「鋼鉄くらげ」さんのページ

7点 GANTZ

確かに、トータルで言えば7点くらいなんですが、最終章の「カタストロフィ編」に限っては4点くらいです。
それくらい、物語終盤の凋落ぶりがハンパない作品でした。

何となく興味が薄れてしまい、途中で読むのをやめてしまったという人は、最終巻一つ手前の36巻だけでも読めば充分です。そこで物語全体の大体の「謎」は解明されますから。但し、便宜上の範囲で。

はっきり言って、36巻の「真理の部屋」で語られた「物語の真実」は、ダウトであり、作者がもっともらしく作り上げた「後付けの真実」だと言わざるを得ません。

そもそも、何年も前から宇宙人が地球へ侵略のために飛来していて、彼らに対して対抗するための手段として「GANTZ」のシステムや装備が作られたのなら、もっと正式な機関(つまりは国家とか軍隊とか)が、周到かつ綿密な準備と訓練のもとに対抗策を講じるはずです。それにも関わらず、「たまたま運悪く死んだ人の肉体」を「GANTZ」の戦闘候補生として選び出し、訓練させ、最終章である「カタストロフィ編」で宇宙からの侵略者に対して、人類全ての希望として戦わせるなんていう作品全体の流れは、どう考えても非論理的ですし、合理性に欠けています。それだったら、最初から軍隊とかプロアスリートとか、戦闘兵として素質のある人達に「GANTZ」の武具を装備させて異星人と戦わせて経験を積ませていった方がよっぽどか合理的ですし、確実です。わざわざ死んだ一般人に異星人と戦わせる理由が分かりません。

結局のところ、作者自身が考え無しに物語を描いてきた結果、初期設定との整合性がつかなくなったんじゃないかと思います。まぁ仕方無いですね。「GANTZ」という作品は元々そういう作品。つまりは、作者の自己満足で描かれていたような作品ですし。

結果、一時の娯楽としてはそこそこ楽しめるエンターテイメントにはなったと思いますが、あくまで、そこまでの作品だと思います。

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[投稿:2013-10-11 23:49:35] [修正:2013-10-11 23:53:55]

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