「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

凄まじく「表紙詐欺」な漫画です。

基本ムサ苦しい男子高校生だらけの物語なのに、ほんの少ししか登場しないメインヒロインをコミックスの表紙に持ってくるという、その辺の雑誌や週刊誌と同じ販売手法を取っています。

ある日突然未来にタイムスリップし、自分の好きな女の子が自分のお嫁さんになっている姿を見てしまった主人公。彼はその女の子との幸せな未来を実現させるために現実世界をより良い方向に導いていこうとする、という設定自体は面白いのですが、どうにもそれが上手く活かされていないように思えます。

プラスにせよマイナスにせよ、未来での変化がもっと目に見えて分かりやすい形で描出されていれば、タイムスリップして未来が見えるという行為にも意味が出てくるものですが、基本「昔こうだったよね」という既成事実の通告ばかりなので、結果として、主人公が自分にとって都合の良い未来に導くだけの物語に終始していることが大きな問題なんじゃないかと思います。

なので、気がついたらヒロインとの未来が全然変わっていたとか、もっと「この先どうなるのか分からない」と思えるような展開にした方が良いんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-02-22 23:27:32] [修正:2013-02-22 23:39:12] [このレビューのURL]

自分にとって水沢先生の描く絵柄っていうのは、初恋の人に対する思いと似たようなもので、実際に話が面白いかどうかはそれほど重要ではなく、ただその絵柄を見ているだけで癒されるというか安心できるという、そんな存在な訳です。

で、そんな存在だったこの作品なんですが、何とわずか3巻で終わってしまいました。正直、もうあと3巻分(三姉妹一周分)くらいは続いて欲しかっただけに、この段階での終了はとても残念です。

お寺で暮らす三姉妹の、それぞれの恋愛模様を描いたこの作品。それぞれの姉妹が持つ恋愛事情は実に明確で、はっきりとしたテーマが提示されています。しかし、だからこそ三姉妹全員に共通する肝心要の「跡継ぎ問題」を、物語の結論としてきちんと提示してほしかったというのが、一読者としての率直な感想です。

個別の話は面白いんですが、最終的なまとまりがいまいちだったので、今回は7点にしました。

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[投稿:2013-02-22 23:26:44] [修正:2013-02-22 23:26:44] [このレビューのURL]

火星に移住したい人類が、ゴキブリを撒いて地表面を黒くすることで温室効果を発生させ、火星の地下内部に眠る冷凍の二酸化炭素を溶かす計画を考えた。500年後、人類が火星に降り立ってみると、どういうわけか、火星にばら撒いたゴキブリが異常な進化を遂げ、生身の人間ではとても対処できないような、途轍もない身体能力を持った生物に進化していた。

なんていう、さすがにSFものはツッコミどころ満載だなと思う基本設定のこの作品。

ただ、SFものに現実的なツッコミをいれても仕方が無いので、今回はそういうのはナシでいきます。

『このマンガがすごい!2013』のオトコ編で1位になったこの作品。多分自分は、この作品が『このマンガがすごい!2013』で1位を取らなかったら、一生この作品を読むことは無かったんじゃないかと思います
(絵柄的な好みの問題で)。ですが、確かに1位を取るだけあって話の内容は面白いです。

タイプ的には同じ雑誌に掲載されている『GANTZ』と似た様な感じです。なので、人体がバラバラになって血しぶきが飛び散ったりだとか、臓器が体からはみ出たりするようなグロい描写が苦手な人は、きっとキツいと思います。基本バトルはガチの肉弾戦なので。

1巻の終わり方はまるで最終回のような終わり方なんですが、1巻の内容は言わば2巻目以降の壮大な伏線みたいなものです。1巻でベースとして築き上げた物語の基本設定が、歴史の積み重ねによって2巻目以降に更に活かされていきます。なので、1巻だけで読むのをやめてしまわずに、ぜひとも2巻目以降も読んでみて欲しいと思います。というか、2巻目以降がゴキブリとのバトルの本番です。

正直、1巻ずつチマチマ読んでいくと話の続きが気になって仕方が無いので、本当は全部物語が完結してから読んだ方がいいんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-02-15 22:23:33] [修正:2013-02-15 23:34:16] [このレビューのURL]

野球で言うなら「三回に二回の割合で右中間ヒットを放つ三番打者」といったイメージのこの作品。要するに、大事な場面できちんとヒットを打って、確実に1点を取る技巧打者。そんな、手堅い印象を与える作品です。

主人公の山田は相手とキスをすることで、相手と自分の人格が入れ替えてしまう能力を持っている。そんな、少女漫画とかでありがちな基本設定に少年漫画らしいお色気シーンもプラスした、正に男の子の好みのツボを的確に押してくるかのような、堅実さ満点のストーリー展開です。

そんな手堅い印象を与える作品なので、別段褒めるところも非難するところもありません。話の内容も、どこまで優等生なんだと思うくらいに普通の起承転結ストーリーです。強いて言えば、主人公や男性キャラが皆同じ顔(正確にはみんな前作の『ヤンキー君とメガネちゃん』の主人公、品川)に見える、ってところくらいです。(おそらくこれは、作者の趣味が反映されているのだと思います。)

基本、話のノリは前作のヤンメガそのままなので、前作(の最初の方)が好きだった人は、ほとんど抵抗なく読めるんじゃないかと思います。

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[投稿:2013-02-15 22:22:50] [修正:2013-02-15 22:35:14] [このレビューのURL]

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