「gundam22v」さんのページ

総レビュー数: 644レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年12月06日

知名度なら題名通り「神のごとき」ですが、ミケランジェロ個人の人生についてはほとんど知らなかったので、漫画として違和感がないほどの面白エピソードの数々には笑いとタメになるの両方で楽しめました。かといって彼の根底にある真摯な芸術家性も描かれており、元々抱いていたイメージ通りで安心出来たところ。

レオナルドやラファエロとの絡み、参考文献多数の情報量も活かされており、基本コメディ調ですが歴史漫画としてもしっかりしています。最近流行している作風の流れを汲んだ一作で掘り出しものでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-05-26 21:31:59] [修正:2017-05-26 21:31:59] [このレビューのURL]

西尾維新原作のコミカライズとしては画力はじめ最も上手い作品ではないかと思います。タイトルにもなっている忘却設定がやや強引かつキャラ付けくらいしか機能していない感じが残念ですが、現代の殺人に頼らないライトなミステリとして質が高く、個性的なキャラと掛け合いも特徴的。原作が未完結ということもあって、主人公に関する謎が投げになった第一部完の半端さは否めませんが、いつか完結まで描かれる第二部にも期待したいです。

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[投稿:2017-05-21 03:35:14] [修正:2017-05-21 03:35:14] [このレビューのURL]

神社の巫女を題材としたお仕事一話完結系漫画。堅苦しい感じにならずにコミカルな人情モノに薀蓄を交えた良作だと思います。
全3巻ですが過不足なく、古の祭復活に集約されて行くプロットは見事でした。人物絵が安定しない部分があったこと、序盤主人公の言動が身勝手に見えてしまうなどが気になりましたが、最終回読後感の素晴らしさはそれらを覆い隠すものがありました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-23 08:42:05] [修正:2017-04-23 08:43:47] [このレビューのURL]

7点 DEATH NOTE

頭脳戦漫画と言えば現在でもこれを除いて語るのは難しいと思います。クセが強いですがキャラ達が立っていて、スリリングで続きが気になるストーリーは先駆者的なのがあります。ちょくちょく粗っぽいのがあって、連載中からそれを突っ込まれてましたし、二部辺りから顕著になって叩く人も増えました。それでも現在だと本作よりもっと粗が際立つような頭脳戦漫画も多いです。なんだかんだで続きが気になる引きつけは最後までありました。ラストも帰着点としては綺麗に終わった方では。

ただ文字数が多くて読み難い部分は確かです。テンポがやや悪く、じっくり読んで考えるからこそ粗がより気になるのはあったかもしれません。その辺がカバーされてほぼ原作準拠で完結までクオリティが高く描かれたアニメ版の方を今からの人には薦めたいとは思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-16 02:01:31] [修正:2017-04-16 02:01:31] [このレビューのURL]

全1冊もので名作に挙げる人が多いのにも納得です。小学生が主人公ながら大人が読んでも深みがある台詞、ノスタルジック感に浸れます。宇宙エンジニアの考証(巻末解説も面白い)により小学生が作れる本格的なロケットが考え抜かれ、分かりやすいウンチクを絡めながら90分映画を意識したとされる締まった作品。強いて言えばもっと過程と分量が見たかったとも思いましたが。

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[投稿:2017-03-25 08:07:25] [修正:2017-03-25 08:07:25] [このレビューのURL]

「リュウマ」という雅号(ガゴウ)を受け継ぐ者達の「風の谷のナウシカ」に似た世界観での群像大河作品。作者の作品はどれも暗さが根底にある中で本作は求められているところに上手く合っていたと思います。最初の時系列や人物がバラバラのオムニバス形式が後から思えば全部伏線と言えるほどだったのは驚きです。

