「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

作者本人としては、20代の中国人女性と結婚した自分の新婚生活を、文化や国籍の違いから生じるギャップを含めて面白おかしく描いているつもりなのかもしれないですけど、ごく一般的な観点から至って冷静に見た場合、単なる身内自慢にしか見えないなと、そんなことを思います。

面白くないというわけでは決してないんですが、よその学校で作った卒業文集を読んで面白いと思うか、
っていうのと同じ感じなんじゃないかと思います。要するに、笑いのネタが内輪話過ぎて、「へーそうなんですか」で終わってしまう感じです。とりあえず、作品として評価するよりも、エッセイや日記の一種として捉えることの方が正解な気がします。

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[投稿:2012-03-30 19:38:32] [修正:2012-03-30 19:39:48] [このレビューのURL]

(例え話として)自分が大好きなAさんには双子のBさんがいます。そんなAさんがある時、人格だけ双子のBさんに乗り移ってしまいました。つまり、見た目はBさん、人格はAさんという人物の出来上がりです。ではここで問題です。この時私が「その人」と会話をしたとすると、果たして私は、AさんとBさんのどちらと会話をしている気分になるのでしょうか? というのがこの作品に対する感想です。

つまり、もう少し分かりやすく言えば、この作品は本質的には同じでも、その実質的な部分においてはアニメとかなりの違いを持っているという事です。具体的にその違いを挙げるとすれば、まずその「絵柄」。次にストーリー進行の細かい手順。その他にもキャラクターデザインやカット割り、あるいはアニメでしか表現できない世界観を彩る「色」、聴覚に訴える「音」やキャラクター達による「声の演技」などなど、その違いを挙げていけばキリが無いのですが、要するに、この作品がアニメと同じものだと言えるのはストーリーの骨子とキャラクターの設定くらいで、あとは林檎の芯くらいにしか本質的な部分でアニメと同じだと言えるものは残されていないということです。

ただし、ストーリーの骨子が残っている以上、そのプロットは実に秀逸です。おそらく今後十年くらいは、もうしばらくこれを超える魔法少女モノは出てこないんじゃないかと思えるくらいに素晴らしいストーリー内容です。なので、個人的には漫画ではなくアニメの方でこの作品と出会ってほしいと思います。もうインパクトというか、画面から迫りくる映像の迫力が全然違いますので。そしてその中でも特に秀逸なのが、(漫画でもアニメでも同じ)第10話。この話だけは、個人的に10点を付けているくらいに感動的な内容です。

まぁ、(アニメの方が面白い漫画に対してはいつも言ってますが)漫画はアニメを補完するためのものという位置づけでいいと思います。

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[投稿:2012-03-09 22:02:48] [修正:2012-03-09 22:02:48] [このレビューのURL]

この作品との出会いのきっかけは本当に何でもないことで、たまたま買った別のコミックに今月の新刊情報の紙が挟まっていて、その中に、この作品のことが紹介されていた、というのがそもそもの発端です。そんな経緯でこの作品に興味を持ち、いざ実際に読んでみたんですが、これまた何とも異端というか、異質というか、とりあえず、正当ではなく、正常でもない作品だということは間違いないだろうなと。そんな事を感じさせてくれる作品でした。

何て言うんですかね。

ボケてるわけでもなく、ウケを狙っているわけでもない。
好かれようとしているわけでもなく、嫌われようとしているわけでもない。
褒められようとしているわけでもなく、非難されようとしているわけでもない。

あるのは純粋な「主張」だけ。
まるで、「これが『私』だ」と作者が作品の内側から大声で叫んでいるかのようです。

そんな作者の純粋かつ真っ直ぐで、しかも無茶苦茶な「主張」が、好き嫌いの分別や善悪倫理の判断基準を飛び越えて、作品の中から溢れ出てきているかのような作品です。とはいえ、きっと一般的な価値判断基準を持った人がこの作品を読んだら、「何この作品? 気持ち悪くて訳分かんねー」で終わってしまうかもしれません。しかし、こういった作品こそが、商業主義に染まらない100パーセント純正な「作品」の姿なんじゃないかと。そんなことを思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2012-03-09 22:02:13] [修正:2012-03-09 22:02:13] [このレビューのURL]

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