「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

「少女漫画に出てくる男性主人公はイケメンである」という、ある意味では不文律にも似た既成概念であり固定観念を、真正面からぶち壊していった意欲作です。

思えばこの作品。終始実直なストーリー展開で、どちらか一方が浮気をしたり他の異性を好きになったりだとか、そういう浮ついた話の一切無い、実に一本気に満ちた、男気溢れる物語だったなと、そんなことを思います。

普通、付き合ってからの話の展開としてありがちなのが、喧嘩して一度別れてしまうだとか、他の異性を好きになって二股関係のような状況になってしまうだとか、そういう、何かしら「その人以外の人を好きになってしまうような展開」みたいなものがある場合が多いものなのですが、この作品に限っては、そういう浮ついた展開みたいなものは(最後以外)ほとんど全くありませんでした。

ただ、もう少し欲を言えば、主人公剛田猛男の親友砂川にも、もう少し良い思いをしてほしかったなという気持ちもあります。しかし、あくまでこの作品において彼の役割は童話「泣いた赤鬼」でいう「青鬼」という立場そのものだったのでしょう。

作品のカテゴリーとしては少女漫画ですが、一般的にイメージするほど少女漫画強さは無く、かなりあっさりとして読みやすい作品になっているので、少女漫画に対して苦手意識を持っている人たちに対しても安心して薦められる作品になっていると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-02-02 18:42:21] [修正:2018-02-02 19:04:53] [このレビューのURL]

月別のレビュー表示