ただそれがおまけ漫画などでも自嘲されているように後から分かってくるという感じで、読んでいる最中には理解しにくい感じはありました。終盤掲載されたストーリーや人物紹介ページは最初からあった方が良かったかと。相変わず画力は高いですが、バトルがややゴチャゴチャして見にくいのも上記難解さを増した感もあります。最後を締める白皮眼リュウマの物語がやや低調に思えるもので、打ち切りを喰らったような駆け足になっているのが残念ですが、全体としては必要な要素は描かれて、読後パズルのピースが嵌り一枚の絵画が出来上がったような感覚は本作独特のものでした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-22 23:22:36] [修正:2017-03-22 23:22:36] [このレビューのURL]

不遇な漫画家であり、そのせいで本作も知名度が低いですが、手塚治虫の弟子だけあって「ブッタ」の空海版のような作品です。読みやすく漫画として伝説的名僧の一生、その教えが描かれています。コンパクトながら空海の底知れなさ(ある意味怪物)、ライバル最澄との関係、薬子の変まで触れているのは驚きました。

唯一空海に惚れてくれる女の子との恋愛的なのは、運命的にも空海の完全拒絶しかないので余計な感じもありましたが、空海を扱う作品では現在でもスタンダードと言える作品だと思います。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-02-26 00:52:18] [修正:2017-02-26 00:52:18] [このレビューのURL]

少年サンデーのノリを踏まえつつ、大人が読んでも示唆を感じるような最近の時事も含めた経済&政治要素を上手く絡めた作品です(主人公側の主張を押しつけにならず、対立相手も否定しない穏当なスタンスなのも良い)。学園マネー闘争と選挙を独特の世界観を構築して最初は無茶だろと思いつつ次第に慣れと細部の設定で「こんな学校(世界)があっても面白そう」と感じるように。

キャラも主人公市場クロガネの変人天才設定も個性的に描けていて、彼と絡む周辺人物も上手く掘り下げられていました。序盤の画力不足、後半の選挙編がややグダった(面白いが立候補している訳でもなく、悩んでしまう主人公の存在が薄い時期が続いた)、女性キャラかわいいのに恋愛要素がほとんどないのが惜しいなど思ったところはありますが、裏サンデー連載で13巻も続いた面白さ、綺麗に完結したところは大したもので表サンデーにも劣らない(どころか最近のより面白いかも)隠れた良作だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-01-21 01:00:19] [修正:2017-01-21 01:00:19] [このレビューのURL]

本格的なSF要素を交えながら、ゆるりとした世界観で地球を訪ねる
宇宙人のトラブルを解決する一話完結話。絵の感じといいアフターヌーン連載らしさ
があり、安心して読めます。マイナーですが藤子SF辺りが好きなら相性がかなり
良さそうな隠れた良作だと思います。相棒の宇宙人クタムがエグい外見ながら
主人公(こっちはもっと美人で良かったかも)との掛け合いが楽しく
話に比例して親しみが持てて来るのが面白いです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-12-19 18:26:44] [修正:2016-12-19 18:26:44] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

凡才奏者主人公と天才指揮者ヒロインを据えた音楽漫画。音大青春要素と業界知識の塩梅が良いです。主人公をあえて凡才にしてヒロインの天才ぶり(変人だが)について行くのが独自スパイスとして効いています。変人なヒロインでさえ(最後の行動はともかく)可愛げがあって、主人公を想う二人のサブヒロインもいて、地味目な絵柄以上に女性キャラの描写が上手いです。画も時々荒かったり、描き分けが似た人が居ますが、丁寧かつ好きな画風です。演奏の迫力はイマイチですが。

毎話ごとの作曲家コラムも深さと分かりやすさがあって良かったかと。ただ最大の欠点として最後の締め方が…。変人とはいえあんまりだろってほどヒロインの突飛な行動で幕を閉じてしまう嫌な感じでどんでん返し。エピローグも登場人物が僅かしか出ないで、主人公がサブヒロインのどっちを選んだか曖昧な描写でモヤモヤ(まあ幼馴染かな)。全体としては良作なのは揺るがないとは思いますが、世に音楽漫画が多い中でも光るものがあると思えるほどの出来だったので残念さも大きいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-12-13 17:46:30] [修正:2016-12-13 17:46:30] [このレビューのURL]

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