「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

「けいおん!」に対してそれほど愛着を持っていない、一読者からの意見を言えば、この「けいおん! college」は、この作品の続編を望んだ全ての人達が「欲をかいたから失敗した作品」だったと思います。

読者は、「続きが読みたい」という欲をかいたから失敗した。
出版社は、「続きを作って雑誌の売上を増やしたい」という欲をかいたから失敗した。
書店やグッズ販売店など、その他の関係者は「続きを作ってもらって、そこから生じる『お零れ』を少しでも手に入れたい」という欲をかいたから失敗した。

結局のところ、この作品はアニメ化の話が決まったその瞬間から、終始一貫、誰かにとっての「商品」であり、「道具」でした。

だから売れた。だから有名になった。

確かにそうかもしれませんが、自分は原作でもアニメでも、この作品が本質的に面白いと思ったことはただの一度もありません。中身が無く、上っ面だけで作品を売っています。

要するに、アイドルと一緒です。盲目的に信仰するためのシンボルを用意しておいて、消費者にそれが正しい、素晴らしいものなんだと思いこませて、消費活動を促進させていく。つまり、一種のマーケティング活動の成果なんです。「けいおん!」人気の正体というのは。

「京都アニメーションというブランドから生まれた映像作品 『けいおん!』 」

それを純粋に作品として評価している人は、果たして世の中にどれくらいいるのでしょうか?

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[投稿:2012-11-09 23:49:51] [修正:2012-11-10 09:19:53] [このレビューのURL]

「けいおん!」で唯たちの後輩だった「中野梓のその後」を描いたアフターストーリー。
結論から言ってしまえば「けいおん! college」よりも、こちらの方が面白いです。

何と言うか、やっぱり大学生活って、一般化しづらいと思います。学校が違うだけでカリキュラムの内容は全然違いますし、同じ学校内でも学部が違えば授業の内容だって全く別物ですから。その点、高校生活というカテゴリーは一般化しやすく、読む側も心情や体験を共有しやすい舞台だと思います。だからこそ、大学生活よりも高校生活を描いた物語の方が断然描きやすいですし、物語そのものも、ずっと作りやすいと思います。

アニメの最終回を見ていた時に、「これ、このまま唯たちが卒業すると、梓は来年一人ぼっちになってかなり寂しい学校生活を送る事になるんじゃないの?」と心配していたのですが、そうした心配がこの作品内でしっかりとフォローされていたので、その点では、意味のあるアフターストーリーだったと思います。

要点をまとめると、「けいおん! college」はダメダメなのでおすすめはしませんが、「けいおん! high school」は安心して読める続編になっています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-09 23:49:10] [修正:2012-11-09 23:54:39] [このレビューのURL]

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