「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

そもそもの初期設定が足枷になっていると思うこの作品。

敵国政治家への接触の足掛かりとして偽装家族を形成し、学園に侵入して当該政治家の息子と接触する、というのが当初の目的だったはずなのですが、一読者の単純な疑問としては、「ただの一個人への接触のためにそんなに悠長な時間を使って大丈夫なの?」という根本的な疑問があって、その辺りが作品全体のバランスに矛盾を感じるというか、いまいち目的と手段がかみ合っていないような気がしています。

「アーニャの星を八つ獲得する」ことを理由にして話を続けていますが、長く続ければ続けるほど初期設定の矛盾が肥大化すると思うので、ある程度コンパクトに話をまとめた方が良いんじゃないかと思っています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-10-14 21:12:48] [修正:2023-10-14 21:12:48] [このレビューのURL]

アニメだと思って録り間違えた番組が何やら面白そうなテーマだったので原作を2巻まで読んでみたのですが、これは面白くないですね。

具体的に何が面白くないかと言われれば、一言でいえば「ご都合が過ぎる」ということで、まず初めの全員が集合した時点で犯人が「もう一人いる」といって教室後ろにある段ボール箱を指さして段ボール箱を開けると、体をバラバラに切断されたクラスメイトが発見されるシーン。

この展開ははっきり言って無理があるというか、まず想像してみてほしいのが、誰もいない教室で一番初めにやってきたクラスメイト。その人が誰もいない教室の後ろに置かれている段ボール箱に何の興味や関心を示さないことがあり得るのか。最初の人が示さなかったとしても少なくとも全員が揃うまでの間に必ず誰かが興味を示し、箱の中身を確認しようとするのではないか。そうなれば、確認された時点で大騒ぎとなり、そこまで集まったクラスメイトたちも教室を逃げ出して、犯人の計画も終了してしまうのではないか。

これはあくまで一例ですが、この作品はそうした「現実に落とし込んだ場合に違和感がある」シーンが多すぎることが問題で、多分作者本人の頭の中で「描きたい流れのイメージ」の方が先にあって、それに合わせて物語を描いているので、その内容に整合性が取れているのかとか、現実に落とし込んだ場合に何か不具合は無いかとか、そういう検証作業が充分に出来ていないような気がします。

あとは、誰も犯人を抑え込もうとしないことも問題で、たとえ相手がピストルと持っていたとしても結局は多勢に無勢で、2巻までに描かれた描写の中でもいくらでも犯人を抑え込む手段はあるはず(調理実習室のカーテン、椅子、コップ、皿、他の教室にある掃除道具など)だと思うのですが、誰もそれをしようとせずただ犯人の言いなりになっているのも理解できないですし、結局は「物語の都合のために動かされている」感が半端ない作品です。

他にもつっこみどころは無数にあるのですが、せめてもう少し論理の穴を埋めてほしかったというか、隙だらけのストーリー展開をなんとかしてほしかった印象です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2023-10-14 21:10:08] [修正:2023-10-14 21:10:08] [このレビューのURL]

月別のレビュー表示