「鋼鉄くらげ」さんのページ

随分前に、本誌で連載されていたというのは憶えていて、今回たまたま古本屋で見かけて読み直してみた作品。

しかしまぁ、そうですね。分かってはいたんですけどダメ漫画でした。何がダメなのかと言うと絵が下手なのは勿論の事なのですが、何より見せ方が上手くない。

例えば、フィギュアスケートの演技をテレビで放送する時に、演技者の顔だけをずっとアップで放送していても意味が無い訳で、受け手に伝えるべき情報を根本的に間違えている訳です。それをこの作品で置き換えて言えば、読者が局面の流れを理解するのに必要な場面が、全く適切に配置されていない。流れを重んじる「勝負事」を扱うテーマで、ここに対する認識の欠如は致命的です。

その他にも問題点は無数にありますが、何より、どうすれば「将棋」という頭脳戦の流れを、上手く読者に伝達できるか。そこを充分に考えなかった点に、この作品の失敗はあると思います。

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[投稿:2010-01-27 22:08:24] [修正:2010-01-27 22:11:16]

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