「鋼鉄くらげ」さんのページ

十個中十個全てが毒漫画。

例えば、ストーリーの一話一話が「お饅頭」だったとして。面白い話は「美味しい饅頭」。つまらない話は「不味い饅頭」。そして毒気のある話は「毒饅頭」。この三パターンに個別のストーリーを分類するとします。

そしてこの漫画の個別のストーリーを、上記の分類法則に則り、「美味しい饅頭」、「不味い饅頭」、「毒饅頭」。この三つの区分に分類するとします。するとどのような現象が起こるか。結論として、分類された個別のストーリー全てが「毒饅頭」のカテゴリーに分類されます。美味しさも不味さも無い。読んでいて感じるのは、只々強い「毒々しさ」です。

そう。この漫画のキーワードは「毒」だと思います。メインとなる話そのものは、模型部で模型製作をしている女子高生達の話なんですが、模型部の活動ストーリーなんてのは、最初の数話だけでほぼ終了し、そこから先は変人ばかりがストーリーの中で好き勝手暴れ回るだけのバーリトゥードな漫画に話の内容が変化していきます。

そのやりたい放題、傍若無人ぶりは、とても有害で有毒です。百害あって一利無しです。よく普通の漫画を「毒にも薬にもならない漫画」なんて表現しますが、この漫画は「毒にしかならない漫画」です。「毒にも薬にもならない漫画」の方が、よっぽどか健全で良心的です。

しかしそんな「毒」だらけで「有害」な漫画に、なぜか自分はハマってしまいました。

これはこの作品の持つ「毒」が、自分の脳細胞を破壊し、正常な判断を鈍らせているのか。
それともこの作品が持つ「毒」が、自分の体内で「薬」として化学変化を起こしたのか。
あるいはこの作品が持つ「毒」が、自分の脳内で「面白い」という幻覚を見せているのか。

事の真相は闇の中ですが、「毒と薬は紙一重」という言葉にあるように、服用量次第で「毒」は「薬」にもなりうるのかもしれません。ただ、「毒」と分かっているものを他人に薦めるなんて愚行は、たとえ「毒」の副作用で正常な判断を鈍らせていたとしても、とても自分にはできる事ではありませんが。

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[投稿:2011-11-24 20:44:12] [修正:2011-11-25 20:06:33]

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