「鋼鉄くらげ」さんのページ

おそらく、この作品は作者の前作「電影少女」を読んだかどうかで評価が大きく変わる作品だと思います。ちなみに私は「電影少女」を読んで、この作品の評価を下げました。

というのも、改めて読んでみると、結局この物語は、終始主人公にとって都合の良い物語でしかないように感じたからなんですね。あまりに虫がいいというか。

しかしそう感じる理由はおそらく、登場人物達の心理描写が主人公一貴の一人称でしか描かれていないためだと思われます。つまり、主人公だけじゃなく周りの人間も、その時々でどう思っていたのか。それが読者に把握出来ないでいると、読んでいる読者としてはなぜそのような結果が生まれたわけか、納得できない部分がある訳ですよね。「結局、都合の良いように話が進んでいくだけか」と。

失敗作、というよりは、少し正当すぎた作品だと思います。

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[投稿:2009-08-07 20:22:42] [修正:2009-08-07 20:22:42]

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