「鋼鉄くらげ」さんのページ

正直な話、当時この作品がジャンプで掲載されていた頃、自分はあまりこの作品に共感できずにいました。その理由を一言で言ってしまうと、「問題解決の方法論に共感を得なかった」からです。

物語に起承転結の起伏がある以上、主人公がピンチになり、そこからの大逆転を経て物語がハッピーエンドの方向へと収束していくという過程は至極当然であるため、そこに異論の余地は無かったのですが、そこに辿り着くための方法論がどうしても自分の中で納得のできないものばかりだったのを記憶しています。

その方法論を相撲で例えるとします。ある力士が、ここからここまでしか範囲がない土俵の瀬戸際で相手力士に追い込まれています。するとその力士は突然、無理矢理外周の円を足で押し広げて、円をはみ出させてその場を耐え凌いでしまいました、といった具合の方法論を繰り返し取っているように思えたんですよね。つまり無理矢理ルールを拡張させてしまっているような。

勿論これは、物語の意外性という言葉で表現される部分でもあるため、これを意外性と取るか、ズルいと取るか。これは完全に好みの問題です。が、少なくとも自分はあまり納得できませんでした。

最近改めて読み直してみて、確かに話としてはまずまず面白いと思えたんですけど、やはり要所ごとの判断が自分とは噛み合わないなと。そんなことを感じさせられた作品でした。

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[投稿:2011-02-11 22:49:47] [修正:2011-02-11 22:49:47]

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