「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

間違いなく「過程」を楽しむタイプの漫画だと思うこの作品。

この作品のミソは次の二点。
1 見た目超優等生のメガネちゃんが、実はバリバリのヤンキー。
2 見た目バリバリのヤンキーが、実は元超優等生。
このギャップがこの漫画の面白い所であり、ミソであると私は感じます。

ストーリーとしては全体的に勢いまかせで、ヒネリや伏線も何もないキャラ漫画ですが、その分キャラクター一人ひとりの面白さや魅力が際立っているので、安定した面白さは持っていると思います。

しかしやはり、読んでいて痼り(しこり)として残るのが、物語の最後の結末部分です。果たして、どうしてこのような結末になったのかという事を、あくまで自分の推論として述べさせてもらいます。

まず結末の要点を整理しましょう。

自身の正体と家庭の事情が原因で学校に来る事ができなくなってしまい、引いては卒業式はおろか、大学進学も諦める事になってしまったヒロイン足立花。卒業式の日、品川大地は答辞を読み上げていく中で、この三年間、自分は足立花に振り回されながらも、彼女がいた事で自分の高校生活三年間がいかに輝いていたのかを改めて気付かされ、自分にとって足立花という存在がいかに大きなものだったのかを改めて知り、そこで初めて涙を流すのだった。
そして、四年後。品川大地は母校、紋白高校の教師として働いていた。そして学校行事の社会科見学が迫ろうとしていた時に、ふと休憩がてらにトイレに入っていると、そこに突然、あの足立花が現れた。丁度、初めて二人が登場したあの時(第一話)と同じように。
こうして、二人は四年振りに、今度は先生と生徒として、無事に再会を果たすのだった。

と、まぁこんな感じではないかと思いますが、おそらく、作者の頭の中ではこのラストシーンの方が先にあったために、ああいう流れになったのではないかと思います。
(つまり、分かりやすく言えば、本来予備校編は連載当初から予定されていた話ではなく、連載をある程度引き延ばすために、後から作られた話だったのではないかと。見た目ヤンキーの品川が実は、元有名中学校の在校生だったとか、しかも全国一位の知り合いがいるとか、いかにも後付けっぽい設定ですし。それに、もし仮に足立花の家庭問題が無事に解決し、足立花も品川大地も二人無事に揃って紋白高校を卒業してしまうと、作者が描きたい理想の結末が描けなくなってしまいます。足立花が高校を「卒業」してしまう訳ですから。)

ただまぁ個人的な感想を言えば、これまでの過程を考えると、その結末(品川が殿大に出たにも関わらず母校で教師をやっていて、そこに四年ぶりに高校を中退した足立花が現れたという結末)はちょっと無理があったんじゃないかとも思います。何にしてもこの漫画は結末よりも、その途中を楽しむための漫画ですので、そこに整合性を見出そうとする事自体、ヤボな事かもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-21 14:21:02] [修正:2011-06-21 14:24:37] [このレビューのURL]

当初の予定では、一作ずつ個別のレビューを書いていこうと思ったんですが、全体的にあまりパッとしない作品ばかりだったため、個別のレビューを書くのはやめました。

正直に言えば、それほど面白い話は有りません。かろうじてタイトルにもなった「ポジティブ先生」が、ほんの少し強いインパクトを持っているくらいです。

期待外れとは言わないまでも、がっかりする事請け合いの短編集だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-21 14:20:19] [修正:2011-06-21 14:20:19] [このレビューのURL]

もし今、とある誰かが(充分な画力があるという前提で)過去にヒットしたヒット作のどれでも使っていいので、その設定やキャラクターを使って新たに物語を作って下さい、と言われた時、その人は、そのヒット作よりも面白いものが作れるのだろうか? という問い掛けの答の一つを提示したかのような作品。

まず結論から言えば、ある誰かが、何かの設定やキャラクターを借りて物語を作ったとしても、それと同じもの、ましてやそれより面白いものなんて、よほど作る事が出来ないと私はそう思っています。その理由はとても簡単で、結局創作というのは、作者の精神世界の具現化そのものであって、その作者以外、その世界を正確に表せる人間はこの世に存在しないと考えるからです。

例え、物真似や変装、あるいは魔法の力を使って表面上全くの他人に成りすましたとしても、その内面、つまりは精神性や価値観、思考回路、発言内容まで完全に他者の真似をする事なんて出来ない。奇しくも魔法の力を使って他人に成りすますこの漫画でそれを証明してしまった事はとても皮肉な話ですが、創作の世界に、真似のスタンスを持って来た時点で、この漫画の運命は既に決定していたのかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-20 19:31:20] [修正:2011-06-21 14:17:33] [このレビューのURL]

結局のところ、読切の時の話が一番面白かったという、悲しい末路を辿ってしまった作品。
(ちなみに、その読切の話は最終巻に収録されています)

もう連載が終わってしまった今だから正直に書きますが、自分はこの作品、主人公とヒロイン以外のキャラが全く好きになれませんでした。特に鬼頭衆と呼ばれる、ミヅキ、モモ、ユナの三人が。

この三人がホント気持ち悪いというか、何でこんなキャラクターにしたのか、ホント理解に苦しむほど、好きになれないキャラクターでした。読切の時に出てきた様な普通の女子中学生のままで良かったのに、何でこんな気持ちの悪いキャラクターにしてしまったのか。思えばこの時点で既に、作品全体に暗雲が立ち込めていたように思えます。

他にも生徒会長や、花婿候補。県王、覇王など、話が進めば進むほど、失望や落胆が雪だるま式に累積していきました。それでも最終巻まで読んでいたのは、「いつかは面白くなるかもしれない」という淡い期待だったんですが。結局は最後まで、つまらないままでした。

投資行為っていうのは、情が移ると本当に困ったものです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-09 14:58:55] [修正:2011-06-09 14:58:55] [このレビューのURL]

今から設定を読み上げていく途中で、つまらないと判断されたら「つまらないボタン」が作動します。ではスタートします。

高校生、烏丸与一は山での剣術の修業を終え、街にやってきた。
そして与一は、同じく高校生の斑鳩いぶき(女性)の家で共に暮らす事になった。
いぶきの実家は道場を営んでおり、彼女はその師範代だった。
いぶきの家には、いぶきの他に三人の美人姉妹が住んでいた。
→「つまらないボタン」作動

与一はどういうわけか、美人姉妹四人と接すると、いつもお色気ハプニングを連発してしまう。
→「つまらないボタン」作動

そんな与一に対し、いぶきは不快感を露わにした。しかし、いぶきはそんな与一の事が気になって仕方が無い。というか、好きになっていた。
→「つまらないボタン」作動

アレとかアレとか、似たような設定の話はこの世にごまんとありますよね。
一巻どころか、一話で「つまらない」と思った作品でした。二話以降は、もう読んでいません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-06-09 14:58:14] [修正:2011-06-09 14:58:14] [このレビューのURL]

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