「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

まず一言で言えば、「重い」作品です。はっきり言って読んで楽しむための漫画ではありません。読んで悩み、苦しむための漫画です。

この作品が重いのは、決して埋まらない溝を、常にそのテーマとして書いているからだと思います。新生児編では、素直に受け入れられない親の葛藤を。ガン医療編では、死を間近にして決して完全には救われない患者の苦悩と、死を間近に控えた患者を真に理解出来ない医者の苦悩を。精神科編では、決して拭いきれない社会が持つ偏見とそれに苛まれる患者の苦悩を。

結末も、読んでいてすっきりしないのは、決して一つの問題が無事に解決した訳だからではなく、ただ一区切りついただけだからです。完全には救われていないのです。それが、この作品の持つ重さの正体なのではないでしょうか。

白でも黒でもない終わり方を受け入れることが出来るかどうか。それがこの作品に対する評価の一つの分かれ目だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-11-26 22:59:47] [修正:2007-11-26 22:59:47] [このレビューのURL]

10点 SLAM DUNK

私の中で、良い漫画の条件の一つに「いかにその作品の持つ世界観に引き込まれるか」というのがあります。つまり、本棚を眺めていてたまたまその作品に目が止まり、ふと手にした一冊を読んでいく内に、気がつくと一冊読み終わってしまっている、といったような心を奪われてしまう感じです。

それがあるか無いかが、私の中で良い漫画だと言える一つの条件なのですが、この作品には間違いなくそれが備わっているような感じがします。特に、12巻から始まるインターハイ予選の決勝リーグは、自分でも不思議なくらい、本当に読み出すと止まらなくなってしまいます。おそらくこれがこの作品の持つ魔力なのでしょう。

こうした力を持つ作品は、今まで数える程しか出会っていませんが、いずれにせよ、この作品は恐ろしいまでのパワーを持った作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-11-18 12:49:42] [修正:2007-11-18 12:49:42] [このレビューのURL]

3点 D.Gray-man

ジャンプで好評を博し、アニメ化までされた作品ということで興味を持ち、読んでみましたが、はっきり言って面白くありません。

何が面白くないのかと言えば、全てにおいて中途半端だからです。キャラが中途半端。世界観が中途半端。一つひとつのストーリーの進め方や話の引き方が中途半端。漫画の方でも表現方法に個性がなく、ただ人気が出てしまったからそれっぽくダラダラと続けているだけの作品といった印象です。

一方でアニメの方も、表現方法を極力和らげ、子供が見ても安心できるように、無難な作品作りをしているだけといった印象を受けました。

おそらく、この作品の人気が出てしまった理由というのを、例えて言うならこういう事なんじゃないでしょうか。ある普通の学校のクラスに1人だけとびきり顔の良い男の子がいるとします。

そしてその子は、当然クラスの女子からモテモテです。なぜなら他の男子はみんなブサイクで他にいい男がいないからです。しかし、その子も他の男子からして見たら全く普通の印象でしかありません。

つまり、見た目の良さだけで、周りが無駄に持ち上げ過ぎてしまった作品なんじゃないかと思います。いずれにせよ、傍から見てて痛い作品だなと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-11-17 20:35:27] [修正:2007-11-17 20:35:27] [このレビューのURL]

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