれはじめるのだった。

陸戦高機動型ザクのテストを実行しようとしたレッドの目の前に現れる「青いゲルググ」。
ジオンの一年戦争末期の傑作機体として知られ、もう少し投入が早ければ戦局さえも覆したのではと囁かれるガンダムにも匹敵する性能のモビル・スーツである。
主力武器はジオンで初めてビーム・ライフルを標準装備とし、他にビーム・ナギナタとシールドを持ち合わせた、確かにガンダムにも劣らぬ機体であった。
しかし・・・・一年戦争終結から10年が経ち、モビル・スーツの開発技術も日進月歩。今では過去の思い出話の中に登場する機体となっていたはずだが・・・?

既に一年戦争で活躍した人物の多くが歴史の表舞台から去り、伝説は遠い記憶の彼方に消え去ろうとしていた中で
「ジョニー」の名が再び囁かれたのは何を意味するのか?
「亡霊」と「ザビ家の財宝」。キーワードはいかなる怪物を世に解き放つのか?活目して見よ!

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[投稿:2011-06-07 12:53:58] [修正:2011-06-07 12:53:58] [このレビューのURL]