「鋼鉄くらげ」さんのページ

(例え話として)自分が大好きなAさんには双子のBさんがいます。そんなAさんがある時、人格だけ双子のBさんに乗り移ってしまいました。つまり、見た目はBさん、人格はAさんという人物の出来上がりです。ではここで問題です。この時私が「その人」と会話をしたとすると、果たして私は、AさんとBさんのどちらと会話をしている気分になるのでしょうか? というのがこの作品に対する感想です。

つまり、もう少し分かりやすく言えば、この作品は本質的には同じでも、その実質的な部分においてはアニメとかなりの違いを持っているという事です。具体的にその違いを挙げるとすれば、まずその「絵柄」。次にストーリー進行の細かい手順。その他にもキャラクターデザインやカット割り、あるいはアニメでしか表現できない世界観を彩る「色」、聴覚に訴える「音」やキャラクター達による「声の演技」などなど、その違いを挙げていけばキリが無いのですが、要するに、この作品がアニメと同じものだと言えるのはストーリーの骨子とキャラクターの設定くらいで、あとは林檎の芯くらいにしか本質的な部分でアニメと同じだと言えるものは残されていないということです。

ただし、ストーリーの骨子が残っている以上、そのプロットは実に秀逸です。おそらく今後十年くらいは、もうしばらくこれを超える魔法少女モノは出てこないんじゃないかと思えるくらいに素晴らしいストーリー内容です。なので、個人的には漫画ではなくアニメの方でこの作品と出会ってほしいと思います。もうインパクトというか、画面から迫りくる映像の迫力が全然違いますので。そしてその中でも特に秀逸なのが、(漫画でもアニメでも同じ)第10話。この話だけは、個人的に10点を付けているくらいに感動的な内容です。

まぁ、(アニメの方が面白い漫画に対してはいつも言ってますが)漫画はアニメを補完するためのものという位置づけでいいと思います。

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[投稿:2012-03-09 22:02:48] [修正:2012-03-09 22:02:48]

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